お葬儀の豆知識
家族葬では香典はどうしたらいい?「香典辞退」と言われたら?香典代わりに贈るものは?
・家族葬に参列する時、香典は持参する?
・家族葬で香典に関する注意事項は?
・家族葬で香典の代わりになるものは?
故人と近しい身内のみで執り行う家族葬の案内を受けると、香典を持参するのか迷う方も多いですよね。
基本的には家族葬であっても香典は、一般的な葬儀と同じように持参します。
ただ家族葬では、喪主が香典辞退をする葬儀もあるので、確認が必要です。
本記事を読むことで、家族葬に参列する際の香典マナーや、事後報告にて故人の訃報を受けた場合の弔意の表し方が分かります。
家族葬に香典は持参する?
◇家族葬でも香典の扱いは、基本的に一般葬と同じです
「家族葬」とは規模の小さな葬儀を指します。
公正取引委員会の定義では約50人ほどまでの葬儀を家族葬としていますが、一般的には約10人~30人ほどの葬儀が多いでしょう。
故人の近親者や、生前にごく親しくしていた身内のみで執り行うため、葬儀のご案内を限定し、その他の方々へは葬儀を済ませた後に挨拶状を送り、訃報とともに事後報告をする流れが一般的です。
このように家族葬は葬儀の規模が違うだけなので、喪主から「香典辞退」の申し入れがない限り、香典の扱いは一般的な葬儀と変わりありません。
・通夜や葬儀での香典の渡し方マナーとは?何と言って渡す?ふくさがない時の渡し方とは?
家族葬の香典相場は?
◇家族葬の香典相場も、一般的な葬儀と同じです
家族葬に参列する際、香典を持参する場合には相場は一般的な相場に合わせます。
ただ沖縄では一般の方々でも80人以上の規模の大きな一般葬がありますよね。
そのため沖縄の香典相場は千円~3千円と低め傾向にありますが、家族葬の場合は個々に葬儀の案内をかけるので、全国的な香典相場に合わせる参列者が多いです。
<家族葬の香典相場> | |
[関係] | [香典相場] |
・両親 | ・約5万円~10万円ほど |
・祖父母 | ・約3万円~5万円ほど |
・兄弟姉妹 | ・約3万円~5万円ほど |
・親戚 | ・約1万円~5万円ほど |
・友人 | ・約5千円~1万円ほど |
とは言え、沖縄の地方では千円~3千円の香典相場で統一するなど地域性もありますので、家族や周囲の方々へ確認すると良いでしょう。
また全国的な風習に倣い、葬儀後に会食の場を設けた家族葬であれば、食事代として全国的な香典相場に倣う方が多い傾向です。
・【沖縄の葬儀マナー】御香典とは?沖縄式と本州式、金額に迷った時の判断基準
家族葬の香典マナーは?
◇受付がない場合は、親族控室などでお渡しします
家族葬であっても香典マナーは基本的に一般的な葬儀と同じです。
香典マナーに倣って不祝儀袋に包み、袱紗(ふくさ)に入れて持ち歩きます。
ただ、ごく身内のみで執り行う家族葬では受付を設けないこともあるでしょう。
このような場合は、親族控室などで喪主に直接お渡ししても構いません。
受付のない家族葬で香典を渡すタイミングに決まり事はないため、葬儀前でも後でも、喪主やご遺族へご挨拶とともにお渡しします。
香典の包み方について、基本的なマナーは下記コラムをご参照ください。
・【沖縄の葬儀マナー】御香典の包み方マナー、持ち歩き方・差し出し方とは?
家族葬に参列できない時、香典は?
◇家族葬に案内されていれば、香典の郵送も失礼にはあたりません
喪主から家族葬に案内されているけれど葬儀に参列できない、尚且つ喪主から「香典辞退」がなければ、現代では香典を郵送することもできます。
家族葬を執り行う目的は、喪主やご遺族の負担を軽減することなので、後日の弔問を辞退しているケースも多いためです。
家族葬の案内状に弔問辞退の一文がない場合、予め喪主やご遺族に「もしもよろしければ」と丁重に確認を取ってから、日時を調整して伺いましょう。
また一般的に弔問を行う場合、四十九日前の弔問がマナーです。
・弔問とは?参列や会葬とは違う?香典は必要?金額や服装・持ち物マナーを解説
弔電を送っても良い?
◇弔電の辞退がなければ、送っても構いません
「弔電」とは弔意を伝える電報を指し、一般的に葬儀当日に届くよう手配します。
家族葬に案内されているけれど参列できない場合、喪主による弔電の辞退がなければ、葬儀当日に弔電を送っても良いでしょう。
葬儀の席で弔電を奉読されるため、葬儀開始の5時間ほど前の手配が適切です。
弔電に供花や供物を添えるサービスもありますし、最もご遺族の負担にならない弔意の伝え方でもあります。
家族葬で香典辞退と言われたら?
◇「香典辞退」の申し入れを受けたら、それに従います
喪主やご遺族の負担軽減を目的とする家族葬では、香典辞退の申し入れも多いです。
香典を受け取ると、喪主は四十九日の忌明け後、香典返しを送らなければなりません。
家族葬では基本的に葬儀の案内状、事後報告の場合は挨拶状の文面で、香典辞退の旨を明記しています。
また家族葬の場合、香典だけではなく、供花や供物なども辞退する喪主も多いです。
まず喪主やご遺族の意向を確認し、香典辞退の申し入れを受けたら無理強いせず、その意向に倣いましょう。
供花を贈る
◇「供花」とは、御霊前に供えるお花です
香典辞退の申し入れがあり、供花や供物を辞退していない家族葬では、香典の代わりに供花を持参したり、送ることがあります。
供花の相場は約2千円~5千円、家族葬では供えやすいようにアレンジメントフラワーや、半永久的に花姿がもつブリザーブドフラワーなどが人気です。
ただし勝手に供花を持参したり送るのではなく、予めご遺族に確認を取ってから用意すると良いでしょう。
供物を贈る
◇供物にはお線香やロウソクが適切です
香典辞退の申し入れがあり、供花や供物を辞退していない家族葬では、供花だけではなく供物を持参する参列者もいるでしょう。
御霊前に供える供物は果物や渇き菓子などの食べ物の他、故人へ供える供物として、お線香やロウソクが適切です。
供物も供花と同様、約2千円~5千円ほどが目安ですが、こちらも予め喪主やご遺族に確認し、「香典返しの必要はありません」と一文を添えることをおすすめします。
家族葬のご案内がない時、香典は?
◇家族葬のご案内がない限り、香典は控えます
喪主やご遺族から直接的に訃報を受けておらず、葬儀のご案内がない場合、葬儀後に挨拶状が届くまで、何もしないことがマナーです。
ご案内を受けていないなかでの参列はもちろん、弔電や供花、供物の郵送も、喪主やご遺族に余計な気遣いや負担を掛けてしまうからです。
基本的には香典返しの負担を考えると、香典の郵送はあまり好まれません。
もしも香典をお渡しするのであれば「香典返しは辞退させていただきます」の一文を添えるようにしてください。
自宅へ弔問しても良い?
◇自宅への弔問も慎重に行います
一般的な葬儀で参列できなかった場合、四十九日までに後日弔問をすることがありますが、家族葬はもともと参列者を限定した葬儀です。
そのため家族葬のご案内がなく、事後報告で故人の訃報を受けた場合に、自宅への弔問を希望するのであれば、必ず事前の確認が必要です。
まずは家族葬の挨拶状から弔問辞退の有無を確認し、喪主やご遺族の意向に添いましょう。
供花や供物を贈っても良い?
◇供花や供物の辞退がないかを確認しましょう
供花や供物も香典と同じく、家族葬の挨拶状で辞退がないかを確認します。
もしも香典辞退のみで、供花や供物について明記していなければ、喪主やご遺族に確認の上、送っても良いでしょう。
この際「香典返しを辞退いたします」の一文を添えることで、先方も香典返しの負担がなくなります。
お悔やみの手紙を送っても良い?
◇お悔やみの手紙は、弔意を伝える良い方法です
家族葬の挨拶状により、事後報告で故人の訃報を受けた場合、お悔やみの手紙は最も喪主やご遺族の負担の少ない方法のひとつと言えるでしょう。
お悔やみの手紙は弔事として、ごくシンプルな便せんに整えることがマナーです。
またお悔やみの手紙として、「おいおい」「忙しい」「再び」などの不吉を連想させる忌み言葉を避けます。
・お悔やみの手紙の正しい書き方とは?封筒や便せんの選び方、マナーやタブーを詳しく解説
まとめ:家族葬の香典は一般的な葬儀と同じ扱いです
しばしば「家族葬では香典を持参しない」と捉える方もいますが、家族葬は規模が小さな葬儀ですから、香典マナーは一般的な葬儀と違いはありません。
そのため家族葬であっても、参列する時には一般的な葬儀に倣った金額相場で香典を包み、持参します。
ただ家族葬を執り行う喪主のなかには、香典返しの負担を軽減するために香典を辞退する「香典辞退」を申し入れる方もいますので、この場合には、喪主の意向に倣いましょう。
家族葬で香典辞退のある葬儀で、供物や供花の辞退がなければ、香典代わりに供花や供物を持参しても失礼にはあたりません。
この場合は、参列者の配慮として「香典返しを辞退します」と記載した手紙を添えると、喪主の負担が軽減されて丁寧です。