お葬儀の豆知識
訃報メールの返信マナーとは?ラインはどうする?ビジネスや親戚、立場で違う5つの文例
・訃報メールを受けた時の返信はどうする?
・訃報をラインで受けた時の返信は?
・訃報メールの返信に適した文例はある?
訃報をメールで受けたら、返信しても良いか迷う人も多いですよね。
スマートフォンが普及し、メールやSNSによる連絡が主流となった現代では、相手から訃報メールを受けたら、メールで返信しても良いでしょう。
本記事を読むことで、訃報メールを受けた時の返信マナーや、実際に利用できる、立場で違う5つの文例が分かります。
訃報メールを受けたら返信は?
◇訃報メールを受けたら、メールで返す人が多いです
電話や案内ハガキによる連絡が主流だった昔と違い、SNSやライン、メールを主な連絡手段とする現代では、相手から訃報メールが届いたならば、返信もメールで返して問題はありません。
後々まで正式に残る挨拶状や案内ハガキ、弔電やお悔やみの手紙が正式なもので、メールやラインはあくまでも略式であることだけ、理解しておくと良いでしょう。
こちらからメールやラインは避ける
◇訃報メールに返信する以外は、弔電などの手段を用います
訃報がメールで届いたならば、ご遺族にとって理由があったはずです。
電話と違いメールやラインであれば、就業中でも知らせることができます。
そのため訃報メールを受け取ったら、返信はできるだけ早く行い、故人の訃報を受けた旨を伝えると良いでしょう。
けれどもこちらからお悔やみの言葉をメールやラインで伝えることは避けます。
<弔事におけるメールの見解> | |
[訃報メールを受け取った] | |
・メールでの返信で良い ・できるだけ早く返信する ・改めて弔電を送る(必要があれば) |
|
[メール以外の方法で訃報を受けた] | |
・メールでのお悔やみは避ける ・弔電などを利用する |
数年前までは、メールでお悔やみの言葉を述べることは、マナー違反とされてきたためです。
まだまだ弔事においてメールやライン、SNSを使用することは、世代や関係性において、人によって考え方が異なります。
訃報メールの返信マナーは?
◇訃報メールの返信は、短く簡潔にまとめます
訃報メールの返信であっても、ご遺族に寄り添う言葉遣いやマナーは、一般的なお悔やみの手紙や、お悔やみの言葉と同じです。
ご遺族にとっては、多数の人々へ訃報メールを送っていることでしょう。
そのため件名で送り主と要件が分かるようにします。
特にラインでは、ご遺族が読みやすいように改行などを工夫して送りましょう。
返信はなるべく早いタイミングで
故人と関係性がそれほど深くない相手であれば、案内ハガキなどで良いため、ご遺族が訃報メールを送っている場合、故人との関係性も深い人が多いです。
そこで、訃報メールはできるだけ早く返信します。
・訃報メールが届いた日
・深夜の場合は翌朝に返信
訃報メールに返信する主な目的は「訃報を受けた」ことをご遺族に伝えることです。
より深くお悔やみの気持ちを伝えたい時には、改めて弔電やお悔やみの手紙などで伝えましょう。
故人への敬称に注意する
訃報メールへの返信に限らず、弔事の席では故人を敬称で伝えます。
これは故人や喪主と親しい間柄であっても必要なマナーですが、普段は使い慣れていない敬称ばかりなので、理解しておくと安心です。
<故人の敬称> | |
[喪主との関係性] | [故人への敬称] |
・父 | ・お父様、ご尊父 |
・母 | ・お母様、ご母堂様 |
・夫 | ・ご主人様・旦那様 |
・妻 | ・奥様・ご令室様 |
・祖父 | ・ご祖父様・御祖父様 |
・祖母 | ・ご祖母様・御祖母様 |
・兄 | ・兄上様・お兄様 |
・姉 | ・姉上様・お姉様 |
・弟 | ・弟様・御令弟様 |
・妹 | ・妹様・御令妹様 |
・息子 | ・ご子息様・御令息様 |
・娘 | ・ご息女様・御令嬢様 |
故人への敬称は、訃報を受けた自分との関係性ではありません。
喪主からみた故人との関係性で、敬称を用います。
丁寧で短い文章を心がける
訃報メールへの返信は、例え相手が親しい間柄でも、弔事に適切で、丁寧な言葉遣いを用います。
<訃報メールには丁寧に返信する> | |
①親しい相手でも敬語を使う | |
「突然の訃報に驚いています」 「いつでもお声をかけてください」 …など |
|
②完結に短くまとめる | |
・メールの件名で内容が分かる ・相手が読みやすい配慮 |
丁寧で完結に短い文章を心がけ、改行などを活用して読みやすい配慮が必要です。
基本的には例文を基に、状況に合わせて修正しましょう。
弔事のマナーを守る
訃報メールに対する返信であっても、弔事における言葉遣いやお悔やみの言葉のタブーやマナーに倣います。
特に重ね言葉や縁起の悪い「4」や「9」などの「忌み言葉」には注意をしましょう。
<弔事マナーに倣う> | |
[マナー] | [具体例] |
①時候の挨拶はいらない | ・新春の候 ・盛夏の候 …など |
②忌み言葉を使わない | ・重ね言葉…度々、くれぐれも ・繰り返し…再三、今後も ・不幸を連想…浮かばれない、落ちる ・死を連想…死亡、亡くなった …など |
③句読点を付けない |
また訃報メールの返信だけではなく、お悔やみの手紙や弔電など、弔事にまつわる文言では、区切れや途切れを連想しないよう、句読点はつけません。
返信不要の注意点
ご遺族にとっては大切な家族が亡くなり、精神的にもショックが大きいなかで、葬儀や通夜、納骨とさまざまな準備や手続きに追われています。
訃報メールに「返信不要」の一文があった場合には、返信を避けましょう。
<返信不要の注意点> | |
[ご遺族から返信不要] | ・返信しない |
[自分が出す返信メール] | ・返信不要の一文を添える |
一方で訃報を受け取り、特別な返信を必要としない場合には、ご遺族の状況に配慮して、こちらから「返信は不要です」の一文を入れても丁寧です。
哀しみに配慮する
ご遺族は通夜や葬儀の準備で慌ただしい時間を過ごしていますが、一方で大切な家族を失った喪失感のなかにいます。
①死因を尋ねない
②絵文字を使わない
訃報メールの返信をする際には、ご遺族の気持ちに寄り添い、配慮してください。
絵文字の多用や直接的な言葉遣い、故人の死因をメールで尋ねることは控えます。
宗旨宗派による違い
訃報メールにより、葬儀の宗旨宗派が分かっていたら、言葉遣いも宗旨宗派に倣った言葉遣いを心がけます。
分からなければ、どのような宗旨宗派でも通用する言葉を選ぶと良いでしょう。
「哀悼の意を捧げます」
「安らかな旅立ちをお祈り申し上げます」
例えば「ご冥福をお祈り申し上げます」とのお悔やみの言葉は定番ですが、実は「冥福」は仏教用語です。
キリスト教で「死は永遠の命の始まりである」など、宗旨宗派で死生観が異なるため、ご遺族の宗旨宗派にも配慮した言葉遣いで返信します。
訃報メールの返信文例
◇訃報メールに迷ったら返信文例の一部を変えると便利です
訃報メールに返信するマナーは、このようにさまざまありますが、特に忌み言葉なども多様です。
思いがけず忌み言葉が入っていることも多いため、訃報メールの返信は、文例を基に状況に合わせて修正すると、より丁寧な文章で送ることができます。
下記より送る相手や立場で違う、訃報メールの返信文例をご紹介しますので、どうぞ参考にしてください。
上司からの訃報メールの返信文例
「件名:お悔やみ申し上げます(自分の名前)
御尊父様の御逝去に際し 心からお悔やみ申し上げると共に 心よりご冥福をお祈りいたします
お力落としのことと存じますが どうかお身体を大切にしてください
略儀ながら メールにて失礼をいたします
このメールへの返信は不要でございます」
取引先から訃報メールの返信文例
「件名:お悔やみ申し上げます (会社名・部署・自分の名前)
株式会社〇〇 〇〇課 〇〇〇〇(相手の名前)
この度は御尊父様の訃報に際し 心より哀悼の意を表します
本来であれば直接お会いしてお悔やみ申し上げるところですが 略儀ながらメールにて失礼いたします
御尊父様の安らかなお眠りを 心よりお祈りいたします
本メールへの返信は不要でございます」
部下から訃報メールの返信文例
「件名:お悔やみ申し上げます(自分の名前)
お父様のご逝去を知り 心からお悔やみ申し上げます
仕事のことは気にせずに 最後のお見送りをしてあげてください
もし仕事で気になることがありましたら 遠慮なくご相談ください
フォローさせていただきます
お父様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
返信は必要ありません」
親族から訃報メールの返信文例
「件名:お悔やみ申し上げます(自分の名前)
この度はお知らせをいただき 誠にありがとうございます
突然の訃報に 今は言葉も見つかりません
心からお悔やみ申し上げます」
友人から訃報メールの返信文例
「件名:ご愁傷さまです(自分の名前)
お父様のご逝去を知り 突然の出来事に言葉が見つかりません
大変だと思いますが あまり無理をされませんように
私にできることがあれば いつでも声をかけてください
ご冥福をお祈りいたします」
まとめ:訃報メールを受け取ったら返信して問題はありません
かつては訃報メールやその返信も、マナー違反とされた時代もありました。
けれどもスマートフォンが一般的になり、メールやSNSが常識となった現代では、最も早く伝えるための連絡手段です。
年代や関係性により、メールやSNSの考え方には賛否両論があります。
けれどもご遺族から訃報メールが届いたならば、返信もメールで返して良いでしょう。
訃報メールを受けたことを早いタイミングで伝えて、通夜や葬儀への参列や手伝い、弔電の手配など、適切な対応を行いましょう。