お葬儀の豆知識
【葬儀の進め方】トラブルの多い葬儀での席順。喪主が配慮する5つの事柄
初めて喪主になった時、葬儀の席順に戸惑う声は多いですよね。
規模の大きな沖縄の葬儀では、到着順に列を作って弔問を行うスタイルもありますが、着席する葬儀では、故人との関係性によって席順が決められます。
・この人とあの人では、どちらを優先すれば良いのか…
・上座と下座が分からない
・親族と仕事関係者では、どのように座るの?
などなど、参列者に気を遣う喪主としては迷う声も少なくありません。
そこで今回は、喪主が安心して葬儀の席順を決めるよう、配慮する5つのマナーをお伝えします。
現代沖縄の葬儀に見る、2つの席順
現代、沖縄で行う葬儀では従来の席順と、本州の様式に倣った席順を見受けます。
親族や会社関係者、友人知人が沖縄の人々であれば、従来の沖縄の風習に倣った席順とし、他県の人々との関係性が深い葬儀であれば、本州の風習に倣った席順を選ぶと良いでしょう。
特に他県で行う葬儀では、席順の上座・下座があるので、葬儀のスタイルや、参列者を限定した葬儀であれば、ご案内をした人々を確認しながら、いずれかの席順で進めるよう、葬儀社の人々と打ち合わせをしてください。
従来、沖縄の葬儀での席順
一般葬(骨葬)を行う際、親族席と一般席とに分かれて座るのが一般的です。
その際、親族席は一般焼香のテーブルより祭壇側のほうへ準備されることが多いでしょう。
(1)親族席と一般席
・親族席…一般焼香のテーブルよりも前方
・一般席…一般焼香のテーブルから後方
(2)男性と女性
・男性…祭壇に向かって右手
・女性…祭壇に向かって左手
また祭壇に向かって右手、左手と分かれて向かい合って着座する際には、祭壇に向かって右手が男性、左手が女性が座り、祭壇側よりご関係の近い人から座ります。
ちなみに自宅葬でひんぷんがある家へ訪問する場合、昔ながらの葬儀では席順と同じように、男性は家に向かって右手に回って自宅へ入り、女性は家に向かって左手に入る風習がありました。
少し話はずれますが幸地腹門中のひんぷんでも、右手・左手で入る人が分かれますよね。
この風習に倣い参列をすると、より丁寧です。
全国的な葬儀の席順は、血縁が濃い人が優先
葬儀の席順を決める基本として、一般的な上座と下座に座る優先順位と違う点は注意をしてください。
葬儀で優先する席順の場合、社会的な地位によって上座・下座を決める訳ではなく、故人との関係性です。
●故人との関係性が深い人を優先的に配置する
(1)故人と血縁関係が濃い人が優先
(2)血縁関係の後に、友人・知人・会社関係者
一般的に沖縄の葬儀では、席順の順位としてお世話になった会社関係者を、血縁関係者の後に優先する判断も、時には見受けますが、特に親しくしていた親友などの友人知人であれば、親族の次に入る、もしくは親族のなかに入ることもあります。
葬儀の席順は、右と左で座る人が違う
現代、沖縄の葬儀において一般的な斎場では、祭壇を中心にして左右に籍(椅子)が並んでいますよね。
祭壇を中心として、向かって右側の席・左側の席でくくられていますが、実はこの右側と左側で座る順番やルールが決まっていることはご存知でしょうか。
(1)右側の席に座る人々…身内・血縁関係者(親族や遺族)
(2)左側の席に座る人々…会社関係者・知人・友人(一般参列者)
この決まり事から、喪主やご遺族は、祭壇に向かって右側の最前列に並びます。
そのため、沖縄の葬儀に参列する側の人は、お焼香の前に右側に並ぶ喪主やご遺族に向かって
お辞儀をしてから進むのがマナーです。
右側と左側の席内での上座・下座
また右側と左側、それぞれの席順にも上座と下座があります。
参列者がご自身で自由に席に座るのであればトラブルも起きにくいのですが、喪主が弔問客の席順を決めるのであれば、この上座・下座にも配慮してください。
(1)上座…祭壇に1番近い席(中央)に向かって、上座
(2)下座…廊下側の席へ向かって(外側)、下座
またここでも上座に座る人は必ずしも、より社会的な地位がある人ではありません。
沖縄の葬儀における上座に座る人々は、故人との関係が深い人物です。
ただし故人が生前に仕事でお世話になった、何かと相談する人だった…、など、結果的に社会的な地位のある人が、より上座に座る傾向があります。
・【葬儀の進め方】喪主が決める花輪や供花を配置する順番、5つの決まり事
喪主は親族・遺族側の最前列、祭壇側
このように、沖縄の葬儀では一般的に、祭壇に向かって右側に座る人々は血縁関係者です。
また、上座と下座の判断としては、血縁の関係が濃い人から上座で並びます。
そのため、親族・遺族側の最前列に座る人の並びは、下記のように決めると良いでしょう。
●祭壇がある中央側を始まりとして
①喪主
②両親
③子供
④兄弟
⑤叔父叔母
…このように進みます。
そのため基本的に一列目には喪主とご遺族が、二列目からは近親者と親族が並ぶ席順です。
多くの沖縄の葬儀で席は一列に5席以上並ぶ会場もありますが、5席以下でしたら2列目中央から血縁関係の濃い順番で並ぶことになるでしょう。
一般参列者の席順
左側の一般参列者の場合も、上座と下座の判断は親族・遺族側の席と同様です。
●故人との関係が深い人から、祭壇に近い通路側の席へ座っていきます。
ただし、100人以上の参列者が集まる規模の大きな沖縄の葬儀では、到着順にお焼香を済ませるものも多く、一般参列者の席は到着順になることも多いです。
また、式場によって作りが違う事があるので、その時は斎場のスタッフに確認を取るようにしましょう。
・【沖縄での葬儀の進め方】葬儀社との打ち合わせ。決める5つの項目
喪主が配慮する5つの事柄
以上のことを踏まえて、沖縄の葬儀では参列者を敬う席順への配慮をします。
ただ故人と参列者の関係性ばかりではなく、沖縄の葬儀では高齢者の参列も少なくありませんので、体調や不自由さへの配慮もしながら、席順を決めていかなければなりません。
①弔問客の席順ルールに倣う
②「上座」に座る人を決める
③故人の意思が大切
④欠席の参列者は席を空けておく必要がない
⑤参列者の体(体調)への配慮
ただ最近ではホテルで行う会費制の自由葬など、形式ばらない沖縄の葬儀も増えました。
まだまだ新しいスタイルですが、このような沖縄の葬儀では、いくつかの丸いテーブルを用意して、参列者が自由に席を選ぶようなスタイルも見受けます。
①弔問客の席順
基本的に誰が来るか分からない沖縄の葬儀では、喪主が席順を決めるのは上座だけの場合が多いでしょう。
多くの参列者は、一般的に下座から座る傾向があります。
●そのため上座がガラガラにならないよう、席を詰めてもらう配慮をしなくてはなりません。
…その場合は上座を除き、中央席まで移動をしてもらうよう、声掛けをします。
下座に参列者が集中してしまった場合には、葬儀スタッフに案内をしてもらうと良いでしょう。
②「上座」に座る人を決める
現代の沖縄の葬儀では、葬儀社スタッフが全てを取り仕切る場合が多いですが、その昔はご近所様(隣組)や、故人と親しくしていた知人友人などが取り仕切る葬儀も多くありました。
今の沖縄の葬儀でも地方で見受ける方法ですが、喪主やご遺族が世話役の依頼をしたならば、葬儀の席順は一般参列者の上座にご案内します。
●一般参列者の葬儀の席、中央側から下記の順番です。
・世話役代表(葬儀委員長)
・世話役
・弔事を読む人
・知人友人
・職場関係者
…このように世話役の後には、弔事を読む人が優先されるなど、上座は葬儀の進行に当たり、喪主が何かを依頼した人々が、まず並びます。
また故人がお世話になっていた、恩師なども上座に座っていただくことになるでしょう。
会社関係の場合は、同僚は下座・職場関係は上座にすると相手に失礼がありません。
・【沖縄の葬儀】自宅葬で世話役を頼む。振る舞いや供花など4つのポイント
③故人の意思が大切
一般参列者の上座は、故人の意思を尊重した席順にしましょう。
一般的には世話役の人々や、故人がお世話になった会社関係者(役員)を尊重して、上座にご案内します。
④欠席の参列者は席を空けておく必要がない
また沖縄の葬儀では、欠席している参列者の席は空けなくても構いません。
しかし、葬儀に参加できるかもしれないという場合は、開始30分前に連絡がなければ、欠席とみなし席を詰めるようにしましょう。
上段の席は空席は避けることを優先します。
予め詰めてもらうことを、参列者に説明しておく事が肝心です。
⑤参列者の体(体調)への配慮
安心して沖縄の葬儀に参列してもらうため、席順は体の具合の配慮をします。
特に上段に座らなければならない人でも、足が不自由であったり、目が不自由な場合は、無理をして上段に座らなくても大丈夫です。
これらの配慮が必要な参列者がいるならば、本人の希望を聞くのがいいでしょう。
●例えば「足が不自由な場合」は、
・お手洗いが近い席
・万が一の場合、出口が近い席
など、それぞれに合った配慮を考える必要があります。
またお子様連れの人がいた場合も、お子様のトイレや世話のためにすぐに廊下に出ることができるよう、廊下側の席をご案内しても良いでしょう。
また乳児などお世話が必要な場合、お世話用の控室をひと部屋、用意するのも良いです。
この場合、赤ちゃんのお世話がしやすいよう、畳間が良いかもしれません。
最後に
今回は、喪主が迷いやすい沖縄の葬儀での席順についてお伝えしました。
基本的に、沖縄の葬儀においての席順は社会的地位ではなく、故人との関係性から見て上座・下座を決めます。
また沖縄の葬儀では、血縁の濃い人から右側に座るようにする判断が一般的です。
そのため喪主としては、一般参列者の人でも故人とどのような関係性だったのかを判断しなくてはならない点は、迷いやすいかもしれません。
ただ喪主にも分からない場合は、相手も理解してくれることが多いので、でき得る限りの配慮でも、問題はありません。
まとめ
沖縄の葬儀、席順5つの事柄
●葬儀会場の基本
・祭壇に向かって右側が血縁関係者
・祭壇に向かって左側が一般参列者
・祭壇のある中央側が上座
・廊下側が下座●葬儀の席順の決め方
<血縁関係者側>
・血縁関係の濃い人
<一般参列者側>
・世話役
・知人友人
・会社関係者●喪主が配慮する5つの事柄
①弔問客の席順
②「上座」に座る人を決める
③故人の意思が大切
④欠席の参列者は席を空けておく必要がない
⑤参列者の体(体調)への配慮