お葬儀の豆知識
忌み言葉とは?葬儀で避けたい忌み言葉一覧をチェック!言い換えも併せて解説
・葬儀で避けたい「忌み言葉」とは?
・葬儀の忌み言葉には何があるの?
・葬儀の忌み言葉を置き換えるには?
ご遺族に寄り添いお悔みを伝えたい葬儀では、せめて忌み言葉を繰り返さないよう、事前に理解しておきたいですよね。
本記事を読むことで、失礼のないお悔みの言葉を選び、ご遺族に寄り添うことができます。葬儀での忌み言葉とともに、言い換える言葉もご紹介していますので、どうぞ最後までお読みください。
葬儀の「忌み言葉」とは
◇葬儀での忌み言葉とは、不幸・不吉を連想させる、ご遺族への配慮に欠いた、避けるべき言葉です
葬儀の他、忌み言葉は結婚式など冠婚葬祭で避けるべき言葉であり、結婚式では別れを連想させる言葉、縁起の悪い言葉などがそれに当たります。
・重なる不幸を連想させる言葉
・不吉な言葉
・縁起の悪い言葉
・直接的な表現
・配慮に欠いた言葉
・宗旨宗派による避けたい言葉
そもそも葬儀の席ではあまり多くを語らない方が良いでしょう。受付でお悔みの言葉を簡潔に述べて、礼をもって丁寧にお焼香を済ませ、深くお辞儀をすることで、弔意は相手に伝わります。
・【沖縄の葬儀マナー】宗派で違うお焼香の仕方とは。押さえる3つのポイント
葬儀の忌み言葉、3つの種類とは
◇葬儀における忌み言葉は、3つの種類を理解すると覚えやすいです
葬儀における忌み言葉は、特に不幸が重ならないよう、不吉な言葉に配慮します。また宗旨宗派によって使用する言葉も変わるため、予め葬儀の宗旨宗派まで確認して予習をすると良いでしょう。
①重ね言葉…不幸が重ならない
②続き言葉…不幸が続かない
③死を連想する言葉…ご遺族を傷つけない
④不吉な言葉…不幸を予感させない
⑤宗教的にそぐわない言葉
また宗旨宗派によって死生観が変わるため、扱う言葉も変化します。葬儀の形式に倣い、宗旨宗派に添った言葉でお悔みを伝えます。詳しくは後述しますので、後半をご参照ください。
・【沖縄の葬儀マナー】御香典の包み方マナー、持ち歩き方・差し出し方とは?
葬儀の忌み言葉①重ね言葉
◇「しばしば」「ますます」などは、不幸が重なる言葉です
同じ言葉が繰り返される「重ね言葉」は、不幸が繰り返されるとして忌まれてきました。特に「重ね重ね(かさねがさね)」は「重ね」の一言でも葬儀の忌み言葉です。
<葬儀の忌み言葉①重ね言葉> | |
・重ね重ね | 加えて |
・ますます | よりいっそう |
・みるみる | 見る間に |
・つくづく | 心から |
・ときどき | 時折 |
・くれぐれも | どうぞ |
・わざわざ | 特別に |
・次々と | ひっきりなしに |
・返す返す | 何度考えても |
・いよいよ | ついに |
…などに言い換えることができます。
葬儀の忌み言葉②続き言葉
◇「再び」「引き続き」などは、不幸が続くことを連想させます
不幸が重なる重ね言葉と同様、不幸が続いてしまうとして忌まれる言葉が「続き言葉」です。弔辞などでつい出てしまいがちな続き言葉は「また」、日常でも使用頻度は高いでしょう。
<葬儀の忌み言葉②続き言葉> | |
・続いて | 同じく |
・再び | 改めて |
・次に | 新たに |
・引き続き | 今後とも |
・何度も | 頻繁に |
・追って | 後ほど |
・もっと | 一段と |
・重ねて | 本当に |
・また | さらに、今一度 |
・繰り返し | しきりに |
喪主挨拶ではつい、「引き続きよろしくお願いいたします。」と挨拶を締めてしまいそうになりますが、「引き続き」が不幸が重なる続き言葉になりますから、「今後とも、よろしくお願いいたします。」などへ言い換えます。
葬儀の忌み言葉③死を連想する言葉
◇葬儀の忌み言葉では、死を連想する言葉・直接的な表現を避けてください
ご遺族を傷付けないことが、葬儀で忌み言葉を避ける最大の役割です。特に死を連想させる直接的な表現は、故人との別れの場を連想しがちですので避け、言い換えるように配慮します。
<葬儀の忌み言葉③死を連想する言葉> | |
・死ぬ(死亡) | 逝去(せいきょ) |
・急死 | 突然のこと |
・生きていた | お元気な時 |
「生きていた」も忌み言葉のひとつです。「生きている時」や「生存中」なども直接的な表現として忌まれます。「お元気な時」以外には「ご生前」とも言いかえることができるでしょう。
葬儀の忌み言葉④不吉な言葉
◇「大変」「消える」など、不幸を連想させる不吉な言葉も避けます
故人の人生を振り返った時、「苦労の多い大変な人生を乗り越えてきました」などの言葉を使いがちですが、「苦労」も「大変」も、葬儀の忌み言葉です。
不吉な葬儀の忌み言葉として代表的なものは「四(死)・九(苦)」があるでしょう。
<葬儀の忌み言葉④不吉な言葉> | |
・四(死) | 逝去(せいきょ) |
・九(苦) | 突然のこと |
・大変な | お元気な時 |
・苦労の多い | 努力、尽力 |
・忙しい | 多用 |
・辛苦 | 楽ではない |
また言い換えが難しく極力避ける葬儀での忌み言葉には、「浮かばれない」「消える」「落ちる」などの言葉があります。
葬儀での忌み言葉⑤宗旨宗派
◇葬儀には主に仏式・神式・キリスト教式があり、それぞれの死生観に基づいた言葉を使います
仏教では人が死ぬと冥土の道を辿り四十九日にして成仏しますが(浄土真宗以外)、キリスト教式では神様の元へ召されますよね。それぞれに死生観が異なるため、葬儀の形式に配慮した言葉遣いが大切です。
<葬儀の忌み言葉⑤宗旨宗派> | |
①仏式…死後の世界「冥土」を歩み成仏する | |
・浮かばれない | ご冥福 |
・迷う | お悔み |
②神式…死者の御霊は神として祀る | |
・冥福 | 安らか |
・往生 | 平安 |
・あの世 | 旅立ち |
③キリスト教式…神の元に召される | |
・お悔み | 安らか |
・往生 | 平安 |
・あの世 | 旅立ち |
ただし浄土真宗は他の仏教宗派と違い、人が亡くなるとすぐに阿弥陀如来の他力本願により、成仏するため「ご冥福」などの言葉は使用しません。浄土真宗では「ご冥福をお祈りします」などのお悔みは述べず、「お悔み申し上げます」で良いでしょう。
葬儀の会話で配慮することとは
◇葬儀の席では長話をせず、お悔みの言葉は簡潔に済ませます
葬儀で忌み言葉をあまり使わずに済むこともありますが、何よりも参列客が集まる葬儀の席で、ご遺族と長話が進むのはご遺族の負担になります。
・長話をしない
・故人の死因などを尋ねない
・お悔みの言葉は簡潔に終える
大切な家族を失ったショックのなかにいるため、「早く元気を出して」など、参列者にとっては励ましの言葉でも、ご遺族にとってはキツく感じる言葉もあるでしょう。
ご遺族に寄り添う言葉を心掛けるとともに、葬儀当日の会話は簡潔に済ませます。
・【沖縄の葬儀マナー】訃報欄で発見!初めて沖縄の葬儀に参列する5つの事柄
葬儀では忌み言葉に配慮しましょう
葬儀の他にも忌み言葉は結婚式など、冠婚葬祭の全般で配慮すべき言葉ですが、特に葬儀の席では忌み言葉の理解がないと、思った以上にご遺族を傷付けてしまいます。
一般参列ではご遺族と話す機会も少ないですが、家族葬などではご遺族と近い距離感となり、お悔みの言葉だけではなく会話も多くなりがちです。
葬儀へ参列する前に本記事を参考にして、葬儀での忌み言葉を理解すると良いでしょう。
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