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お葬儀の豆知識

2024/01/01

葬儀費用が心配な方へ。故人の貯金を充てる方法と注意点とは|預金口座から下ろすには?

葬儀費用が心配な方へ。故人の貯金を充てる方法と注意点とは|預金口座から下ろすには?
・葬儀費用に故人の貯金は利用できる?
・葬儀費用に故人の貯金をおろす方法は?
・葬儀費用を故人の貯金に充てた時、遺産相続は?

葬儀費用は100万円近くかかるものもあり、決して小さな額ではありませんよね。
葬儀費用を故人の貯金から充てるなら助かりますが、相続財産でもあるので、注意をしなければなりません。

本記事を読むことで、葬儀費用を故人の貯金から充てる方法、故人の預金口座の扱いや、相続に関する注意点が分かります。

葬儀費用の充て方に迷っているなら、解決策を見つけるための重要なガイドとなるはずです。

 

葬儀費用を故人の貯金から充てることはできる?

葬儀費用を故人の貯金から充てることはできる?
◇故人の貯金は葬儀費用に充てられます

また、一般的に喪主が葬儀費用を支払いますよね。
けれども、葬儀費用の支払元に法的な決まり事はなく、他の方が支払ったとしても問題ありません。
もちろん葬儀費用は高額なので、故人の遺産から支払うこともあります。

ただし、無条件に使用できるわけではありません。
特に以下の2つのケースに該当する場合、内容を理解し考慮した上で、故人の貯金から葬儀費用を支払いましょう。

 

<考慮したい2つのケース>
・故人の口座が凍結されている
・相続放棄を考えている

 
故人の銀行口座が凍結されると利用に制約が生じますし、用途によっては相続放棄ができなくなる可能性もあるため、配慮が必要です。

手続きに時間が「支払いまでにお金を用意できない」といったリスクが生じる可能性もあります。

 

故人の口座が凍結されている

◇故人の銀行口座は凍結されます

荼毘広告や葬儀看板により金融機関が故人の死を知った時、故人の口座は遺産相続に向けて即時凍結されます。

口座が凍結されると、家族であっても遺産相続が完了するまで、貯金を引き出すことができなくなるため、注意が必要です。

 

<終活を通して葬儀費用を引き出しておく>
●もし予め葬儀費用を故人の貯金から充てることを決めているなら、生前に故人の了承を得て引き出しておくと、それにより安心感を得ることができるでしょう。

 
葬儀費用を故人の貯金から充てる場合、「遺産分割前の相続預金の払い戻し制度」や、相続手続きを済ませることで、引き出すことはできますが、1週間~1か月の期間を要します。

一方、葬儀費用の支払いは葬儀後の約1週間後が一般的です。
葬儀費用を故人の貯金から充てる場合、建て替えが必要になることがあります。

 

相続放棄を考えている

◇豪華な葬儀では相続放棄ができないケースがあります

基本的に葬儀費用を故人の貯金から充てても、相続放棄は可能です。
けれども葬儀費用とみなされない費用に使った場合、相続財産の一部をすでに使用した「相続財産の一部の処分」として、相続放棄ができなくなります。

高額な葬儀費用に故人の貯金を充てる場合は注意が必要です。

 

葬儀費用を凍結した故人の貯金口座から充てる

葬儀費用を凍結した故人の貯金口座から充てる
◇「遺産分割前の相続預金の払い戻し制度」を利用します

民法の改正により、2019年7月1日から「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」(仮払い制度)が施行されました。

 

<遺産分割前の相続預金の払戻し制度>
●故人の貯金を引き出すことができる
・遺産分割協議前でもよい
・他の相続人の同意がなくてもよい
・限定的な範囲で引き出す

 
相続人同士で話し合うことが難しい場合や、預金の一部だけ引き出すことが必要な場合に便利です。
この手続きには、家庭裁判所の判断が必要な場合と不要な場合の2つがあります。

 

 

家庭裁判所の判断が不要

◇家庭裁判所の判断を不要とする場合、限度額があります

各相続人は口座ごとに「相続開始時の預金額×1/3×払い戻しを行う相続人の法定相続分」を限度に引き出すことができます。

ただし、1つの金融機関で150万円が限度です。。
支店と本店の合計金額として1つの支店の口座に制限はありません、ご注意ください。

 

家庭裁判所の判断が必要

◇家庭裁判所の判断が必要な場合、申し立てがある場合です

家庭裁判所の判断が必要となるケースは、引き出す時点で家庭裁判所に遺産の分割の審判や調停が申し立てられている場合です。

家庭裁判所の判断なしに預金を引き出すことはできません。
また、引き出せる額は家庭裁判所が認めた金額となります。

 

葬儀費用を故人の貯金から充て、相続放棄をする注意点

葬儀費用を故人の貯金から充て、相続放棄をする注意点
◇葬儀費用の範囲内で使うならば、相続放棄ができます

故人が多額の借金を抱えているなど、相続放棄を考える方もいますよね。
相続放棄をしても故人の貯金を葬儀費用に充てることが法的に認められています。

ただし使い道によって相続放棄ができなくなる場合があるので注意が必要です。

 

<相続放棄ができないケース>
●債権者が相続放棄を認めない葬儀
・葬儀費用が高額
・豪華な葬儀

 
債権者が「故人の貯金を減らして贅沢な葬儀を行った」と判断し、相続放棄を認めなくなることがあります。
相続放棄を検討している場合は、最低限の規模で葬儀を行うようにしましょう。

 

葬儀以外で、相続放棄ができないケース

◇相続放棄を検討する場合、葬儀までにお金の使い道に注意点があります

ちなみに相続放棄を検討している場合、故人の財産「相続財産」を使えません
故人の葬送に不可欠な最小限の葬儀費用においてのみ、故人の貯金から充てることができます。

相続放棄をする場合にはあらゆる面で注意が必要ですが、下記の行為に関しては、相続放棄をしても問題ありません。

 

<相続放棄ができる行為>
・死亡保険金を受け取る
・遺産整理
・形見分けは金銭的価値のないもののみ
・医療費の支払いを行う

 
上記の項目以外で故人の財産を利用する場合は、相続放棄ができなくなるリスクがあり、葬儀費用を故人の貯金で充てるケースでも、相続税控除にあたる範囲内でなければなりません。

 

 

葬儀費用を故人の貯金から充てる注意点

葬儀費用を故人の貯金から充てる注意点
◇故人が亡くなっても口座が凍結されていないケースもあります

金融機関は荼毘広告や葬儀看板などから名義人が亡くなったことを知りますが、家族からの自己申告で知ることもあるでしょう。
この場合、故人が亡くなっても口座が凍結されず、ATMから引き出すこともできます。

ただ相続人間トラブルを避けるためには、個人の判断で勝手にお金を引き出すことは避けるべきで、他の相続人に相談することは大前提です。

 

<相続人間トラブルを避ける>
●他の相続人に相談する
・領収書や明細書を保管
・凍結前に引き出さない
・相続分を越えない

 
「葬儀費用以外のお金も引き出しているのでは?」「他の口座も勝手に引き出しているのでは?」と、相続人同士の相談なしに勝手に引き出してしまうと、いくらでも疑うことができます。

被相続人の口座からお金を引き出すには、必ず他の相続人に伝えることが大切です。
ちなみに特定の金融機関に名義人が死亡した事実を伝えても、他の金融機関には知らされません。

 

領収書や明細書を保管

◇葬儀費用として使用したことの証明を遺します

領収書や明細書は、他の相続人や遺族に対して、故人の遺産が私的なものに使われていないこと、相続放棄による「財産の使用」には利用されていないことの証拠です。
また相続税の控除金額の根拠としても役立ちます。

 

<領収書・明細書が入手できない>
●メモに記録する
・金額
・日付
・目的
…など

 
証拠がないと相続人間トラブルだけではなく、相続税控除についても、加算税・延滞税の支払いなどのリスクが生じます。

 

葬儀と無関係なものに使わない

◇葬儀費用とそうでないものの境界線を理解します

葬儀費用以外に故人の貯金を充てないことは当然なのですが、なかには葬儀費用に当たるのか、当たらないのか、曖昧なものもあるので注意が必要です。

 

<葬儀費用に当たらない項目>
●葬儀当日以降の費用 ・香典返し
●法要費用 ・初七日
・四十九日法要
●間接的な葬儀費用 ・宿泊費
・喪服代
…など
●葬儀後の供養費用 ・仏壇
・墓地
・墓石

 
どれも故人が亡くなったために必要になる費用項目になるため、理解していないと葬儀費用に含まれてしまいがちです。

相続人間トラブルになりやすいだけではなく、相続放棄ができなくなるなど、相続税トラブルにもなりかねませんので、注意をして使用します。

 

凍結前に引き出さない

◇相続放棄を検討している場合、凍結後に引き出すと安全です

相続放棄」は、被相続人の相続財産を含めた全ての権利義務を放棄します。
相続人は借金など負の財産を相続する必要がなくなりますが、その他のプラス遺産も相続しません。

 

●葬儀費用に故人の貯金を充てる行為は、相続放棄ができる範囲内なのですが、相続放棄の手続き完了後、被相続人が危篤状態の間にお金が動いたことが明らかになり、相続放棄が認められなくなった判例があります。

 
葬儀費用を支払った際には、引き出した預金が葬儀費用のみに使用されたことが明確にわかるように、領収証や明細書を保管しておくことが非常に重要です。

 

相続分を越えておろさない

◇相続分を越えた引き出しは避けましょう

後々の相続人間トラブルを避けるためには、葬儀費用を故人の貯金で充てる場合、引き出す金額は必要最低限且つ、個人の相続分の範囲内に留めます。

他の相続人の相続分まで引き出してしまうと、他の相続人とのトラブルに発展するリスクがあるためです。

 

<故人の貯金を引き出す注意点>
・自分の相続分を越えない
・他の相続人に隠さない

 
通夜や葬儀の7日後に支払う葬儀費用は急ぎでもあり、他の相続人に相談せずに引き出す方も多いですが、隠す行為もリスクが伴います。

後から判明した場合、「他にも隠し財産を持っているのではないか」「生前にも同様の引き出しを行っていたのかもしれない」とあらぬ疑いがかかった事例があるためです。

葬儀費用に故人の貯金を充てる場合、その事実や使い道などをできるだけ明瞭に、オープンに進めましょう。

 

葬儀費用を故人の貯金からおろす手続き

葬儀費用を故人の貯金からおろす手続き
◇葬儀費用を故人の貯金からおろすには、2通りの方法があります

遺産分割前の相続預金の払い戻し制度」を利用して、凍結中の口座から引き出す方法が一般的ですが、この他にも相続手続きを済ませてしまい、口座の凍結自体を解除するのもひとつの方法です。

 

仮払い手続きを行う

◇凍結中に仮払い手続きを行う方法です

故人の口座凍結中に葬儀費用を引き出す仮払い手続き「遺産分割前の相続預金の払い戻し制度」を利用する方法が一般的でしょう。

相続人全員の同意を得る必要はなく、遺産相続の話し合いが終わる前であっても利用できる、便利な手続きです。
相続手続きよりも簡単ですが、払い戻し金額には制限があります

 

<払い戻しの上限金額>
法定相続分の3分の1まで
・上限150万円まで
(1つの金融機関につき)

 
仮に故人の預貯金が900万円・相続人が2人の場合、相続人の1人が払い戻しできる金額は「900万円×1/3×1/2」で150万円です。
遺産分割前の相続預金の払い戻しでは、金融機関へ書類も提出します。

 

<払い戻しの必要書類>
・故人の戸籍、除籍謄本(出生~死亡まで)
・相続人の戸籍謄本
・印鑑証明(申請人)
・申請書(金融機関指定)

 
手続きから払い戻しまでの目安としては手続き後、1週間~1ヶ月ほどです。
また必要書類に故人の戸籍などもあるので、集めるための時間も考慮しましょう。

 

口座の凍結を解除する

◇相続手続きを完了し、口座の凍結を解除する方法です

遺産分割協議書の作成がスムーズに進むならば、遺産相続手続きを済ませて、凍結された口座自体を解除してしまう方法も良いでしょう。

ただし遺産相続協議を終えて手続きをするため、「誰が何を相続するのか」が決まった後でないと手続きすることはできません。

 

<口座の凍結を解除する>
・戸籍・除籍謄本(出生~死亡まで)
・死亡が確認できる書類
(住民票の除票、死亡診断書など)
・通帳、キャッシュカードなど
・相続人全員の現在の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・遺言書または遺産分割協議書

 
銀行や遺産分割の方法によって異なることがあるため、詳細は銀行に確認するとよいでしょう。

 

まとめ:葬儀費用を故人の貯金で充てることはできます

まとめ:葬儀費用を故人の貯金で充てることはできます
葬儀費用は故人の貯金から支払うことは、法的に問題はありません。
注意したいポイントは、故人の預貯金口座は凍結されるため、手続きが必要になること、そして相続人間のトラブルリスクがあることです。

故人の預貯金口座が凍結される前に、ATMなどで引き出すこともできますが、後々の相続人間トラブルを避けるためにも、事前に他の相続人と相談、理解を得ることをおすすめします。

また相続放棄を検討している方に限らず、後々のトラブル回避のためにも、故人の貯金から引き出したお金の用途を明瞭にするため、証拠となる領収書や費用明細を細かく取っておきましょう。

葬儀費用は必ずしも喪主が支払わなければならないものではありません。
125万円ほどが平均的とされるなか、突然の葬儀費用の捻出は喪主にとって負担も大きいでしょう。

他の相続人や専門機関とも相談をして、負担を軽くしながら、良い葬儀を執り行うことをおすすめします。

 

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Point.1

ご葬儀の不安がなくなります

お葬式は地域の風習によってやり方が違います。相談で不安や悩みの解決策が見つかりますので、ご都合のつく時に相談に訪れることをおススメします。

Point.2

葬儀費用がわかります

葬儀費用は相談内容や葬儀社によって変わります。後悔しないために複数の葬儀社でお見積りを取ることをおススメします。

Point.3

ご希望のお葬式ができます

相談される方のご希望のお葬式に添えるように、下準備も含めて事前にご相談ください。

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