お葬儀の豆知識
2023年沖縄のお墓参り清明祭(シーミー)はいつ?進め方も解説!
沖縄のお墓参り行事、2023年の清明祭(シーミー)は4月5日(水)~19日(水)!
古いご先祖様の按司墓がある家では、前半が神御清明祭(カミウシーミー)、後半が清明祭(シーミー)のお墓参りとなるでしょう。
・2023年の清明祭(シーミー)はいつ?
・清明祭(シーミー)のお供え物は?
・清明祭(シーミー)の進め方は?
今回は、2023年の清明祭(シーミー)に向け、お供え物などの準備や当日の拝み方、進め方、を解説します。
2023年の清明祭(シーミー)はいつ?
●2023年の清明祭(シーミー)は、4月5日(水)~19日(水)です
二十四節気で清明(せいめい)の節気に行う沖縄のお墓参り行事ですので、春分の節気と穀雨の節気に挟まれた14日間が、清明祭(シーミー)の期間となります。
二十四節気の節目は毎年少しずつ変わり、2023年の清明(せいめい)の節気が4月5日(水)~19日(水)です。
●2023年4月5日(水)~19日(水)
・神御清明祭(カミウシーミー)…前半
・清明祭(シーミー)…後半
「神御清明祭(カミウシーミー)」とは、現在使われていない古いご先祖様のお墓「按司墓(あじばか)」のお墓参りを差し、清明祭(シーミー)とは違い、トートーメー(先祖代々位牌)を祀る本家「ムートゥーヤー(宗家)」の家族のみで参ることが多いでしょう。
この神御清明祭(カミウシーミー)ですが、沖縄では現在のお墓へお参りする清明祭(シーミー)よりも前に、済ませる風習があります。
清明祭(シーミー)とは?
●清明祭(シーミー)とは、沖縄本島を中心に広がる、先祖供養の墓前祭です
本州のお墓参りは「思い立った時にいつでも」お参りできますが、沖縄ではお墓参りの年中行事以外には、むやみにお参りしてはならないとされてきました。
広くは「他の霊が羨むため」などと言われますが、実際には遺体を風化させる葬送「風葬」の歴史が背景にあります。
①十六日(ジュールクニチー)…旧暦1月16日
・弔事
・喪中の家のお墓参り行事
・離島でのお墓参り行事
②清明祭(シーミー)…清明の節気
・慶事
・本当に多いお墓参り行事
③七夕(タナバタ)…旧暦7月7日
・旧盆のご案内
・家族のみで行うお墓参り行事
それぞれこのような特徴がありますが、特に清明祭(シーミー)はお墓参り行事でありながら、お祝い事の慶事として進める点が特徴的です。
そのため家族が亡くなって1年経たない喪中の家では、清明祭(シーミー)の代わりに「あの世の正月」と言われる十六日(ジュールクニチー)にお墓参り行事を行います。
清明祭(シーミー)のお供え物は?
●清明祭(シーミー)の主なお供え物は、重箱料理、果物、お菓子、供花です
重箱料理は「御三味(ウサンミ)」などとも呼ばれますが、御三味(ウサンミ)の意味合いは海のもの、山のもの、土のもの、三種類の恩恵であるご馳走を意味します。
重箱料理自体を「ウサンミ(御三味)」と言う人もいますが、本来はご先祖様や神様へ捧げるご馳走(おかず)がウサンミ(御三味)でした。
ウサンミ(御三味)はもともと中国に伝わる、宗廟(神様)へ供える3種のいけにえ(お供え物)「三牲(さんせい)/三犠(さんぎ)」を差すとされ、沖縄では1392年に中国からやってきた技能集団「久米三十六姓」より、伝わったとも言われています。
●中国から伝わる三牲として
・牛・羊・豕(ぶた)
・豚・とり・魚
・牛・豚・羊
●沖縄で広がった供物として
・ウミヌムン(海の幸)…昆布、イカなど
・ヤマヌムン(山の幸)…豚、キノコ類など
・ジーチヌムン(地の幸)…大根、ターンム(田芋/慶事用)など
沖縄では拝み言葉(グイス)のなかで、「海・山・地からの恵みを供えています」と伝えています。
そのため重箱料理に盛りつけるおかずであり、どちらも同じ重箱料理のお供え物です。
①重箱料理…慶事用
・おかず重箱…3品/5品/7品/9品、奇数品目のいずれか
・もち重箱…9個/15個、奇数個のいずれか
②ウチジヘイシ
・補充用のおかず(それぞれ2~3個ずつ)
③その他
・供え花…左右1対の2束
・果物の盛り合わせ
・お菓子の盛り合わせ
・お茶
・水
・お酒
●拝み道具
・ウチカビ…家長5枚、その他3枚/1人
・カビバーチ(ウチカビを焚く火鉢)
・シルカビ(半紙や懐紙などの白い紙)
・ヒラウコー(平御香)
※お線香でも良い
またムートゥーヤー(宗家)以外の家では、それぞれ墓前に供えるお供え物を持参することが多いでしょう。
沖縄では多くの一族が集まるお墓が多いので、小分けできる渇き菓子など、皆で分け合えるお供え物や、皆でいただけるオードブルなどが多いです。
※清明祭(シーミー)は「祭」であるようにお祝い事なので、お墓参りですがお供え物も慶事用にカラフルなお供え物を準備して問題はありません。
清明祭(シーミー)の進め方は?
●清明祭(シーミー)は、最初にヒジャイガミへ拝んだ後、墓前での拝みを行います
沖縄のお墓には左側(向かって右側)に「ヒジャイガミ(左神)」と呼ばれる墓地を守る土地神様がいらっしゃいますので、2023年の清明祭(シーミー)に限らず、お墓に着いたら最初にヒジャイガミへ拝んでください。
①ヒジャイガミへ拝む
②墓前へ拝む
③ウサンデー
清明祭(シーミー)のお供え物に、重箱料理のおかずを補充する「ウチジヘイシ」があるのは、ヒジャイガミへの拝みの後、お皿に数品ずつおかずを取り分け、ヒジャイガミへ供えるためです。
それでは、それぞれ少し詳しく解説します。
①ヒジャイガミへ拝む
●ヒジャイガミへは重箱料理を2重、お酒とヒラウコー(平御香)を供え拝むだけです
ヒジャイガミはご先祖様ではなく「神様」なので、お供え物も神様への税金と言われる、半紙を四つ切りにして作る「シルカビ」を添えます。
(1)お供え物を供える
・重箱料理…おかず重1重、もち重1重(合計2重)
・お酒
・シルカビ
・ヒラウコー(平御香)
(2)重箱料理からおかずを取り出す
・1品目につき1~2個ほど取り出す
・おかずをひっくり返し、重箱の上に乗せる
(3)家長を中心に、ヒジャイガミへ拝む
・いつもお墓をお守りいただき、ありがとうございます
・これから2023年の清明祭(シーミー)を行います
・どうぞ無事に済ませることができますよう、お見守りください
(4)シルカビを焚く
・カビバーチでシルカビを焚く
・上から供えていたお酒を掛ける
(5)おかずをお皿に盛りつける
・重箱にのせたおかずをお皿に盛りつけて供える
・重箱の空いた部分に、ウチジヘイシからおかずを補充する
…以上です。
カビバーチには水を張り、悪疫祓いのネギなどを浮かべて準備をし、その上でシルカビを焚いてください。
②墓前へ拝む
●墓前でお供え物をして拝んだ後、ウチカビを焚いたらウサンデーです
2023年の清明祭(シーミー)は、コロナ等の影響から集まる親族も少ないかもしれません。
けれどもウチカビは多く焚く必要はなく、人数分のウチカビを焚いたら良いでしょう。
ただ大きな門中では、家の代表が清明祭(シーミー)に訪れて、家族の代理として家族分のウチカビやヒラウコー(平御香)を供えるしきたりも多くあります。
①お供え物を供える
・重箱料理…おかず重2重、もち重2重(合計4重)
・お酒
・水
・お茶
・供花…左右1対、2束
・果物の盛り合わせ
・お菓子の盛り合わせ
・ウチカビ…家長5枚、その他3枚/1人
②ご先祖様へ拝む
・家長を中心に拝む
・家長のヒラウコー(平御香)…2枚(12本分)
・その他の人…半分(3本分)
③ウチカビを焚く
・家長から順番にウチカビを焚く
・お供え物のおかずを、焚いたウチカビの上に置く
・墓前でご先祖様と一緒に食事をいただく(ウサンデー)
一般的にウチカビは金属ボウルなどのカビバーチ(火鉢)で焚きますが、お墓の右側(向かって左側)にウチカビなどを焚くための「ジングラ(銭蔵)」を設けているもお墓もあるでしょう。
ウチカビを焚いた後は、その上に重箱料理からおかずを取り分けて乗せることで、ご先祖様へお供え物が届くと言われています。
最後に
以上、沖縄の盛大なお墓参り行事である、2023年の清明祭(シーミー)は4月5日(水)~19日(水)です!
かつては父方の血族で構成された門中の人々が大勢集まり、盛大に行われてきました。
ただ近年では、霊園のお墓が増えたことで、お墓もコンパクトになり、掃除も楽になり、コロナ渦の影響も遠因し、家族単位で行う清明祭(シーミー)も増えています。
このような場合はお供え物も少なめ、現代の言葉で心を込めて拝んでも良いでしょう。
・2023年のお彼岸はいつ?沖縄のお彼岸では、お墓参りをしないって本当?
まとめ
2023年、沖縄の清明祭(シーミー)は?
●4月5日(水)~19日(水)
・二十四節気、清明の節気●清明祭(シーミー)とは?
・沖縄の盛大な墓前祭
・本当を中心に行われる
・お祝い事(慶事)として行う
・喪中の家は控える
※十六日(ジュールクニチー)に参る●清明祭(シーミー)の進め方
・重箱料理、果物、お菓子などを供える
・ヒジャイガミへ拝む
・墓前に拝む
・ウチカビを焚く
・ウサンデー