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お葬儀の豆知識

2023/02/11

沖縄のスーコー(焼香)とは。本州で行う法要との違いや、行う年忌を解説

沖縄のスーコー(焼香)とは。本州で行う法要との違いや、行う年忌を解説
沖縄のスーコー(焼香)とは、全国的な法要を差します。
基本的には全国的な法要と同じように、沖縄でもスーコー(焼香)を進めますが、広く法要を行う年忌などが、全国的なものと少しずつ違うものもあるでしょう。

・沖縄のスーコー(焼香)とは?
・沖縄のナンカスーコー(七日焼香)とは?
・沖縄のニンチスーコー(年忌焼香)とは?

今回は沖縄で行うスーコー(焼香)について、ナンカスーコー(七日焼香)や執り行う年忌本州との違いなど、概要をお伝えします。
 

沖縄のスーコー(焼香)とは?

沖縄のスーコー(焼香)とは?
●沖縄のスーコー(焼香)とは、仏様を供養するもので、全国的な法要と同じです

昔ながらの沖縄のスーコー(焼香)では、家付きのユタさんやノロをお呼びして、沖縄独自の御願儀礼を行う家や、自分達だけで執り行う家も多くありました。

けれども最近では全国的な法要と同じく、僧侶を招いて読経供養を執り行う家がほとんどです。
 

<沖縄のスーコー(焼香)とは?>
●沖縄のスーコー(焼香)は、主に2種類に分かれます。
①ナンカスーコー(七日焼香)
②ニンチスーコー(年忌焼香)

 
昔ながらの沖縄では家族が亡くなると、通夜・葬儀の後、すぐに納骨式が行われ、翌日から毎日お墓参りに行く「ナーチャミー(七日間)」が行われていました。

ナーチャミー(七日間)の後、最初のナンカスーコーにあたる「ハチナンカ(初七日)」が執り行われ、以降の法要が沖縄のスーコー(焼香)です。

※その昔は死に戻り「グソームドゥイ」の確認のためにナーチャミー(七日間)が行われてきましたが、現代ではナーチャミーの風習はほとんど見受けられません。
 

①ナンカスーコー(七日焼香)

2023年の清明祭(シーミー)はいつ?
●沖縄のナンカスーコー(七日焼香)とは、故人が亡くなってから四十九日まで、七日ごとに執り行われる供養儀礼です

数え方は、故人が亡くなった日を一日と数えて七日目が「ハチナンカ(初七日)」、その次からは翌日から七日間を数えます。

そのため、翌週からは曜日が一日前になりますね。
また沖縄のナンカスーコー(七日焼香)は、偶数週奇数週で少しだけ風習が違います。
 

<沖縄のスーコー(焼香)とは:ナンカスーコー>
●ウフナンカ(奇数週)…弔問客を迎え入れる
・ハチナンカ(初七日)
・ミナンカ(三七日)
・イチナンカ(五七日)
・シジュウクンチ(四十九日/七七日)

●マドゥナンカ(偶数週)…家族のみで執り行う
・タナンカ(二七日)
・ユナンカ(四七日)
・ムナンカ(六七日)

 
全国的にも週忌法要はありますが、家族のみで静かに行うことが多いでしょう。

沖縄では四十九日までの故人の魂は、お墓と仏壇(家)を行き来する不安定な存在だとして、四十九日まではナンカスーコー(七日焼香)は大切な位置づけでした。

ただ沖縄でも自宅でスーコー(焼香)を執り行う家が少なくなり、葬儀後や初七日の日に四十九日までのナンカスーコーを繰り上げて行う「繰り上げナンカスーコー」も多く見受けます。
 

沖縄のニンチスーコー(年忌焼香)とは?

沖縄のニンチスーコー(年忌焼香)とは?
●沖縄のニンチスーコー(年忌焼香)とは、イヌイ(一年忌)以降、命日に行います

全国的な周忌法要にあたり、沖縄のスーコー(焼香)では、ナンカスーコー(七日焼香)・百か日に続いて行う、イヌイ(一年忌)以降です。

また沖縄のニンチスーコー(年忌焼香)は、前半のワカスーコー(若焼香)と、後半のウフスーコー(大焼香)に分かれます。
 

<沖縄のスーコー(焼香)とは:ニンチスーコー>
☆ここでは、2022年に亡くなった場合です。

●ワカスーコー(若焼香)…故人の追善供養
・イヌイ(一年忌)…1年目(翌年)、2023年
・サンニンチ(三年忌)…2年目(翌々年)、2024年
・シチニンチ(七年忌)…6年目、2028年
・ジュウサンニンチ(十三年忌)…12年目、2034年

●ウフスーコー(大焼香)…お祝い行事
・ニジュウグンチ(二十五年忌)…24年目、2046年
・サンジュウサンニンチ(三十三年忌)…32年目、2054年

 
ワカスーコー(若焼香)は追善供養、ウフスーコー(大焼香)はお祝い行事なので、大きく違う点はお供え物などが弔事用か慶事用かの違いです。

・ワカスーコー(若焼香)…弔事用
・ウフスーコー(大焼香)…慶事用

全国的な流れと同じように、現代では繰り上げて弔い上げを行う家が多いですが、昔ながらの沖縄ではサンジュウサンニンチ(三十三年忌)が一般的な弔い上げでした。

そのためサンジュウサンニンチ(三十三年忌)は、沖縄で終わりのスーコー(焼香)として、「ウワイスーコー(終わり焼香)」などとも呼ばれます。
 

全国と沖縄のニンチスーコー(年忌焼香)

●沖縄のニンチスーコー(年忌焼香)は命日当日、もしくは命日よりも遅い日程で行います

全国的にも沖縄でも、ニンチスーコー(年忌焼香)は命日当日に執り行うことが最も好ましいですが、一般的に命日近くの週末など、参列者がスケジュールを調整しやすい日程で調整しますよね。

この時、全国と沖縄では決まり事が正反対になるので注意をしてください。
 

<沖縄のスーコー(焼香)とは:日程の決まり事>
●全国的な周忌法要
・命日
命日までに執り行う

●沖縄のニンチスーコー(年忌焼香)
・命日
命日以降に執り行う

 
全国的には命日に周忌法要ができない場合、命日より前に済ませることを良しとします。
けれども沖縄では、「早めに済ませることは良くない」として、命日よりも後に日程を調整するのが決まり事です。
 

全国的な周忌法要

●全国的な周忌法要では、十三回忌以降の年忌が少し違います

沖縄のニンチスーコー(年忌焼香)は、ワカスーコー(若焼香)が4回、ウフスーコー(大焼香)が2回ですが、全国的な周忌法要では、執り行う年数などが少し違うでしょう。

最近では全国的なしきたりに倣い執り行う法要も増えているので、法要を執り行う回忌を確認して進めるようにしてください。
 

<全国的な周忌法要>
☆ここでは、2022年に亡くなった場合です。

一周忌…1年目(翌年)、2023年
三回忌…2年目(翌々年)、2024年
七回忌…6年目、2028年
・十三回忌…12年目、2034年
十七回忌…16年目、2038年
・二十三回忌…22年目、2044年
・(浄土真宗)二十五回忌…24年目、2046年
・二十七回忌…26年目、2048年
三十三回忌…32年目、2054年
・三十七回忌…36年目、2058年
・五十回忌…49年目、2071年

 
全国的にも広くは三十三回忌を弔い上げとする家が多いでしょう。
最近では十三回忌や十七回忌で「繰り上げ周忌法要」を執り行い、弔い上げとする家も増えました。

また浄土真宗では二十三回忌や二十七回忌法要は執り行わずに、二十五回忌法要を執り行います。
 

スーコー(焼香)の準備

スーコー(焼香)の準備
●現代の沖縄では、スーコー(焼香)のほとんどが僧侶による読経供養です

そのため現代の沖縄でスーコー(焼香)を執り行う施主は、僧侶へ読経供養を依頼するとともに、ご案内する参列者と人数の決定、会食の有無などを確認します。
 

<沖縄で行うスーコー(焼香)の準備>
(1)日時と場所を決める
・命日、もしくは命日以降
・自宅か別会場か
※別会場…斎場、寺院、霊園のフリースペースなど

(2)僧侶へ読経供養の依頼
・スケジュール調整

(3)参列者にご案内する
・御案内状があると丁寧

(4)お供え物やふるまい(仕出し弁当)の手配
・仕出し料理屋

(5)引き物の手配

 
沖縄のスーコー(焼香)では、読経供養の後に仕出し弁当をふるまう家が多いですが、全国的な風習に倣い、ホテルなどで会食の場(お斎)を設ける家もあるでしょう。
この場合には会食会場の手配も行います。

ただ近年では会場の確保や、僧侶やお供え物、参列者へのふるまい(仕出し弁当)、引き物の手配などを一括して、セレモニー業者に依頼する家も多いです。
 

四十九日までに施主が行う準備に関しては下記をご参照ください。
【沖縄の葬儀】喪主が葬儀後、四十九日法要までに行う5つの事柄|その1

 

最後に

以上が沖縄のスーコー(焼香)の概要と、全国的な法要との違い、準備の流れです。
現代の沖縄では、昔のようにスーコー(焼香)を自宅で執り行う家も少なくなりました。

そこで霊園などにお墓がある家では、霊園施設のフリースペースや斎場など、貸会場を利用したスーコー(焼香)も増えています。

一方、現代の沖縄でスーコー(焼香)のご案内があった時には、御香典(約三千円~五千円)を持参して、三回忌までは略喪服を着用すると安心です。

ご案内時に「平服でお越しください」と指定があった場合や、身内のみの沖縄のスーコー(焼香)、七回忌以降では、地味な色目のスーツやアンサンブルなどの平服を着用しても良いでしょう。
 

まとめ

沖縄のスーコー(焼香)とは
・全国的な法要にあたる
・仏様を供養する儀礼

●ナンカスーコー(七日焼香)
・四十九日まで7日ごとのスーコー
・ウフナンカ…奇数週、弔問客を受け入れる
・マドゥナンカ…偶数週、家族のみ

●ニンチスーコー(年忌焼香)
・1年後以降のスーコー(焼香)
・ワカスーコー(若焼香)…十三年忌まで
・ウフスーコー(大焼香)…三十三年忌まで

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