お葬儀の豆知識
納骨式のお布施とは?包む金額相場や表書き、包み方や渡すタイミングを解説!
・納骨式のお布施の金額相場は?
・納骨式のお布施の表書きは?
・納骨式のお布施はいつ渡す?
納骨式とは故人の遺骨をお墓や納骨堂などに納める、ご遺族にとっては大きな節目の式です。一般的には僧侶へ読経供養を依頼しますよね。
本記事を読むことで、納骨式のお布施相場や表書き、僧侶へ渡すタイミングやマナーが分かります。納骨式で失礼なくお布施をお渡しできるよう、どうぞ最後までお読みください。
納骨式のお布施の金額相場は?
◇納骨式にお渡しするお布施の相場は、約3万円~5万円ほどです
ただし納骨式に伴いお墓の開眼供養を行う場合、「納骨式+開眼供養」のお布施をひとつにまとめて包みます。
「開眼供養」とは、お墓など新しく建てた祭祀財産に魂を込める「魂入れ」の儀式です。現代では沖縄でも、一般的に読経供養による開眼供養を行います。
・納骨式のみ…約3万円~5万円ほど
・納骨式+開眼供養…約5万円~10万円ほど
・納骨式+他の法要…約5万円~10万円ほど
・他の法要+納骨式+開眼供養…約5万円~15万円ほど
また納骨式は葬儀や四十九日法要など、他の法要と併せたものも少なくありませんが、このような場合も、ひとつの香典に複数回分のお布施金額をまとめると良いでしょう。
例えば約3万円を納骨式の香典とする場合、他の法要を併せて行うならば、約1.5倍~2倍として、香典金額は約4万5千円~6万円となります。
ただ弔事において偶数は陰数なので、偶数や忌み数字を避けて5万円や7万円を包む家が多いです。詳しくは下記より解説します。
納骨式で包むお布施の数字マナー
◇弔事では偶数の数字や、忌み数字を避けます
開眼供養や他の法要と併せて納骨式のお布施や香典を包む時、単純に1.5倍~2倍で計算しますよね。
この時、一般的な5千円・1万円・3万円・5万円などの数字ではないことも多いですが、この時に注意をしたいことが、偶数数字や忌み数字です。
偶数を避ける
◇割り切れる偶数は「陰数」とされ、避けたい数字です
2万円・6万円などの偶数は「割り切れる数字=切れる」として、慶事でも弔事でもできるだけ避けたい数字とされます。
古来に中国の陰陽思想が日本に伝来しました。
・奇数=陽数
このようなことから、慶事や弔事で包む祝儀や香典では、できるだけ偶数を避けた数字です。
忌み数字を避ける
◇「4=死」「9=苦」として、4と9は忌まれる数字です
慶事・弔事変わりなく、4・9は不吉な数字として忌まれています。
納骨式のお布施のみならず、通夜や葬儀で連名で包む香典などでも、偶数は許容範囲ではあっても、4・9は避けられる傾向ですので注意をしてください。
納骨式のお布施の表書きは?
◇納骨式のお布施は、白い厚手の封筒に「お布施」です
納骨式に限らずお布施は香典とは違い、故人に供えるお金ではありません。
「お布施」とは、僧侶・引いては寺院や宗派に対して奉仕するお金で、お金を施す「財施(ざいせ)」と呼ばれる、仏道へ進む修行としてお渡しします。
そのためお布施の表書きや包み方は、香典とは全く異なると考えてください。
・仏教…「お布施」「御布施」
・神道…「御祭祀料」「御玉串料」「御初穂料」
沖縄の納骨式は葬儀の後に行うものも多いですよね。
お通夜や葬儀など、故人が亡くなってまだ間もない時に包む香典は、表書きを黒墨ではなく「涙で濡れた」薄墨を用います。
けれども葬儀後の納骨式であっても、お布施に関しては黒墨で表書きを書きますので、この点もご注意ください。
お布施は厚手の白封筒
◇地域性もありますが、基本として厚手の白封筒に包みます
大阪の近畿地方など、地域によって白と黒の不祝儀袋や、黄色と白の袋に包むマナーもありますが、全国的に厚手の白封筒で包めば失礼にはなりません。
●中に紫などの袋が入った「二重封筒」は、不幸が重なるとして避けますが、中のお札が映っては失礼なので、厚手の白封筒がベストです。
表書きは「お布施」、裏側の右上に金額、左下に住所と氏名を記します。
家として包む場合は、氏のみの記載でも構いません。
・【沖縄の葬儀マナー】お布施の包み方と渡し方、施主が押さえる5つのマナー
納骨式のお布施はいつ渡す?
◇納骨式のお布施は、式当日に僧侶控室でお渡しすることが多いです
現代では一般的に、納骨式当日にお布施をお渡しします。
式が始まる前、施主が僧侶の控室を訪れ、お渡しする流れが多いでしょう。
ただ充分な時間がなかったり、僧侶のなかには「お布施は読経供養の料金ではない」として、納骨式当日にお布施を渡すことを嫌がることもあります。
この場合には、後日改めて寺院を訪れ、お布施をお渡しする流れです。
[タイミングと場所]
・納骨式当日
・納骨式の前、僧侶の控室でお渡しする
・時間が無ければ、立渡しでも良い
[渡し方]
・袱紗(ふくさ)か切手盆に乗せて渡す
・御車代や御膳代は別の封筒に包む
・机などを跨がず、手渡しする
・両手を添えてお渡しする
・持ち歩きは袱紗(ふくさ)に包む
袱紗(ふくさ)とは、香典やお祝儀、お布施などを持ち歩くための袋です。
現代では百円均一でも販売しているので、お布施は裸で持ち歩かず、袱紗(ふくさ)に包んで持ち運びましょう。
また「御車代(おくるまだい)」は僧侶への交通費、「御膳代(ごぜんだい)」は僧侶がお断りされた場合の会食の代金です。
・【沖縄の葬儀マナー】お布施の包み方と渡し方、施主が押さえる5つのマナー
法要と納骨式が同時のお布施はいつ渡す?
◇四十九日など、他の法要と併せて行う納骨式では、お布施は法要の前後でお渡しするタイミングが多いです
納骨式は僧侶の手配や参列者の二度手間を防ぐため、四十九日法要や一周忌(一年忌)など、他の法要の後で行う家が多いですよね。
このような場合、お布施は法要と納骨式を合わせた金額を包みます。
●法要と納骨式を併せた金額を、ひとつの袋に包む
・法要の前、僧侶へ挨拶のタイミングで渡す
・法要の後、僧侶へお礼のタイミングで渡す
沖縄の納骨式は、葬儀社に手配や進行を依頼していることも多いです。
このような場合は、葬儀社スタッフの指示に従うと良いでしょう。
なかには葬儀社への支払いにお布施が含まれることもあります。
納骨式のお布施を渡す時に添える言葉は?
納骨式のお布施は、基本として当日の朝、僧侶の控室でご挨拶をする時にお渡ししますが、その他のタイミングでお渡しすることもあるでしょう。
「本日はご足労いただきありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。」
(2)納骨式や法要の打ち合わせでお渡しする
「この度はお世話になります、どうぞよろしくお願いいたします。」
(3)納骨式や法要を終えた後にお渡しする
「本日は心のこもった読経供養をありがとうございました、お陰様で故人も喜んでいたとおもいます。どうぞお納めください。」
当日は慌ただしくなるため、簡単にひと言添えてお渡しすると良いでしょう。
言葉よりもしっかりと両手でお布施を扱うこと、しっかりとお辞儀をすること、などが大切です。
僧侶へのお菓子の出し方
◇控室へご案内したら、僧侶へお菓子とお茶をお渡しします
お菓子やお茶は例えば大福・まんじゅう・羊羹・最中・焼き菓子などが一般的です。沖縄では持ち帰りできるよう、個包装されたお菓子なども良いでしょう。
●僧侶から見て、右側から下記のように並べます。
・おしぼり
・お茶
・お菓子
お菓子の出し方もおしぼり→お茶→お菓子の順番で出し、前に出したものを袖が通過する「袖超し(そでごし)」を避けてお渡しすると良いでしょう。
納骨式のお布施は香典とは性質が違います
納骨式のお布施は、現代では読経供養のお礼として、もともとは仏教の修行のひとつとして行います。
そのため葬儀後に行う納骨式であっても、香典とは包み方や渡し方が異なることを理解し、お布施の包み方・渡し方マナーに倣い用意をしてください。
特定の寺院を代々家で信仰する「檀家制度」のない沖縄では、僧侶の手配も戸惑う家があるかもしれません。
葬祭業や納骨先の霊園や施設、仏壇仏具店などへ相談したり、近隣の寺院で相談するのも良いでしょう。近年ではネットで「僧侶派遣」サイトも見受けます。