お葬儀の豆知識
通夜葬儀のメイク「片化粧」とは?ナチュラルメイクと違う?失礼にならないメイクマナー
・葬儀のメイク「片化粧」とは?
・葬儀のメイクを施すポイントは?
・葬儀での髪型や香水、ネイルマナーは?
葬儀ではメイクをしない「ノーメイク」も、故人への敬意を感じられない、きちんと準備をしていないとされ、失礼にあたります。
けれども葬儀のメイクは薄化粧と言っても、どこまでが適切か不安ですよね。
本記事を読むことで、ナチュラルメイクとは違う葬儀のメイク「片化粧」とはなにか?失礼にならない基本的なマナーが分かります。
葬儀のメイク以外の、髪型やネイル、香水マナーも解説しているので、どうぞ最後までお読みください。
葬儀のメイク「片化粧」とは
◇「片化粧」とは、喪服を着用している際に行う薄化粧です
通夜や葬儀のメイクは、従来リップを引かない薄化粧「片化粧」となります。
「片化粧(かたげしょう)」では、マットな印象で艶感や華やかさを出しません。
●そもそも片化粧は故人への敬意を表すことを目的とするため、普段のメイクとは用途が違います。
普段のメイクは、健康的で華やかに彩り着飾るためのおしゃれの一環ですよね。
一方で葬儀のメイクは、誠実に参列する姿勢、上品さや慎ましさが求められます。
普段使いで人気が高い、鮮やかな色使いやパールやラメの入った化粧品を使用した華美なメイクは避けることになるでしょう。
ナチュラルメイクとは違うの?
◇ナチュラルメイクは、片化粧よりもしっかりとメイクをしています
片化粧は確かなメイクが施されているにも関わらず、そのことが目立たないナチュラルメイクとは異なります。
●葬儀の主役は、いつも故人です。
…主催者である遺族や参列者が、派手な装いをすることはマナー違反となります。
片化粧は、目立たぬよう全体的に控えめで落ち着いた薄い化粧を施します。
一方ナチュラルメイクでは、自然な魅力を演出するためにしっかりとメイクを施す、演出こそ違うものの、自分が主役のメイクです。
高校生が葬儀にメイクをするのは?
◇学生はノーメイクでも、失礼にはあたりません
葬儀でのメイクは、社会人としての身だしなみマナーです。
そのため、まだ成人していない小学生のお子様はもちろん、中高生・高校生も基本的には化粧をする必要はありません。
けれども高校生の参列者のなかには、メイクをして参列したい人もいます。
この他、事情があって学生でも葬儀にメイクを施す必要がある人もいるでしょう。
あくまでも片化粧以上の、薄いメイクにとどめて、化粧をしているかどうか分からないくらいが適切です。
葬儀にノーメイクで参列は?
◇大人の女性が、葬儀にノーメイクで参列するのはマナー違反とされています
ノーメイクはそのまま外出したようでフォーマル感に欠け、手抜きな印象を与えてしまう恐れがあるからです。
準備を整えていないと捉え「故人への敬意の気持ちがない」として、非常識だと思われてしまいます。
葬儀のメイクを控えめにはしても、故人や遺族に失礼があってはなりません。
そのため葬儀ではメイクのみならず、最低限かつ整った身だしなみを心がけることが大切です。
それでは、シンプルでも失礼のない葬儀メイクを、下記より解説します。
葬儀のメイク「片化粧」のポイント
◇葬儀のメイクのポイントは、色を用いないマットな質感です
葬儀のメイクのポイントは、光沢や艶感を強調されるものを避け、プレストパウダーなどで艶感を敢えて抑えた仕上げです。
<葬儀メイクのポイント> | |
①ベースメイク | ・艶を抑えたマットな肌感 ・しっかり塗り過ぎない |
②アイメイク | ・色を使わない ・目元を目立たせない |
③リップメイク | ・基本はなし ・付けるならナチュラル |
普段は薄化粧でも健康的に見せるため、薄いオレンジなどのチークを入れる人がいますが、葬儀のメイクでは健康的に見せる必要もありません。
それでは下記より、それぞれ葬儀メイクのポイントを解説します。
①葬儀のベースメイク
◇艶感のないベースメイク、もしくはプレストパウダーで抑えます
ファンデーションは、艶感が出ないパウダータイプを薄く塗るのが適切です。
もしもリキッドタイプのみなら、上からプレストパウダーをはたくことで、艶を抑えることができます。
<葬儀のベースメイク> | |
(1)シミやクマが気になる | ・コンシーラーでフォロー (塗りすぎに注意) |
(2)チーク | ・基本的には使用しない ・肌色に近いチークに留める |
(3)ハイライト | ・基本的には使用しない ・明るく見せる必要はない |
チークを塗ると血色がよく見え、必要以上に健康的な印象を与えてしまいます
ただ、あまりにも顔色が悪く不健康に見えると、他の人に心配をかけるでしょう。
その場合は、肌に近い色のチークを控えめにぼかすと丁度良いです。
またハイライトも、明るく見せるメイクが葬儀の場ではふさわしくありません。
活発さや艶感を抑えることに意識を向けましょう。
葬儀のアイメイク
◇アイメイクは、ベージュやブラウン系に留めます
アイメイクも基本的にカラフル・光沢系を使いません。
アイシャドウ自体が必要ありませんが、使うならば肌色に近いベージュやブラウン系を選ぶと良いでしょう。
普段使いのアイシャドウには派手な色やラメ入りも多いですが、こちらも避けます。
<葬儀のアイメイク> ●ウォータープルーフがおすすめ |
|
(1)アイシャドウ | ・肌色に近いベージュ ・ブラウン系 |
(2)眉毛(アイブロウ) | ・パウダータイプ(薄付き) ・自然に整える ・太い眉は避ける |
(3)タブー(使用しない) | ・つけまつげ ・カラーコンタクトレンズ |
涙でアイラインやアイシャドウが落ちないように、ウォータープルーフ素材で仕上げることをおすすめします。
眉毛は自然な形に整え、太い眉はトレンド感が出過ぎるので注意が必要です。
アイブロウを使用する場合は、くっきりとした眉を描くペンシルタイプよりも、薄付きのパウダータイプが良いでしょう。
髪色や肌色に合ったナチュラルな色味を選ぶことで、マナーを守った眉毛メイクになります。
葬儀のリップメイク
◇葬儀メイクでは基本的にリップメイクは必要ありません
けれども近年では、唇の血色が悪すぎると心配をかけるため、薄付きのリップメイクほどならば、施す人が多くなりました。
<葬儀のリップメイク> |
|
(1)リップ | ・ベージュが基調 (自然なカラー) ・ラメやパールは避ける |
(2)グロス | ・艶感があるためタブー |
ただリップメイクが葬儀メイクでもマナーの一環と認識されるようになったのは、若者が多い那覇市などの都市部を中心として、比較的近代の傾向です。
一部地域、もしくは高齢の親族が集まる自宅葬など、リップメイクに対して非常にネガティブな印象を持つ可能性もあるので、事前に葬儀社に確認すると安心です。
葬儀メイクのタブー
◇葬儀メイクでは、艶感や光沢、キラキラを避けます
葬儀のメイクでは「リップを塗らないから、グロスは問題ないだろう」と考える人もしばしば見受けますが、考え方自体は間違ってはいないものの注意をしましょう。
と言うのも、グロスにはギラギラして見えるものも多いためです。
<葬儀メイクのタブー> |
|
(1)輝き | ・グロスがギラギラしている ・ベースメイクが艶っぽい ・アイメイクに艶がある |
(2)光沢 | ・パール ・ラメ |
特にアイシャドウは、「パールが配合」で肌をキレイに見せるものが多く出回っています。
ストッキングでもラメ入りには注意しなければなりませんが、葬儀メイクでも華やかなキラキラやハイライトを避けて化粧品選びをしてください。
葬儀での髪型マナー
◇髪型は清潔感を大切に、品良くまとめます
寝癖がボサボサ、前髪が顔を覆っている状態は、失礼です。
髪の毛が長い人は、清潔感を出すよう、邪魔にならないようにまとめ、前髪が長い場合はピンなどで留めることも良いでしょう。
①弔事(葬儀など)…耳より下でまとめる
②慶事(結婚式など)…耳より上でまとめる
髪留めはシンプルで落ち着いた色のものを選び、できれば色は黒が望ましいです。
くれぐれも華やかな印象を与えるまとめ方は避けてください。
また髪を染めている人も増えましたが、金髪のような派手な髪色は葬式にはふさわしくありません。
派手な髪色の方は黒色に染めたり、スプレーで一時的に黒色にしたりすることをおすすめします。
葬儀のネイルや香水マナー
◇ネイルは、透明やベージュであれば問題ありません
…基本的にはネイルは付けず、短く切って整えます。
透明やベージュのネイルであれば失礼にはならないものの、おしゃれをする場所ではないため、デコレーションなど派手なネイルは厳禁です。
ネイルを剥がしたくない場合は、手袋やハンカチで指先を隠してください。
<葬儀の指先マナー> |
|
①基本 | ・爪切って短く整える ・ネイルはできるだけ取り外す |
②ネイルが付いている | ・透明 ・ベージュ |
③派手なネイル | ・黒いレースの手袋で隠す ・ベージュ系を重ね塗りする |
ジェルネイルなど、自分で簡単に取り外せない場合は、ベージュ系のマニキュアを重ね塗りしてもいいですね。
お気に入りのネイルアートやラインストーンが付いている場合は、葬儀用の黒いレースの手袋で隠す方法もあります。
とは言え食事や焼香の時には手袋を外さなければなりません。
一時的な対応でしかないと理解しておきましょう。
葬儀の香水マナー
◇基本的に、香水は使いません
葬儀ではお焼香をしますよね。
お香は故人の死や別れの悲しみを癒し、参列者の心身を浄化します。
香水を使用することは、そんなお香の意味を無視していることになりかねません。
またお香と香水の香りが混じり、気分を害する人が出てくる可能性もあります。
●何らかの理由でどうしても香水をつけたいなら、お香や会場の香りを邪魔しない、和テイストの香りを選ぶと良いでしょう。
・ユリの香り
・お香の香り
ただし香りをつけすぎには注意し、洋服の下や膝裏に1~2回ほどスプレーする程度に抑えるようにしましょう。
まとめ:葬儀メイクはティッシュで抑える方法もあります
急な訃報で、職場などからお通夜に駆けつける時などは、メイク道具を揃える暇もありません。
この場合は、できるだけ通夜や葬儀で浮かないメイクを目指します。
メイクの派手さを抑えたい時には、ティッシュが便利です。
ティッシュで必要な部分を抑えることで、艶感やキラキラが落ち着きます。
リップはメイク落とし用シートで薄くしてみてはいかがでしょうか。
また艶感はフェイスパウダーで抑えることができます。
ティッシュで汗や皮脂などを軽く抑えた後、適量のマット系フェイスパウダーをたたいてみましょう。