お葬儀の豆知識
沖縄の葬儀とは?お通夜・葬儀・告別式の違いは?どちらに参列すれば良い?
一般的に沖縄では葬儀とは、火葬後に告別式とともに行われる儀式ですよね。
通常であれば人が亡くなった翌日、もしくは翌々日に執り行います。
・お通夜、葬儀、告別式に違いはあるの?
・訃報が届いたら、どこへ参列する?
・参列時のマナーとは?
お悔み欄で訃報を知る従来の沖縄では、葬儀や告別式への参列となりますが、近年では人数を限定し、個別に葬儀御案内状ハガキが届くこともあるため、迷う人が増えました。
今回は、現代の沖縄で迷う人の多い葬儀とは?の質問について、告別式や通夜との違い、特徴、どこへ参列するかの判断基準をお伝えします。
沖縄の葬儀とは?告別式、通夜との違い
●大まかにお伝えすると、沖縄で葬儀とは宗教的な儀式であり、告別式は故人との別れの式です
その昔の通夜は、近しい家族が夜通し故人とともにいて、お線香を絶やさぬよう煙の番を行い、最期の時を共に過ごす時間でした。
また法的に人が亡くなると、24時間は火葬ができませんので、火葬までご遺体を安置する時間でもあります。
①午前中に亡くなった場合
・当日の夜…通夜(ユートゥージ)
・翌日…火葬→葬儀→告別式(納骨)
②午後に亡くなった場合
・当日の夜…仮通夜
・翌日の夜…本通夜(ユートゥージ)
・翌々日…火葬→葬儀→告別式(納骨)
③ご遺体を暫く安置する
・斎場の安置室などを利用
・亡くなった週の週末など
・七日間までの安置
一般的には人が亡くなると当日~翌日の夜まで通夜(仮通夜)を行い、沖縄ではその翌日に火葬、葬儀、告別式まで済ませる流れです。
門中墓など、予め納骨するお墓が決まっている場合は、そのまま遺族のみで納骨まで行います。
またコロナ渦の沖縄では、葬儀や告別式を火葬場の日程やご遺族の状況に合わせるため、数日間安置する選択もしばしばありました。
・【家族が亡くなったら】自宅に遺体を安置する。家族が行う5つのこと
沖縄の葬儀とは?
●宗教的な儀礼により、故人の魂をあの世へ送ります
沖縄で多い仏式の葬儀であれば、僧侶による読経供養により成仏を祈り、死者を葬送する儀式です。
沖縄での葬儀とは、本来告別式とは別々に行われるものでした。
①仏式
・僧侶による読経供養
・お焼香
②神式
・神官による祈祷
・玉串奉奠(たまぐしほうてん)
③キリスト教式
・神父(カトリック)、牧師(プロテスタント)
・聖職者による聖書の朗読と祈祷
・献花と祈り
先に遺族のみで火葬を済ませて遺骨の形で行う「骨葬」が多い沖縄では、葬儀とは一般的に翌日の昼頃に始まり、葬儀自体は約1時間~3時間と短いものです。
告別式とは?
●一般参列者が故人に最期の別れを告げる式です
葬儀が宗教的な儀礼として僧侶を中心とした儀式であるのに対して、告別式は喪主やご遺族を中心として行う点が違います。
そのため無宗教など宗教的な葬送を好まない遺族でも、告別式は執り行う家が多いです。
けれども一般的には宗旨宗派に基づき、献花やお焼香、玉串奉奠などを行います。
●火葬後に葬儀・告別式をする場合
①喪主、遺族、一般参列者の着席
・遺族は男性、女性と別れてむかいあって着席
②僧侶の入場
・司会者による開会の挨拶
③僧侶による読経供養
・お焼香
④司会者による閉会の挨拶
⑤告別式開式
上記は沖縄で火葬後に葬儀・告別式を行う際の一般的な葬儀の流れです。
そのまま続けて告別式を行う沖縄の葬儀も多いでしょう。
また最近では初七日法要や四十九日までのナンカスーコー(七日焼香)を、葬儀当日に繰り上げて行う、「繰り上げナンカスーコー(七日焼香)」も見受けます。
・【沖縄の葬儀マナー】数珠の意味とは?数珠の持ち方や選び方、5つの基本マナーを解説!
通夜とは?
●通夜とは、故人を葬送する前に、ご遺族や近しい友人知人が集まり、共に最期の時間を過ごして供養をすることです
その昔の通夜は、一晩通してお線香を絶やさずに番をしながら過ごす「ユートゥージ(夜伽よとぎ)」でしたので、本来は故人のご遺族やごく近しい友人知人のみで行うものです。
●現代は時間を決める、数時間の「半通夜」が多い
・沖縄ではご遺体を前に共に過ごす時間
・葬儀、告別式に先立って行われる
・遺族やごく近しい人のみで行う
「火葬が24時間後までできない」法律ができる以前は、友引など日取りの事情で葬儀ができない時、翌日まで通夜を行っていました。
ただし一般参列者のスケジュール調整を考慮し、現代の沖縄では通夜と葬儀の両日で、一般参列者を受け入れた式を行う家が多いです。
詳しくは後述します。
訃報が届いたら、どこへ参列する?
●知人友人が訃報を知った場合、基本的には告別式に参列します
基本的に知人友人が新聞のお悔み欄などで訃報を知った場合、多くの参列者を受け入れる告別式に参列します。
①通夜と葬儀(告別式)の両日
②告別式のみ参列する
けれども近年の沖縄では、葬儀に続いて告別式を同日に行いますので、個別に訃報ハガキをいただいた場合、双方に案列する流れも多いでしょう。
沖縄では葬儀から告別式へと続けて行う場合、(読経供養を行う)僧侶はそのまま会場に残りますが、葬儀と告別式で一旦休憩を取る場合、一度退場する流れが一般的です。
・【沖縄の葬儀マナー】葬儀の案内状が届いたけど参列できない!対処法と注意点
①通夜と葬儀(告別式)の両日
●通夜と葬儀、両日の日程が案内されている場合、両日参列して問題ありません
ひと昔前の自宅葬が主流だった頃の沖縄では、葬儀や告別式が多くの参列者を受け入れるものであり、通夜(ユートゥージ)はごく近しい遺族のみで過ごす時間でした。
服装も普段着で、訪問客が来ても沖縄では翌日の葬儀の日程を確認しに、近隣の人々が聞きに来る程度でしたが、最近では火葬する以前、ご遺体を前に弔問客を受け入れる半通夜が多いです。
●半通夜は、夜通しではなく約1時間~3時間ほど
①(仏式)僧侶による読経供養
②お焼香
(もしくはご遺体の枕元で手を合わせる)
③通夜振る舞い
通夜振る舞いは現代であれば、オードブルや軽食と飲み物が多いでしょう。
今では斎場で半通夜を行う家が多いですから、会食会場へ案内される流れが多いです。
その昔、平屋の頃に自宅で行う通夜では、お焼香や故人のご遺体に手を合わせた後、男性は一番座へ、女性は二番座へ移動して座るしきたりがありました。
コロナ渦などにより、通夜振る舞いがない半通夜も増えています。
沖縄では通夜と葬儀の両日参列した場合、それぞれ御香典を包む人が多いですが、全国的には通夜のみ、御香典を包みます。
・【沖縄の葬儀マナー】御香典とは?沖縄式と本州式、金額に迷った時の判断基準
②告別式のみ参列する
●新聞のお悔み欄で訃報を知った場合、告別式のみの参列が多いです
従来の沖縄の葬儀(告別式)は、人を限定せず広く弔問客を受け入れる、参列客の人数では100人以上の規模の大きな一般葬スタイルが一般的です。
そのため沖縄では、葬儀(告別式)前日や当日に新聞のお悔み欄で訃報を知り参列する人も少なくありません。
・新聞のお悔み欄で場所や日時を確認する
・告別式の時間内に参列
・お焼香を済ませたらそのまま帰る
・服装は喪服
・御香典の金額目安は、約1千円~3千円
時には一般人でも180人を超える弔問客が訪れる沖縄の葬儀も多いため、お悔み欄で確認して参列する場合は、列に並んでお焼香のみ済ませ、退場する流れの葬儀も多いです。
このような葬儀では御香典返しもないものが多いので、御香典も気を使わせないよう、約1千円~3千円を包みます。
※昔ながらの自宅葬で行う沖縄の葬儀に出くわした場合、基本的には通夜(ユートゥージ)は遺族のみで、故人と寄り添う時間です。
知人友人は参列を控え、翌日の告別式に参列してください。
・【沖縄葬儀の種類】家族葬や一般葬・一日葬など、規模が違う7つの種類
最後に
以上が、沖縄の葬儀とは?告別式と通夜の違いです。
従来の沖縄では葬儀(告別式)のみの参列が一般的でしたが、近年は人数を限定した家族葬なども増え、通夜と葬儀、両日の葬儀案内状も増えました。
葬儀案内状に通夜と葬儀、両日の日程が記載されているのであれば、どのいずれか、もしくは両日とも参列して問題はないでしょう。
このような場合、現代では通夜でも葬儀でも、どちらも喪服を着用することが多いです。
けれどもひと昔前の沖縄の葬儀では、通夜の参列時には地味な色目の服装「平服」とされました。
昔ながらの沖縄の一般葬で、故人とごく近しい間柄として通夜に参列するのであれば、平服を着用しても、良いかもしれません。
・【沖縄の葬儀マナー】参列時の服装マナーとは?現代の喪服と平服の着分け方
まとめ
沖縄の葬儀とは?通夜、告別式との違い
●葬儀とは
・葬儀…宗教的な儀礼で魂をあの世へ送る
・告別式…参列者が最期の別れを告げる式
・通夜…葬送する前、最期の時間を過ごし供養する●訃報が届いたら
・告別式に参列する
・通夜と葬儀両日に参列する
(葬儀案内状に記載されていれば参列する)