お葬儀の豆知識
2023年の春彼岸はいつ?沖縄の春彼岸では、お墓参りをしないって本当?
2023年の春彼岸は3月18日(土)~24日(金)、中日である春分の日は3月21日(火)です。
全国的にお彼岸はお墓参り行事として知られますが、沖縄では翌月4月頃に来る清明祭(シーミー)こそ、盛大なお墓参り行事として知られていますよね。
・そもそも「お彼岸」とは?
・2023年の春彼岸はいつ?
・沖縄の春彼岸は何をするの?
今回は、沖縄で行う2023年の春彼岸について、いつ・どこで・どのような事柄を行うのか、について解説します。
そもそも「お彼岸」とは?
●全国的に「お彼岸」とは、あの世とこの世(彼岸と此岸)が繋がる日です
お彼岸の中日となる春分の日・秋分の日は、それぞれ春から夏、秋から冬への変わり目で、真東から真西に太陽が移動し、昼と夜が同じくらいの長さになります。
ちなみに沖縄で「お彼岸」は、下記のように呼ぶ地域もあるでしょう。
・ヒングヮン/ピンガン(彼岸)
・ンチャビ/ウンチャビ(御三日日)
そこで西方浄土へ繋がるあの世(彼岸)とこの世(此岸)が最も近くなるとされ、「故人やご先祖様と繋がる」として、先祖供養を行う1週間とされました。
・春分の日/秋分の日の前後3日間を加えた7日間
・あの世とこの世が繋がる
・先祖供養の期間
全国的には春と秋のお彼岸時期にお墓参りを行い、ご先祖様や故人の供養を行います。
また春分の日/秋分の日は、日本独自の季節を掴む「雑節(ざっせつ)」の節目なので、全国的には季節を感じる食べ物をいただきます。
・ぼたもち(秋はおはぎ)
・山菜そば、うどん
・彼岸だんご
・小豆粥
…などなどです。
ぼたもちはおはぎは小豆を使用しますが、この小豆の赤い色が悪霊・悪疫祓いの効果があるとして、小豆粥とともに行事食として親しまれてきました。
その昔、収穫時期だった秋には美味しく粒のままいただく(半殺し)、粒あんの「おはぎ」、数か月貯蔵された後、しっかりと潰していただく(全殺し)、こしあんの「ぼたもち」をいただきます。
2023年の春彼岸はいつ?
●2023年の春彼岸は3月18日(土)~24日(金)、春分の日は3月21日(火)です
土葬の風習があった本州では、全国的にいつでも気軽にお墓参りに行きますが、風葬の歴史がある沖縄では、お墓参り行事以外に気軽にお参りすることを、あまり良しとしませんでした。
そのため多くの沖縄本島では、来る清明祭(シーミー)に向け、この時期にお仏壇に向かって供養をする「ウチマチ(内祀り)」の風習を持つ地域が多いです。
・春彼岸の入り…3月18日(土)
・春分の日…3月21日(火)
・春彼岸の明け…3月24日(金)
2023年の現代、お仏壇への春彼岸供養では、中日にあたる春分の日をご先祖様供養に専念し、前後三日間をそれぞれ仏教修行の六行「六波羅蜜(ろくはらみつ)」を意識するとも言われます。
・3月18日(土)…布施(ふせ)波羅蜜…お供え物
・3月19日(日)…持戒(じかい)波羅蜜…お線香
・3月20日(月)…忍辱(にんにく)波羅蜜…供花
・3月21日(火)…先祖供養
・3月22日(水)…精進(しょうじん)波羅蜜…香り(塗香)
・3月23日(木)…禅定(ぜんじょう)波羅蜜…仏飯
・3月24日(金)…智慧(ちえ)波羅蜜…ロウソク
在宅で行う仏道の修行「六波羅蜜」と言われますが、お彼岸で行う六波羅蜜は日々のお世話を意識しながら行うものです。
今年はぜひ、意識しながら拝んでみてはいかがでしょうか。
沖縄の春彼岸は何をするの?
●沖縄でもお彼岸にお墓参りを行う地域はありますが、現代では仏壇を前にご先祖様供養をする「ウチマチ(内祀り)」がほとんどです
また2023年現代も続く沖縄の春彼岸の風習として、「ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)」があります。
家を掃除して屋敷に住まう四方八方の神様へお参りをするのですが、その昔は十か所の神々様へ巡っていたので、マンションも多い現代では、簡易的なヤシチヌウグァン(屋敷の御願)も増えました。
①ウチマチ(内祀り)…お仏壇への先祖供養
②ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)…屋敷の神々様への巡拝
またヒヌカンのある家では、彼岸入り・中日・彼岸明けの3回や、毎日7回など、地域によって頻度は違いますが、お彼岸期間であることのご報告も行います。
①ウチマチ(内祀り)
●慶事用のご馳走「ウサンミ(御三味)」をお供えして拝み、ウチカビを焚く流れです
ウサンミ(御三味)とは、重箱料理のおかずです。
もともとは中国から伝わる、宗廟(神様)へ供える三種のいけにえ「三牲(さんせい)」として、生き物の肉「牛・豕(ぶた)・羊」「豕(ぶた)・鶏・魚」「牛・羊・豕(ぶた)」とされましたが、沖縄では「海の幸・山の幸・地の幸」として広がりました。
重箱料理でお供えしても良いですし、最近ではお皿に盛りつけて供える家も増えました。
お彼岸は「彼岸祭」なので慶事用で準備します。
ただし家族が亡くなって1年経っていない喪中の家は、弔事用で整えてください。
(1)ヒヌカンへお線香を供えてご報告
・15本御香(沖縄線香は2枚半)
(2)仏壇へお供え物を供える
・ウサンミ(御三味)
・おもち
・ウチカビ
※お菓子や果物を供えても良い
(3)お線香を供えて拝む
・家長…12本御香(沖縄線香は2枚)
・その他…3本御香(沖縄線香は半分)
(4)ウチカビを焚く
・家長…5枚
・その他…3枚
※灰は玄関先などに撒く
(5)ウハチ(お初)を供える
●下記どちらの方法でも良い
・重箱料理であれば、お皿に取り分けて供える
・ウチカビを焚いたボウル(カビアンジ)に入れる
(6)ウサンデー
・お供え物を下げたご馳走をいただく
※最近では別にご馳走を用意していただく
近代では家によって異なりますが、ご先祖様のお仏壇を祀る本家(ムートゥーヤー)に分家の人々が集まり、本家(ムートゥーヤー)の家長を中心に拝む流れが一般的でしょう。
ウチマチ(内祀り)は春分の日が理想的です。
②ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)
●ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)では、家を掃除した後、屋敷を守護する神々様へ拝みます
昔ながらの沖縄のヤシチヌウグァン(屋敷の御願)では、トイレや門前、家の中央など六神様10カ所へ拝みますが、マンションなども増えた現代では、玄関先もしくはトイレに向かって拝む家が多いです。
・玄関先…トゥハシラヌカミ(戸柱の神)
・トイレ…フールヌカミ(トイレの神)
本格的なヤシチヌウグァン(屋敷の御願)は奥が深いため、今回は現代増えたトゥハシラヌカミ(戸柱の神)への拝みをご紹介します。
(1)玄関を開け、玄関先にお供え物を供える
・お酒
・お米(乾いた米×2、濯いだ米×1)
・ウチャヌク(三段のもち)
(2)家長を中心に拝む
●「お通しをしている」と報告すると良い
・住所と家族の氏名、干支
・感謝
・祈願
…以上です。
ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)の前に家の掃除を行っていることを前提としています。
またヒヌカンのある家では、ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)の前にヒヌカンへ拝み、「本日ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を行うので無事に済ませますよう、お見守りください。」と、ご報告すると良いでしょう。
最後に
以上、2023年の春彼岸、3月18日(土)~24日(金)の拝み方や進め方をお伝えしました。
今回はお仏壇を前に行う先祖供養「ウチマチ(内祀り)」を中心にお伝えしましたが、お墓参りに行く家もありますし、地域によっても違うでしょう。
古くからの沖縄では春彼岸はウチマチ(内祀り)、秋彼岸はフカマチ(外祀り)と言って、秋彼岸にはお墓参りに行く風習を持つ家や地域も多くありました。
・2023年沖縄のお墓参り清明祭(シーミー)はいつ?進め方も解説!
まとめ
2023年の春彼岸、沖縄では何をするの?
●2023年の春彼岸は3月18日(土)~24日(金)
・お彼岸とはあの世とこの世が繋がる日
・春分/秋分の日の前後3日、合計7日間●沖縄の春彼岸とは
・現代は仏壇前での先祖供養が多い
・屋敷の御願を行う