お葬儀の豆知識
葬儀受付を頼まれたらやり方は?利用できる5つの制度や対策とは?受付の挨拶文例も紹介
・葬儀受付を頼まれたら?
・葬儀受付をする手順は?
・葬儀受付マナーは?
・葬儀受付での挨拶文例は?
葬儀受付を頼まれたら、海外出張や病気など、どうにもならない事情があれば断ることもありますが、基本的には引き受けるとされます。
ただ葬儀受付は香典などの金銭を扱ううえ、参列者にとって遺族の代表です。
準備から受付時の参列者への対応まで、理解して手伝いたいですよね。
本記事を読むことで葬儀受付を頼まれた時の対応や準備、仕事内容や受付時に参列者へ対応する挨拶の文例が分かります。
葬儀受付の役割とは?
◇葬儀受付の役割とは、参列者をお出迎えする喪主やご遺族の顔です
葬儀受付の役割とは、参列者を迎える受付において、喪主やご遺族の顔として、参列者を迎え入れる大切な役割を担います。
参列者にとっては、葬儀会場に来て最初に見る人であり、葬儀を印象付ける大切な役割です。
<葬儀受付の役割とは?> ●葬儀受付の業務内容 |
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[葬儀前] | ・お辞儀(ご挨拶) ・記帳のお願い ・香典の受け取り ・香典の処理や管理 ・供物や電報の受け取り |
[葬儀後] | ・会葬礼状のお渡し ・会葬品のお渡し |
葬儀受付は一般的に喪主が選び、本人に依頼をするでしょう。
葬儀受付はお辞儀や対応の仕方など、マナーを心得て、香典を適切に管理できる責任感が求められます。
葬儀受付は誰がなる?
◇葬儀受付は一般的に、喪主の知人友人などが複数人で行います
葬儀受付係の決定には、特に決まりはありません。
けれどもご遺族は葬儀の最中、参列者への対応や準備で慌ただしくなるため、喪主やご遺族となる直系家族、親族以外が選ばれます。
また葬儀受付は香典などの金銭を扱ううえ、さまざまな業務を担当するでしょう。
そのため、1人で行うことはありません。
<葬儀受付は誰がなる?> | |
①一般葬 (規模が大きい) |
・孫(孫の家族) ・いとこ ・喪主の知人友人 ・故人の会社関係者 ・隣組(地域の人々) |
②家族葬 (規模が小さい) |
・孫(孫の家族) ・いとこ ・喪主の友人知人 ・故人と生前に親しかった人 |
基本として葬儀受付は2名以上が任され、受付場所も2ヶ所に設置します。
大規模な一般葬になると、約5人ほどで対応する葬儀が多いでしょう。
受付係は金品の管理や弔問客への丁寧な対応が求められるため、信頼性の高い方にお願いすることをおすすめします。
葬儀受付を頼まれたら?
◇葬儀受付の役割を打診されたら、基本的に引き受けます
冠婚葬祭のなかでも故人を亡くしてすぐの通夜や葬儀の手伝いは、相手との今後の関係性に関わるタイミングです。
喪主としても、引き受けてくれることを前提に打診していることでしょう。
そのため入院をしていたり海外在住など、どうにもならない事情でなければ、でき得る限り引き受けます。
<葬儀受付を頼まれた時の返答> | |
[引き受ける] | |
「この度はお悔やみ申し上げます。 私でお手伝いできることがあれば、受付を努めさせていただきます」 | |
[断る] | |
「このたびは、お悔やみ申し上げます。 お伺いしたいのですが、やむを得ない事情がございまして、どうしてもお伺いすることができません。 申し訳ございません。 ○○さまのご冥福をお祈り申し上げております。」 |
どうしても断らなければならない時には、早々にお断りの連絡をします。
マナーとして理由は曖昧な表現でぼかしますが、断ることで関係性が悪くなりそうな相手には、どうにもならない事情に少し触れても良いでしょう。
この時も、喪主が他の人に葬儀受付をすぐ依頼できるよう、はっきりとお断りすべきです。
葬儀受付をする手順は?
◇葬儀受付係は開始時刻の約1時間前には、葬儀会場にいましょう
葬儀受付は一般的に葬儀開始の30分前から行われます。
そのため葬儀開始30分前に備えて、打ち合わせや備品確認を行うため、少なくとも約1時間前には到着しましょう。
打ち合わせでは下記の項目を確認した後、複数の葬儀受付係の間で役割分担をすると、作業がスムーズです。
<葬儀受付の準備> | |
●集合 | (1時間~1時間半前までに) |
●受付手順の確認 | |
①受付での流れ | ・記帳~返礼品のお渡しまで |
②記帳方法 | |
③返礼品の確認 | ・内容 ・数量 ・お渡し方法 |
④返礼品の対応 | ・連名の香典 ・「返礼品はいらない」と言われた場合 …など |
⑤香典について | [集計の行い方はどちらか] ・封を開けて集計 ・封を開けずに預かりのみ |
⑥備品確認 | ・筆記具 ・芳名帳(記帳カード) ・香典盆 ・名刺受け ・返礼品 ・覚書用メモ …など |
⑦葬儀会場の場所確認 | ・式場 ・待合室 ・トイレ ・喫煙所 ・自動販売機 …など |
また香典辞退の葬儀だった場合には、供花や供物への対応、また参列者から「香典を渡したい」と言われた時の対応なども確認します。
この他、未就学児や高齢の参列者が予想される場合、施主側で控室などの対策を取っているかもしれません。
葬儀会場の場所と同様、スムーズにご案内できるよう、喪主の意向を確認しておくと良いでしょう。
葬儀受付の服装は?
◇服装は遺族側として、準喪服で整えます
葬儀受付での服装は準喪服です。
特に葬儀受付では手元が参列者に常に見られていますので、派手なネイルを避け、指輪は結婚指輪のみにしましょう。
<葬儀受付の服装> | |
[男性] | ・ブラックスーツ ・黒ネクタイ ・白シャツ ・靴は光沢のないシンプルでデザイン ・アクセサリーは基本付けない (結婚指輪のみ) |
[女性] | ・黒のアンサンブル (ワンピースなど) ・ストッキングは透ける黒 (光沢のないもの) ・光沢のない黒のパンプス ・ネイルやメイクは控えめ ・パールの一連ネックレス |
基本的に清楚な服装で光沢や華美なものを避け、髪の毛は後ろにまとめて、邪魔にならないように整えます。
詳しくは下記コラムをご参照ください。
・【沖縄の葬儀マナー】訃報欄で発見!初めて沖縄の葬儀に参列する5つの事柄
葬儀受付が始まったら?
◇葬儀の時の受付業務は、記帳の受付と香典の受け取りです
参列者が葬儀会場に到着したら、丁重にご挨拶をして芳名帳への記帳を促します。
その後、マナーに倣い香典を受け取り、会場や控室にご案内する流れです。
葬儀形式により喪主の意向があれば、葬儀受付時に返礼品をお渡しします。
・参列者の記帳
・香典の受け取り
・式場または待合室へご案内
葬儀受付の業務は参列者が来なくなるまで続けられますので、返礼品の残り数を確認しておかなければなりません。
数が残り少なくなる頃に、良いタイミングで葬儀スタッフに伝えます。
葬儀受付業務が終了したら?
◇全ての参列者の焼香が終わり次第、交代で式場内に入ります
参列者が会場に入り葬儀が始まった後、順番で参列者の焼香が終わったら、葬儀受付係も会場に入り、焼香を行います。
また参列者が帰る時に返礼品をお渡しする場合、再び葬儀受付に戻り、参列者をお見送りしながら返礼品をお渡しするでしょう。
<返礼品を渡すタイミング> | |
[葬儀前] | ・芳名帳に記帳案内 ・香典の受け取り ・返礼品のお渡し |
[葬儀後] | ・受付時に引換券をお渡し ・葬儀後に返礼品をお渡し |
[会計係へ引き継ぎ] | ・香典を渡す ・芳名帳を渡す |
引換券を使用する場合は、葬儀後に返礼品を手渡しする役割も割り振ります。
焼香では、読経の時間が決まっていることもあります。
順番が来たら作業中でも手を止め、葬儀スタッフの指示に従って迅速に焼香を行いましょう。
葬儀受付マナーは?
◇葬儀ですので笑顔や談笑は控えながら、丁寧な対応を心がけます
日ごろは笑顔は何よりのおもてなしですが、お通夜や葬儀の席では大きな笑顔や談笑を避け、落ち着いた対応を心がけます。
基本的に香典や返礼品など、物を扱う時には両手を使い、芳名帳や会場内は、指差しではなく手の平でご案内します。
<葬儀受付のマナー> | |
[参列者への対応マナー] | ・笑顔や談笑は控える ・立ってお迎えする ・丁寧な言葉 ・丁寧なお辞儀と態度 |
[声の調子] | ・落ち着いた口調 ・男性は少し高めに ・女性は少し低めに |
●高齢の参列者へのご案内 |
・はっきりと伝える ・少し大きめの声 |
[両手で対応する] | ・香典の受け取り ・引換券、返礼品のお渡し |
[携帯電話マナー] |
・電源を切る ・マナーモードにする |
葬儀受付では喪主や葬儀スタッフと電話でやり取りをするケースもあるかもしれませんが、その場合にもマナーモードを心がけましょう。
また片手で行うと、不作法で乱暴な印象を与えかねませんので、ご注意ください。
葬儀受付での挨拶は?
◇香典を受け取る時には、「お預かりいたします」が良いでしょう
葬儀受付は遺族の代表として参列者へ対応しますが、香典を受け取るのは喪主なので、「頂戴します」よりも「お預かりします」と受け取ると良いです。
また「お足元が悪いなか」「お待たせして申し訳ありませんでした」「恐れ入りますが」など、状況に合わせた言葉を添えます。
<葬儀受付のマナー> | |
[お迎え時] | |
「(お足元の悪いなか)お越しくださりありがとうございます。」 | |
「ご会葬ありがとうございます。」 | |
[記帳のご案内] | |
「恐れ入ります、こちらにお名前、ご住所のご記帳をお願いいたします。」 | |
「お名前とご住所を、ご記入いただけますでしょうか。」 | |
[引換券のお渡し] | |
「こちらは引換券となります。 お帰りでは、あちらの引換所でお礼の品と交換をお願いいたします。」 |
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[香典辞退の場合] | |
「申し訳ありません。 ご遺族の意向により御香典は辞退申し上げております。 お気持ちだけありがたく頂戴いたします」 |
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[お見送り] | |
「ご会葬ありがとうございました。お気を付けてお帰り下さいませ。」 |
また参列者に対しては遺族側として、お悔やみの言葉には「恐れ入ります」「痛み入ります」「ありがとうございます」などの言葉で返答します。
一方、喪主やご遺族にはお悔やみの言葉を述べましょう。
「ご愁傷様でございます」「お悔やみ申し上げます」などです。
また葬儀の席では縁起の悪い忌み言葉は避けるよう、事前に確認しておきましょう。
まとめ:葬儀受付は複数人で行います
葬儀受付はお金を包んだ香典の受け取りが生じますので、規模が小さい家族葬などでも、後々のトラブルを避けるため、必ず複数人で担当します。
また葬儀にもよりますが、葬儀受付係は受け取った香典を会計係へ渡す際、預かった状態のまま渡すケースの他、一度香典の封を開ける作業が伴うこともあるでしょう。
香典の封を開けて「○○○○(参列者の氏名)、○○○○円(香典金額)」と記載し集計するためです。
葬儀受付で香典の封を開ける作業が伴うケースでは、一般的に「受付控室」が設けられますので、しっかりと扉を閉めて、トラブルを防ぎましょう。