お葬儀の豆知識
葬儀で頼りになる「世話役」とは?世話役が担う5つの役割と、喪主の配慮
葬儀で世話役をお願いしたいけれど、何をどこまで依頼できるのか、迷う喪主の声も多いですよね。
世話役は本来、喪主と一緒に葬儀を無事に進めてくれるサポーターで、関係性や立場によってそれぞれに役割をお願いします。
そこで今回は、初めての人でもわかる「世話役とは?」依頼する時のポイントなどをご紹介します。
葬儀での「世話役」とはなにか
大切な人を亡くし心中が痛んでるなか、喪主として葬儀の準備をするのは骨が折れる作業です。
現在では葬儀社に依頼することで、葬儀社スタッフが進めてくれますが、人によっては気心の知れた知人友人や、親族にサポートをお願いしたい人もいるでしょう。
また御香典の受け付けや会計係など「お金に関する仕事は親族などに任せたい」と言う喪主もいます。
●葬儀で喪主をサポートしてくれる人(喪主/遺族/葬儀社スタッフ以外の人)
(1)世話役代表
(2)会計係
(3)受付係(お預かり係/返礼品係)
(4)進行役
(5)駐車場係(道案内)
その昔はそもそも葬儀社がなく、地域の集会所や寺院の法要会場を利用して、集落の人々が喪主やご遺族を手伝いながら、葬儀を執り行ってきました(隣組など)。
そのなかで生まれた言葉が、葬儀における「世話役」です。
そのため現代では、世話役が行うとされる多くの役割を葬儀社スタッフが担ってくれますが、例えば葬儀の規模によっては、葬儀社スタッフが全てを担うには、充分な人数ではないこともあります。
葬儀においては臨機応変に、世話役の依頼を検討すると良いでしょう。
(1)世話役代表
特に大きな葬儀になると世話役は「会計係ひとりだけ」とは行かないことも多いですよね。
もちろん、葬儀で世話役は往々にして複数人に依頼することになりますが、世話役の代表者を1人、決めておくとスムーズです。
●葬儀の世話役を取りまとめる立場で、葬儀社との打ち合わせを行う世話役代表もありました。
・世話役の係を調整する
・葬儀社と打ち合わせる
・喪主と世話役の連絡係
このような大きな役割があるため、葬儀で世話役をお願いする時には、葬儀に関する経験が豊富で、人柄としても年齢としても他の世話役を取りまとめる人、喪主と近しい関係性の人が好ましいでしょう。
・喪主の意見を通しやすい
・勤め先の人
・日頃親しい近所の人
葬儀関連の経験に長けた人であれば、世話役代表だけを決めて、他の世話役の人々の係まで、決めてもらっても、良いかもしれません。
(2)会計係
会計係は、御香典や葬儀費用などの現金を管理する役割です。
・葬儀会場の現金を管理
●そのため知人友人や、喪主にとって関係性の浅い人ではなく、喪主が信頼できる相手や、親族などに依頼します。
(3)受付係(お預かり係/返礼品係)
受付係は、受付で参列者のお悔みの言葉を遺族の代わりに受け取り、芳名帳に記載してもらったり、御香典や供物などを受け取る役割です。
・芳名帳記入(管理)
・供物や供花などの預かり
・参列者の持ち物預かりなど
・会葬礼状や返礼品の受け渡し
●故人の知人友人や、若い親族などが多く、葬儀社スタッフにも依頼できます。
(4)進行役
葬儀の司会進行を主に行う役割で、弔電などの読み上げもあるため、日ごろから司会に慣れた知人友人がいる時には依頼することもあるでしょう。
●司会経験のある知人友人、一般的には葬儀社スタッフに依頼します。
(5)駐車場係(道案内)
自宅葬などで駐車場が複雑だった場合など、道案内や駐車場係を配置する葬儀も多いです。
●こちらも知人友人などに依頼できますが、基本的には葬儀社スタッフが多いでしょう。
昔の葬儀で世話役が担っていた仕事
一般的に現代の葬儀で世話役を頼む時には、上記のような役割をお願いしますが、昔ながらの葬儀では、時に世話役代表が喪主の代理として、葬儀全般の打ち合わせを行うケースもあります。
これは昔の葬儀で世話役が担っていた仕事が多く、地方の葬儀では今でも積極的に世話役代表が手続きを進めてくれるため、喪主が戸惑う体験談もありました。
①葬儀の打ち合わせ、立ち会い
②道路使用許可を申請
③供花や供物の取り寄せ
④弔辞を依頼する
特に地方で昔ながらの葬儀を執り行う場合、世話役代表を依頼する時には、このような役割を担うこともあることを理解しておくと、よりスムーズです。
①葬儀の打ち合わせ、立ち会い
世話役代表の役割がどこまでかは、喪主やご遺族によって、またお互いの関係性によってそれぞれ違いますが、遺族の代わりを担う場合には、葬儀の打ち合わせも行います。
・火葬の手配や打ち合わせ
・精進落としの取り決め
などなどを行い、それぞれ必要に応じた手配や手続きをテキパキと進めてくれるでしょう。
ただし近年では、これらの作業の多くを葬儀社スタッフが担ってくれます。
②道路使用許可を申請
その昔の沖縄では自宅葬が多くありました。
そのため、昔の沖縄では葬儀前に世話役代表が道路使用許可をもらうなどしています。
自宅葬では、家の前が道路に参列者が集まったり、車が混雑しやすいためです。
道路使用許可の申請は主に最寄りの警察署で申請すると許可がおります。
また地域によっては近隣で駐車場を借りるなど、駐車場の手配もしていました。
③供花や供物の取り寄せ
以前の葬儀では世話役が、供花や供物の取り寄せ手配をしてくれました。
けれどもこちらも、現在では葬儀社が葬儀会場をセッティングしてくれるでしょう。
④弔辞を依頼する
弔辞や精進落とし(通夜ぶるまい)での献杯などを依頼したい場合、葬儀で世話役と一緒に検討し、依頼することもあります。
ちなみに弔辞を依頼する場合は、断られたり、当日に具合が悪くなるなどで欠席することも想定して、複数人を候補に挙げておくと良いでしょう。
葬儀後、世話役へお礼を包む
葬儀で世話役を依頼した場合、喪主は事前に「志」などの表書きを書いたポチ袋などに、お礼を包みます。
この包む目安ですが、沖縄と全国で金額目安が少しだけ異なりますので、①都心部か地方か、②相手が本州出身の人かどうか、③葬儀の形式、…などで判断をしてください。
●世話役全般
・全国的な相場…約5千円~1万円ほど
・沖縄の相場…約千円~3千円
●世話役代表
・全国的な相場…約1万円~3万円
・沖縄の相場…約5千円~3万円(平均値1万円)
また喪主は葬儀を終えた後、金銭やお礼の品を贈る必要はありませんが、お礼状ハガキを送り、感謝を伝えるようにしてください。
最後に
以上が葬儀で世話役を依頼する場合の基礎知識です。
ただし、葬儀社にあらゆる手続きや仕事を任せることが可能な現代では、必ずしも世話役を立てる必要はありません。
自宅葬などでは家のキッチンなどに詳しい友人知人がいると助かりますし、金銭面で他人に預けるよりは、親しい親族にお願いしたいなどの場合には、気兼ねなく葬儀社スタッフにも報告しながら、世話役に入ってもらうと良いでしょう。
また世話役との関係性によっては、喪主が大切な人を失ったショックのなか、思うように動けない場合など、喪主に代わって葬儀社との打ち合わせや、花輪の配置、席の配置などをチェックすることもできます。
・【葬儀の進め方】喪主が決める花輪や供花を配置する順番、5つの決まり事
まとめ
世話役とは。5つの役割とポイント
●世話役とは
・喪主を葬儀でサポートする人●世話役5つの役割
・世話役代表
・会計係
・受付係
・進行役
・駐車場/道案内係●昔の世話役の役割を知っておく
・葬儀の打ち合わせ、立ち会い
・道路使用許可を申請
・供花や供物の取り寄せ
・弔辞を依頼する
※現在では多くを葬儀社が担っている●世話役にはお礼を包む
①世話役全般
・全国的な相場…約5千円~1万円ほど
・沖縄の相場…約千円~3千円②世話役代表
・全国的な相場…約1万円~3万円
・沖縄の相場…約5千円~3万円(平均値1万円)