お葬儀の豆知識
【葬儀の進め方】喪主が把握する通夜の流れ。開始から終了まで9つの手順
現代の沖縄では葬儀社スタッフが誘導してくれますが、喪主や遺族は通夜の流れを把握しておくと安心ですよね。
葬儀社との打ち合わせを終えると、斎場のセッティングや受け付け、香典返しの手配まで段取り良く進めてもらえますが、喪主や遺族にしかできない準備もあります。
特に喪主挨拶は通夜の流れを把握しておくことで、心の準備もできますよね。
今回は現代の沖縄で多い、通夜9つの流れをお伝えします。
現代の沖縄の通夜、9つの流れ
ひと昔前の沖縄では人が亡くなると、その日の夕方か翌日に通夜を行い、その翌日には葬儀がありました。
葬儀の後すぐに火葬されて、葬儀の後には納骨を行う流れが一般的でしたが、最近では人が亡くなってから7日ほど経ってからの通夜や葬儀も少なくありません。
現代は斎場の安置室の環境が良くなったこともありますが、沖縄では最初に火葬を済ませ、(焼骨を終えた)骨壺を前に、沖縄で通夜や葬儀を行う流れも増えました。
(1)受け付け
(2)僧侶のお迎え
(3)ご遺族と近親者の入場
(4)僧侶の入場
(5)僧侶の退場
(6)喪主挨拶
(7)通夜の終了
(8)通夜ぶるまい開始
(9)通夜ぶるまい終了
通夜の流れは9つの手順で進みますが、通夜自体は始まってから1時間から2時間ほどで通夜は終わります。
沖縄の通夜ではお焼香のみ済ませて帰る一般参列者も多く、着席していた一般参列者の人々も、僧侶の読経供養が終わり退場したら退席する通夜の流れが一般的です。
(1)受け付け
通夜の流れとしては夕方17時頃から、一般参列者の受け付けを行う場合が多いです。
ここで喪主やご遺族としては、「誰に受け付けをお願いするのか」を判断します。
・世話役を頼む
・葬儀社スタッフに依頼する
世話役は、昔であれば近所の人々が受けてくれました。
今でも地方では地域の人々が担ってくれることがあるでしょう。
この他、故人が生前に親しくしていた知人友人に依頼することもあります。
・葬儀で頼りになる「世話役」とは?依頼する係や配慮、4つのポイント
(2)僧侶のお迎え
沖縄には菩提寺(家が信仰する特定の寺院)がないため、突然の訃報で僧侶に依頼するとなると、戸惑う喪主やご遺族も多いかもしれません。
僧侶の手配も葬儀社に相談すると進めてくれますが、自分で手配するならば、近隣の寺院のご住職へお願いしたり、今ではインターネットで探すこともできます。
沖縄で行う通夜の流れでは、僧侶をお迎えした後に下記3点を確認すると良いでしょう。
①祭壇は正しい配置で整っているか
②葬儀・告別式の進行手順
③お斎(おとき=会食)への出席の有無
祭壇は同じ仏教でも宗派によって違いがあるため、確認を行うと安心です。
また通夜の流れによっては、ご遺体を安置してすぐの場合などは、枕経(ご遺体の枕元でお経を唱えるお供養)のためにすでに会場にいらっしゃる場合もあるかもしれません。
・【葬儀の進め方】喪主は誰がなる?通夜や葬儀で喪主がやること
(3)ご遺族と近親者の入場
現代の沖縄では通夜の流れも、葬儀社スタッフや世話役の人々へ、ほとんどの手順をお任せすることができますが、喪主でなければ決められない事柄もあります。
通夜が始まる前に、ここだけはしっかりと確認を取りましょう。
①参列者の席順
②花輪や供花の配置
③遺影を決める
また喪主挨拶も、喪主が行わなければならないものです。
喪主挨拶のなかでは、参列いただいた感謝とともに、次の通夜ふるまいや(通夜ぶるまいがない場合)、葬儀・告別式などの会場、日時のご案内も行います。
●参列者の席順
・【葬儀の進め方】トラブルの多い葬儀での席順。喪主が配慮する5つの事柄
●花輪・供花の配置
・【葬儀の進め方】喪主が決める花輪や供花を配置する順番、5つの決まり事
(4)僧侶の入場
沖縄の通夜の流れでは、喪主やご遺族が着席を済ませた後、僧侶が入場します。
僧侶の入場後、読経供養が始まるので、ご遺族から順番にお焼香を行ってください。
●お焼香は席順に倣うよう、読経の途中から下記のように進みます。
①喪主
②ご遺族
③近親者
④一般参列者
・知人友人
・会社関係者
沖縄の通夜の流れでは、参列者は着席せずにお焼香だけを済ませて帰ることもあります。
また沖縄の地方に多い自宅葬などの場合、椅子ではなく和室でのお通夜も多いです。
スペースも狭いため、参列者がお焼香台に行くのではなく、お焼香台を参列者に回して行うおお焼香もあります。
僧侶の宗派によってお焼香の仕方が変わる場合などもあるので、注意をしてください。
・【沖縄の葬儀マナー】宗派で違うお焼香の仕方とは。押さえる3つのポイント
(5)僧侶の退場
沖縄のお通夜の流れでは、参列者のお焼香が終わると僧侶も読経供養を終えます。
お通夜によって違いますが、読経供養の後に僧侶による法話をいただくことも多いです。
●読経供養の後で法話をいただく場合、一般的に約40分~1時間ほど掛かる場合もあるでしょう。
(6)喪主挨拶
沖縄の通夜の流れでは、僧侶が退場された後に喪主挨拶を行って終了です。
●一般的に喪主挨拶で、喪主は祭壇の前に立って行います。
…喪主挨拶の例文では、この時に故人の最期の様子を伝えられる範囲で伝る場合もありますが、通夜は故人が亡くなってまだ間もないため、ムリをする必要はありません。
通夜ぶるまいがあれば通夜ぶるまいのご案内を、なければ翌日の葬儀・告別式のインフォメーション(会場・日時など)をお伝えしてください。
・【沖縄の葬儀】通夜で行う喪主挨拶のタイミング。把握したい6つの機会
(7)通夜の終了
沖縄の通夜の流れでは喪主挨拶が終わったら、一般参列者はここで退席します。
●また参列者の帰宅時には、引き物(御香典返し)をお渡しします。
そのため、喪主やご遺族は下記の品を確認すると安心です。
・会葬礼状
・御香典返し(返礼品)の人数
近親者などが通夜ぶるまい(会食)まで残りますが、一般参列者が退席される時には挨拶を受けるので、対応をしてください。
(8)通夜ぶるまい開始
続いての通夜ぶるまいでも、喪主挨拶が開始の合図です。
通夜ぶるまいでは、故人に近しい人へ献杯をお願いすると良いでしょう。
●通夜ぶるまい開始の挨拶では、喪主は起立して挨拶を始めます。
喪主挨拶の後に献杯をお願いしてください。
結婚式やお祝い事では乾杯の言葉を用いますが、通夜や葬儀の席では乾杯ではなく「献杯」です。(ただし、仏教上の作法ではありません。)
ただし湿っぽくならないような喪主挨拶を心掛ける人が多いでしょう。
(9)通夜ぶるまい終了
沖縄の通夜の流れでは、通夜ぶるまいが始まってから2時間ほどを目途に、喪主挨拶を合図に締めます。
一般的な宴会や会食では「この辺りでお開きにします」などの言葉を用いますが、お悔みの席で「お開き」は、失礼な言葉に当たりますので、使わないよう注意をしてください。
最後に
以上が夕方から始まる、一般的な沖縄の通夜の流れ、9つの手順です。
ただ、2020年のコロナ襲来の影響もあり、通夜ぶるまいを省略する通夜も多いでしょう。
翌日の葬儀・告別式でも、全国的に「精進落とし」と呼ばれる会食の場を用意しますが、こちらも省略する選択が増えました。
また最近の沖縄ではごく近しい身内のみで執り行う、小規模な家族葬や、通夜から葬儀まで一日で済ませる一日葬など、よりコンパクトな通夜・葬儀の選択も増えています。
・【葬儀の種類】家族葬や一般葬・一日葬など、規模が違う5つの種類
まとめ
沖縄で行う通夜、9つの流れとは
(1)受け付け
(2)僧侶のお迎え
(3)ご遺族と近親者の入場
(4)僧侶の入場
(5)僧侶の退場
(6)喪主挨拶
(7)通夜の終了
(8)通夜ぶるまい開始
(9)通夜ぶるまい終了