お葬儀の豆知識
喪主挨拶に実際に使える例文とは?立場別の文例や喪主挨拶のポイント|家族葬でも必要?
・喪主挨拶に使える例文とは?
・喪主挨拶の構成やポイントは?
・家族葬でも喪主挨拶は必要?
葬儀マナーに倣った構成や言葉遣いが欠かせない喪主挨拶は、例文を基本に状況に合わせて変更すると準備がスムーズに進みます。
そのため喪主挨拶の例文は、立場や状況に合わせたものがあると便利ですよね。
本記事を読むことで、故人との血縁関係や状況で違う喪主挨拶の文例が分かります。
喪主挨拶の文例を変更しやすい、構成やポイントについてもお伝えしていますので、どうぞ最後までお読みください。
喪主挨拶に役立つ文例
◇遺族の代表として行う喪主挨拶では、感謝の言葉を述べます
喪主挨拶は遺族の代表として、忙しいなかお越しいただいた参列者や、サポートいただいた方々への感謝を簡潔に伝えるものです。
そのため喪主挨拶は基本の文例を参考に変更すれば良いのですが、遺族の思いやお礼の言葉が、立場や状況によって変わるでしょう。
喪主挨拶の基本構成とは?
◇喪主挨拶は基本的に5つの構成で組み立てます
喪主挨拶を簡潔にするため、文例の多くは5つの構成で成り立っています。
葬儀を滞りなく進めるためには、喪主挨拶を約1分~3分ほどでまとめなければなりません。
約1分~3分の挨拶の長さは文字数で言うと、800文字~1800文字が目安です。
(1)自己紹介
(2)参列への感謝
(3)故人の人柄、エピソード
(4)遺族の思い
(5)お礼の言葉
※今後の遺族へのお見守りへのお願い
喪主挨拶では故人の人柄やエピソードを伝える際、故人の最期の様子を入れても良いですが、必ず伝えなければならない訳ではありません。
また故人の生前のエピソードとともに、受けたご厚情への感謝、力添えに喜んでいた故人の様子を添えても良いでしょう。
喪主挨拶5つのポイント
◇喪主挨拶は原稿を見ながら伝えても構いません
葬儀の席では縁起が悪いタブーの言葉「忌み言葉」など、通常の会話とは違うマナーがあります。
喪主挨拶で間違えた言葉を発するよりも、原稿を手に落ち着いて、ゆっくりと進めた方が好印象です。
(1)忌み言葉を避ける
・重ね言葉(ますます)
・不吉な言葉(大変)
…など
(2)構成に沿って簡潔に伝える
・1分~3分以内にまとめる
・約800~1800文字が目安
(3)原稿を読み上げても良い
・落ち着いて行う
・ゆっくりと丁寧に読み上げる
また喪主挨拶の例文には「残暑厳しき折り」などの時候の挨拶はありません。
手紙や弔電・弔事など、弔事における全ての文章で意識したいマナーです。
時候の挨拶ではなくとも、天候への配慮など、喪主挨拶の本題以外の部分は簡潔に触れるのみとし、長く時間を割くことは避けましょう。
・お悔みの言葉とは?メールや香典とともに添える言葉の例文。一筆箋、手紙での例文も紹介
立場で違う喪主挨拶の文例
◇喪主挨拶の文例には、故人が両親や配偶者、兄弟姉妹が多いです
喪主は一般的に、故人と血縁関係が最も深い人がなりますので、喪主挨拶の例文も故人と近しい配偶者や両親、兄弟姉妹などが多いでしょう。
家族だからこそ分かる故人の性格を伝えるとともに、残された遺族が今後も歩んでいく決意表明を行います。
また遺族代表として行う喪主挨拶では、何よりも感謝を伝えることが大切です。
今後のお見守りについても、最後にひと言添えると良いでしょう。
父の葬儀:長男の喪主挨拶
「本日は寒い中、父の葬儀にご参列いただきまして心より感謝申し上げます。
私は故人の長男の○○と申します。
遺族を代表して、ひと言ご挨拶をさせていただきます。
父は人一倍健康自慢でしたが、今年の1月5日に突然倒れて市民病院に入院しました。
意識はしっかりとしていましたが左半身が不自由になり、さぞ辛かったことと思います。
交代で看病した日々は家族の絆を深めましたが、9月21日の午後8時40分に、市民病院で75歳の生涯を閉じました。
父の生前、皆様には多くの励ましをいただきありがとうございました。
本日は温かくお見送りいただき、父も喜んでいることでしょう。
この場を借りて、お礼を申し上げます。
ありがとうございました。」
高齢の母の葬儀:娘の喪主挨拶
「本日は暑い中遠くからお越しいただき心より感謝申し上げます。
遺族代表としてご挨拶させていただきます、長女の○○です。
この遺影は亡き母○○が亡父と毎日散歩した、○○海岸で撮影した時のものです。
爽やかな秋の日差しのなか、母は父のことを思い出した様子で、私に撮影を頼んだこの日は、つい3か月前でした。
この写真を撮影後、間もなくしてガンが見つかりました。
元々我慢強く、自分を厳しく律する性格でしたが、突然のことに動揺することもなく、我慢強く治療を続ける姿は、母親の後ろ姿そのものです。
最期は、私たち子供や愛する孫たちに囲まれながら、穏やかに旅立ちました。
皆様には病気の母を温かく見守っていただき、感謝しかありません。
これからも、どうか私たち家族と故人と同じようなお付き合いをしていただければ幸いです。」
配偶者の葬儀:夫の喪主挨拶
「遺族を代表して、皆さまにご挨拶申し上げます。
私は、故人○○の夫○○でございます。
妻とは30年間、人生を共に歩んでまいりました。
家庭を守り抜き、素晴らしい妻として尽力してくれました。
○○を亡くして、私たち家族はいかに彼女のおかげで幸せな毎日を送ってきたかを深く感じています。
まだ○○の死という現実を受け入れることができません。
しかし、家族思いの妻のことです。
今も私たち家族をこの会場のどこかで見守っていることでしょう。
私たちも妻の見守りに答えるよう、力強く明日を生きる所存です。
皆様にはこれまでと同じくお付き合いいただけますよう、心からお願い申し上げます。
本日は、これほどまでに多くの人々が妻のためにご参列いただき、誠にありがとうございます。
故人と共に心から感謝申し上げます。」
妹の葬儀:兄の喪主挨拶
「本日はお忙しいなか、故○○○○の葬儀にあたりまして、皆様には心からのご参列をいただき、心より感謝申し上げます。
私は故人の兄○○と申します。
故人○○はいつも好奇心旺盛な妹でした。
生前は海を愛し、シュノーケリングやドルフィンスイム、一方で刺繍やハンドメイドに没頭するなど、いつも新しいことに挑戦し続ける姿が印象的です。
病床に伏せってからもゲームに没頭し、最期まで楽しそうに過ごしていました。
どんなことも楽しみ、常に喜びを見出した故人だからこそ、本日、皆様に見守られながら旅立つことができたのだと思います。
ここに、生前いただきましたご厚情に対し、心よりお礼申し上げます。
今後もどうぞ、私たち遺族に変わらぬご厚情を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
簡単ですが、これをもちましてお礼の挨拶とさせていただきます。」
家族葬:孫の喪主挨拶
「みなさまには、この度はお集まりいただき、心から感謝申し上げます。
数人で執り行う家族葬ですので、ご挨拶は簡潔にさせていただきたいと思います。
皆さまもご存知の通り、祖母○○は今月10日に老衰により102歳で永眠しました。
足腰も丈夫にこの年まで元気で過ごし、家庭菜園に精を出して周囲の人々にいつも笑顔を振りまいた人生でした。
そして私たち孫の代まで、高齢の母親を一人残らず看取ることができたことを、誇りに思っています。
葬儀社のスタッフが処置をしてくれているため、手や顔に触れることも可能ですので、これから出棺までのわずかな時間、どうぞ柩に近づいて、たくさんお話しされてください。
おばあちゃんもきっと、皆様のお顔を見て喜んでいることでしょう。
本日は、本当にありがとうございました。」
まとめ:家族葬でも喪主挨拶の例文を確認します
家族葬では状況に合わせて喪主挨拶を行うかどうかを決めると良いでしょう。
参列者の人数が少ない家族葬であっても、遠方からはるばるいらしてくださった親族がいるならば、ぜひ喪主挨拶で感謝の言葉を伝えたいものです。
一方、故人とごく近しい同居家族のみで執り行う家族葬であれば、参加者全員で話し合い、喪主挨拶を省略する葬儀もあります。
喪主挨拶は例文を変更しながら、忙しいなかで参列し、故人へ心を掛けてくださった皆様へ、心からの感謝と誠意を伝えることがポイントです。