お葬儀の豆知識
お悔みの言葉とは?メールや香典とともに添える言葉の例文。一筆箋、手紙での例文も紹介
・お悔みの言葉の例文や意味とは?
・訃報メールの返信や手紙の例文は?
・お悔みの言葉を伝えるマナーは?
お悔みの言葉とは訃報の知らせを受け、ご遺族へ寄り添いの気持ちを込めてかける言葉です。
ご遺族の深い悲しみに寄り添うお悔みの言葉をかけたいものの、繊細な場面だけに失礼にならないか、心配になる人も少なくありません。
本記事を読むことで、お悔みの言葉の意味や例文、お悔みの言葉をかける際のマナーが分かります。
お悔みの言葉とは
◇お悔みの言葉とは、訃報を受けてご遺族にかける寄り添いの言葉です
一般的には通夜や葬儀においてお悔みの言葉をかけます。
また通夜や葬儀に参列できない時の弔電や、供花や香典に添える手紙にも、お悔みの言葉を添えるでしょう。
[どのシーンでも使用できる]
・お悔み申し上げます
・残念でなりません[対面で使用する]
・ご愁傷様です
[弔電や手紙で使用する]
・哀悼の意を表します
・ご冥福をお祈りします
ただし「ご冥福をお祈りします」は、宗教的な考え方に基づいたお悔みの言葉なので、浄土真宗以外の宗旨宗派で使用できます。
・沖縄で訃報の知らせを受けたらどうする?通夜に行く?訃報欄確認?判断材料
お悔み申し上げます
◇「お悔み(おくやみ)申し上げます」は、弔いの言葉です
お悔みの言葉として最も頻繁に使用されるもので、口頭での使用はもちろん、メールや弔電、手紙でも活用できるでしょう。
「この度は、お悔み申し上げます」
「ご逝去の報に触れ、謹んでお悔み申し上げます」
弔電や手紙では、丁寧な文面で整えると丁寧です。
・葬儀に参列できない時の対処法とは?メールで伝える丁寧な例文や、沖縄での対処法も解説
残念でなりません
◇「残念でなりません」は、自分の気持ちを表現する言葉です
訃報を受けて悲しい気持ちを、ご遺族と共有できます。
そのため「残念でなりません」単体で使用することは、比較的少ない傾向です。
「この度の訃報に接し 誠に残念でなりません
皆さまにおかれましては さぞお力落としのことでしょう
心よりお悔み申し上げます」
などの流れです。
そのため、「残念でなりません」は他のお悔みの言葉と併せて、口頭でも弔電など文面でも使用できます。
ご愁傷様です
◇「ご愁傷様です(ごしゅうしょうさま)です」とは、憂いと痛みを表します
ご愁傷は憂い(愁)、痛み(傷)を表し、「この度はご愁傷様でございました」などとお悔みの言葉をかけます。
●寄り添う言葉として口頭でのみ使用するのがマナーです。
そのため供花や供物に添える手紙、弔電では使用しません。
ただ通夜・葬儀に参列できず、後日ご自宅を訪問する「弔問」では、ご遺族と対面してお悔みの言葉をかけるため、使用できます。
哀悼の意を表します
◇「哀悼(あいとう)の意を表します」は、哀しみ痛む気持ちです
「哀悼」とは「哀」が哀しみ、「悼」が心を惜しみ痛めることを差し、人の死を悲しみ痛むことを表すお悔みの言葉となり、弔電や供花などに添える手紙など、文面で使用します。
「この度は○○様の訃報に接し 謹んで哀悼の意を表します」
ご遺族により丁寧な気持ちを伝えるため、一般的に「謹んで(つつしんで)」の言葉を冒頭に沿えると良いでしょう。
ご冥福をお祈りします
◇「ご冥福(ごめいふく)をお祈りします」は、故人へかける言葉です
「お悔み申し上げます」「ご愁傷様です」は、大切な家族を亡くしたご遺族へかける言葉ですが、「ご冥福をお祈りします」は、故人の死後が穏やかであることを願う仏教用語です。
・仏式の通夜や葬儀で使用する
・浄土真宗以外の仏教宗派で使用する
死後の世界の冥福を祈る言葉ですが、キリスト教には成仏の概念がありません。
また浄土真宗においても、人は誰でも亡くなるとすぐに成仏するため、死後に悩み苦しみはないためです。
宗教的な考え方が影響するので、仏式の通夜や葬儀においてのみ使用しましょう。
・キリスト教式の葬儀に参列する時のマナーとは?服装や香典の整え方、服装や献花まで解説
お悔みの言葉の伝え方
◇お悔みの言葉は、簡潔に伝えます
故人やご遺族と生前から親しくしている人は、ついついお悔やみの言葉も長くなりがちですが、抑えた声で手短に、簡潔に伝えるのがマナーです。
[対面]
・抑えた声で話す
・簡潔に伝える[文面]
・便箋は一枚にまとめる
・一筆箋でも良い
「ご冥福をお祈りします」のお悔みの言葉でも伝えましたが、キリスト教では人が亡くなると神に召されますし、浄土真宗ではすぐに極楽浄土へ成仏します。
宗教背景も理解したうえで、適切なお悔みの言葉を選ばなければなりません。
事前にご遺族の宗旨宗派を確認して、改めてお悔やみの言葉をチェックすると良いでしょう。
・【沖縄の葬儀マナー】訃報欄で発見!初めて沖縄の葬儀に参列する5つの事柄
お悔みの言葉をかけるタイミング
◇お悔みの言葉は、通夜や葬儀、弔問の他、弔電などでもお伝えします
対面でかけるお悔やみの言葉は、主に通夜や葬儀での受付や退場時、通夜や葬儀に参列できなかった時には、後日ご自宅まで弔問する時のタイミングです。
それぞれお悔みの言葉の前に、ご遺族へお礼の言葉を添えましょう。
[通夜・葬儀の受け付け]
・お焼香させていただきます
・お参りさせていただきます[会食の退席時]
・おもてなしに授かりました
・本日はこれで失礼をいたします
[弔問]
・この度はご葬儀に伺えず 申し訳ございません
・本日はご焼香をさせていただきます
など、それぞれお礼のご挨拶ののち、「この度はお悔み申し上げます」「残念でなりません」などの、お悔みの言葉へと続きます。
お悔みの言葉の注意点
◇お悔みの言葉をかける時には、忌み言葉を避けます
弔事では口頭でも文面でも、避けたい言葉が「忌み言葉」です。
「忌み言葉(いみことば)」とは、不幸や不吉を連想させるため忌まれる言葉となり、重ね言葉や不吉な言葉を差します。
[重ね言葉]
・重ね重ね
・度々
・くれぐれも
・ますます[不吉な言葉]
・死亡
・絶える
・散る
・追って
・ひき続き
[数字]
・四(死)
・九(苦)
※偶数
不吉な言葉の他にも「死亡」など、直接的な言葉は避けましょう。
このような忌み言葉は多数あるため、忌み言葉を避けるためにも、お悔みの言葉は簡潔に伝え、葬儀マナーや態度で弔意を表します。
弔事で避けたい話題
◇弔事で話す機会があれば、故人の思い出話などが適切です
弔事では言葉少なく、簡潔にお悔みの言葉をかけて済ませる流れが適切ですが、通夜振る舞いや精進落としの席で、話す機会もあるでしょう。
・故人の死因を聞く
・ご遺族が触れて欲しくない話題
この場合には、生前の故人の思い出話が適切です。
ご遺族も知らない故人の思い出話などは、喜ばれます。
メールや手紙のお悔みの言葉
◇メールで伝えるお悔みの言葉は、あくまでも略式です
訃報をメールで受け取った時など、お悔みの言葉をメールで返信することも、現代は失礼ではなくなりましたが、あくまでも略式と捉えると良いでしょう。
下記の点は弔事において失礼にあたるため、メールでは注意をしてください。
・絵文字を付ける
・機種依存文字は控える
・相手が誰でも丁寧な言葉で書く
また、メールで葬儀に参列できない時に伝えても、当日は弔電や供花などを送り、弔意を伝えます。
親戚へお悔みの言葉
この度は○○様の訃報に触れ 言葉もありません
皆さまもさぞ大変な時かと思いますが
どうぞご無理をなさいませんよう ご自愛ください
本来は葬儀に駆け付けてお悔みを申し上げたいところではありますが
やむを得ない事情により 手紙にて失礼をいたします
謹んで哀悼の意を表します
友人・知人へお悔みの言葉
この度は○○様の訃報に触れ 心よりお悔みを申し上げます
○○さんも心遣いをするなか 無理をされているのではないでしょうか
しばらくはお忙しいことでしょうが
何かあれば いつでもご連絡・ご相談いただければ幸いです
大変かとは存じますが どうぞご自愛くださいますように
会社関係へのお悔みの言葉
この度は○○様のご逝去に接し 心よりお悔みを申し上げます
○○支部○○でございます
しばらくは大変かと思いますが
どうぞご無理をなさいませんように
手紙でのお悔みとなりましたこと 大変申し訳ありません
謹んで ○○様のご冥福をお祈りいたします
お悔みの言葉は簡潔に伝えます
お悔みの言葉は通夜や葬儀の参列、弔問でかける場合でも、弔電や手紙でも、簡潔に伝えることがポイントです。
ご遺族も家族を亡くして哀しみのなか、通夜や葬儀、初七日や四十九日法要と準備をしながら、相続などの手続きを粛々と進めなければなりません。
近年では家族葬など、通夜や葬儀への参列や香典・供花などを辞退するスタイルも増えました。
このような場合はご遺族の意向を汲み、お悔みの言葉を添えたお手紙を送るのみでも、問題はありません。