お葬儀の豆知識
「法要」とは?法事とは何が違うの?法要の種類や執り行うタイミング、施主の準備を解説
・法要とは?法事とは何が違うの?
・法要の種類や、執り行うタイミングは?
・法要の準備の流れは?
「法要」とは、故人の冥福を祈り供養する仏教儀式で、お通夜や葬儀の後、七日目に執り行われる忌日法要「初七日」から始まります。
法要当日は読経供養が行われ、参列者はお線香をあげて供養をする流れです。
本記事を読むことで、法要とはなにか?法事との違いや種類、執り行うタイミングの他、施主が行う法要準備の流れが分かります。
「法要」とは
◇「法要」とは、故人の冥福を祈り供養する仏教儀式です
「法要(ほうよう)」とは、故人の冥福を祈りながら、集まった参列者が供養をする仏教儀式となり、法要当日は一般的に、僧侶へ読経供養を依頼します。
法要は仏教で故人が極楽浄土に往生する後押しのため、残された生きる者が、故人のために供養をする「追善供養」の儀式です。
また浄土真宗では、亡くなった瞬間に極楽浄土へと導かれると考えるため、故人を偲びながら遺族が仏の教えを聞く場として行われます。
法要と法事の違いは?
◇「法事」は法要後の会食も含めた全てです
「法要」は読経供養による追善供養など、宗教的な儀式に限定されます。
一方で「法事(ほうじ)」は、法要後の会食(お斎)を含んだ行事全体を指し、親族や故人とご縁のある人々が集まり、僧侶とともにご冥福を祈ります。
そのため法要は法事の一部です。
<法要と法事の違い> ●法要は法事の一部 |
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①法要 | ・宗教的儀式 (読経供養、お焼香など) |
②法事 | ・故人のご冥福を祈る ・仏教行事 (お盆、彼岸) |
さらに厳密に言えば、法事はいくつかの仏教行事の一部となります。
例えばお盆や彼岸供養など、一般的に法事と呼ばれる仏教行事があるでしょう。
法要の種類とは
◇法要の主な種類は、忌日法要と年忌法要です
法要にはさまざまな種類がありますが、基本的には忌日法要・年忌法要となります。
家で法要を執り行う仏教行事は、初盆と彼岸会などです。
ただ、遠方に住む親族も増え忙しい現代では、全ての法要を執り行うことは、難しいでしょう。
<法要のさまざまな対応策> | |
①主要な法要のみ行う | …四十九日、百カ日、一周忌、三回忌 |
②繰り上げ法要 | …他の法要を同日に、併せて行う |
③併修(へいしゅう) | …他のご先祖様と併せて行う |
他のご先祖様と一緒に年忌法要を執り行う「併修(へいしゅう)」をしても問題はありません。
「繰り上げ法要」とは、葬儀の日に初七日法要を執り行うなど、同日に複数の法要を行うことを指します。
繰り上げ法要など、読経供養を同日に複数回依頼する場合、お布施も多めに包むようにしてください。
忌日法要とは
◇「忌日法要」とは、忌中に取り行う法要です
「忌日法要(きじつほうよう)」とは、亡くなった日から七日ごとに、四十九日まで行う法要をさします。
お通夜・葬儀の後、初七日から始まり7回、四十九日法要で忌日法要の終了です。
参列者をご案内する忌日法要は、一般的に初七日・四十九日法要のみとなるでしょう。
<忌日法要とは> (故人が亡くなった日を含む) |
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・初七日(しょなのか) | …7日目 |
・二七日(ふたなのか) | …14日目 |
・三七日(みなのか) | …21日目 |
・四七日(よなのか) | …28日目 |
・五七日(いつなのか) | …35日目 |
・六七日(むなのか) | …42日目 |
・七七日(なななのか) | …49日目 |
仏教では忌中にあたる四十九日感、故人はこの世とあの世の間を彷徨う存在です。
この期間を「中陰」と呼び、「死者があの世へ旅立つための準備期間」と捉えます。
そのため残された家族は、故人が極楽へ行けるようにと7日ごとに法要を行うのです。
ただし浄土真宗では、故人は死後すぐに極楽へ行けると考えられ、忌日法要は信仰を深めて、故人への感謝の気持ちを伝えるために行われます。
年忌法要とは
◇年忌法要とは、特定の祥月命日に執り行う法要です
「年忌法要(ねんきほうよう)」とは、特定の祥月命日に執り行う、仏教における追悼式とされ、故人が亡くなって1年目の一周忌から始まります。
故人が亡くなってから1年目が、最初の年忌法要となる「一周忌」ですが、次の三回忌以降は、(回忌数ー1)年目に行うため、数え方にご注意ください。
<年忌法要とは> (故人が亡くなって) |
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・一周忌 | …1年目 |
・三回忌 | …2年目 |
・七回忌 | …6年目 |
・十三回忌 | …12年目 |
・十七回忌 | …16年目 |
・二十三回忌 | …22年目 |
・二十七回忌 | …26年目 |
・三十三回忌 | …32年目 |
・五十回忌 | …49年目 |
最近では、全ての年の忌法要を行わないことが一般的で、一回忌、三回忌、七回忌、十三回忌、三十三回忌だけが行われることが多いようです。
沖縄では一回忌、三回忌、七回忌、十三回忌、二十五回忌、三十三回忌を行うことが多いです。
一周忌と三回忌では、家族や親戚、親しい友人を招いて比較的大規模な儀式が行われ、僧侶による読経の後に共同で食事をします。
一周忌以降の法要は、故人への感謝の気持ちを伝え、彼らが幸せな世界に導かれるようお祈りするために行われます。
・年忌法要はいつまで?親戚を呼ぶ、大きな法要は何回忌まで?親族と一緒に行っても良い?
追悼法要とは
◇「追悼法要」とは、故人を追悼する法要です
「追悼法要(ついとうほうよう)」とは、故人の家族やゆかりのある人々が集まり、時に僧侶へ読経供養を依頼して、故人を追悼し供養する仏教行事となります。
年中行事の役割が強く、主に故人が亡くなって初めて迎えるお盆「初盆(はつぼん)」や、初めて迎えるお彼岸「初彼岸(はつひがん)」などで、法要を執り行うでしょう。
故人が亡くなって百日目に執り行う「百箇日」も、対用法要にあたります。
①彼岸法要
◇初彼岸には、仏前・墓前法要を執り行うことがあります
「お彼岸」とは、彼岸(あの世)と此岸(この世)が最も近くなる日です。
春分の日と秋分の日を含む、前後7日間の期間を指します。
全国的にはお彼岸にお墓参りを行いますが、沖縄では仏前供養が多いです。
また故人が亡くなって初めて迎える初彼岸では、仏前や墓前法要を執り行い、故人を対良いする家も見受けられます。
②初盆法要
◇初盆(新盆)では多くの家で僧侶を招き、法要を執り行います
初盆(新盆)は、故人が亡くなって初めて迎えるお盆です。
全国的に初盆法要を執り行うとともに、初めてで自宅までの帰り道を迷わぬよう白提灯を目印とします。
ただし「初盆(新盆)」とする数え方が地域によっても違うので、確認をしてください。
<地域で違う、初盆の数え方> | |
①忌明け後、初めて迎えるお盆 | …故人が亡くなって49日以降 |
②喪明け後、初めて迎えるお盆 | …故人が亡くなって1年以降 |
かつての沖縄では初盆(新盆)は家族のみで控えめに過ごしてきました。
けれども近年では全国的な風習に倣い、沖縄でも初盆(新盆)に親族をご案内し、初盆法要を執り行う家が多いです。
施主が行う法要の準備
◇施主が行う法要の準備は、スケジュール調整から始まります
斎場(法要会場)など、会場と僧侶のスケジュールを調整し日程を決めた後、1か月前には参列者へ御案内状を送りましょう。
全国的には法要の後、会食の場「お斎(おとき)」を設け、施主はお食事を振る舞いますが、沖縄では仕出し弁当などをお帰りに準備する家も多いです。
施主側で方針を決めて、1か月前には手配を済ませておくと良いでしょう。
①法要の日程を決める
◇沖縄では祥月命日の後に法要日程を設定します
年忌法要の日程は祥月命日当日がベストですが、忙しい現代において平日に法要を設定しても、参列できない人が多いでしょう。
そのため全国的には祥月命日の前とされてきました。
けれども沖縄では反対で、祥月命日よりも後の週末に設定する習わしがあります。
②会場を手配する
◇法要は自宅・斎場・ホテル・寺院などです
法要会場は一般的に自宅・斎場(法要会場)・ホテル・寺院などがあります。
法要の後に会食を振る舞う場「お斎(おとき)」を設定するのであれば、斎場(法要会場)などを選ぶと、当日の移動が省略できて便利です。
会食では、お祝いの食材を避けるために、法事であることを伝えてください。
③僧侶を手配する
◇沖縄で僧侶は葬儀社や、近隣の寺院に相談します
寺院墓地にお墓が建ち「菩提寺」があれば、読経供養はまず菩提寺のご住職に相談をしますが、沖縄に寺院墓地はあまり多くはありません。
そのため沖縄で僧侶を手配する場合には、法要の準備を依頼する葬儀社スタッフや、仏壇仏具店、近隣の寺院などで依頼することが多いです。
最近では僧侶のインターネット派遣も登場しました。
読経供養の依頼は現代、約3万円~5万円/1回ほどが相場ですので、比較検討しながら決めると良いでしょう。
③参列者を決める
◇参列者を決めて案内状を出しましょう
法要の日時と場所が決まったら、案内状を発送します。
家族や親しい方々をリストアップし、最終的な人数は案内状の返信を確認して決定します。
法要の人数を確定するため、返信用封筒や往復ハガキを使用して返事をもらい、人数を事前に確定しましょう。
ただし親族だけで行われる場合、電話での連絡でも問題ありません。
返信はがきが揃ったら、再度会食会場に人数を連絡します。
④引き物の準備
◇引き物は、消耗品の食品や生活用品を選びます
参列者がお帰りになる際、荷物にならない軽くてかさばらないものがおすすめです。
近年では参列者が、自分で選べるカタログギフトによる引き物が増えました。
不祝儀専用カタログにはたくさんの種類があります。
予算も約2千円~5千円ほど/1人まで、豊富にあるので便利です。
・法要・法事の食事(会食)とは?代わりになるものはある?会場やメニューの選び方を解説
⑤法要のお供え物を準備
◇法要当日のお供え物は消え物です
法要当日は食べ物などの消え物を用意します。
沖縄の法要では、果物の盛り合わせや法事菓子の持ち合わせを用意しましょう。
また、故人が生前に好きだったものも大丈夫です。
・遺影
・位牌
・供花
・お供え物
・お布施
(数珠など)
また自宅とは別会場で法要を執り行う場合、遺影や位牌を持参します。
供花は四十九日の忌中前の法要であれば白い花を、それ以降であれば控えめに少しの色が付いても構いません。
法要前日
◇お布施を準備します
法要前日は、引き物の数や位牌・遺影など、今まで準備をしてきたものの最終確認をしながら、法要当日、僧侶にお渡しするお布施を準備しましょう。
法要のお手伝いを親族や友人知人に依頼した場合には、感謝の気持ちとして「心付け」をポチ袋に入れて準備します。
また葬儀社スタッフは受け取らないことも多いですが、念のため準備をしても良いでしょう。
<お布施の準備> | |
①お布施金額 | ・約3万円~5万円/1回の読経供養 |
②封筒、筆 | ・厚手の白封筒 ・黒墨 |
③お札 | ・新札を準備 ・開けると肖像画 |
④表書き | ・お布施(御布施) ・下に氏名(もしくは家名) |
⑤裏面 | ・右上…金額 ・左下…住所、氏名 |
お布施はお悔やみの気持ちを表す香典ではないので、基本的に慶事マナーに倣い包むため、お札は新札、入れる向きは封を開けた時に、お札の肖像画が見えるように入れてください。
また数字は旧字体の漢数字です、詳しくは下記コラムをご参照ください。
・法要・法事のお布施とは?金額相場やタブーの数字、表書きや包み方、渡し方マナーを解説
まとめ:法要とは、故人を追悼し供養をすることです
「法要」とは、故人の家族や親族、ゆかりのある人々が故人のために集まり、供養・対用をする仏教儀式、仏教行事となります。
法要の服装は一般的に三回忌までは、一般参列者がお通夜や葬儀などで着用する準喪服、七回忌以降は「それほど厳密ではなくても良い」とされる、畏まったお出かけ着「平服(へいふく)」が一般的です。
法要に呼ばれたら、参列者は香典を用意し袱紗(ふくさ)に包んで参列しましょう。