お葬式の豆知識
葬儀保険のメリット・デメリットと注意点|後悔しないための保険選びのコツ
「いざという時に困らないように」と備える人が増えている葬儀保険。少額から手軽に始められ、高齢になっても加入しやすいことから、終活の一環として注目されています。一方で、「掛け捨てだから損じゃないか?」「本当に必要なの?」といった不安の声も少なくありません。
この記事では、葬儀保険のメリット・デメリットを正しく理解し、失敗しない選び方のポイントと注意点をわかりやすく紹介します。自分や家族にとって本当に必要か、検討材料としてお役立てください。
葬儀保険のメリット
葬儀保険は、生命保険や互助会とは異なる特徴を持った目的特化型の保険です。主に以下のようなメリットがあります。
<葬儀保険のメリット> | |
①月々の保険料が手頃 | 月500円~2,000円程度 |
②医師の診査が不要で加入しやすい | 持病のある人も加入ができる |
③加入年齢の上限が高い | 80歳以上も加入できる商品など |
④保険金の支払いが早い | 葬儀の費用にすぐ充てられる |
⑤柔軟な使い方ができる | 保険金の用途が葬儀社に限定されない |
① 月々の保険料が手頃
多くの商品は月500円~2,000円程度で加入でき、年金生活でも無理なく継続できます。
② 医師の診査が不要で加入しやすい
健康状態に関係なく加入できるものが多く、持病がある方や高齢者にもハードルが低いのが特徴です。
③ 加入年齢の上限が高い
中には89歳や99歳まで加入可能な商品もあり、「今さら保険は難しい」と思っていた方でも検討しやすくなっています。
④ 保険金の支払いが早い
支払い申請から数日以内に保険金が下りるケースも多く、葬儀の費用にすぐ充てられるのが実用的なポイントです。
⑤ 柔軟な使い方ができる
保険金の用途が葬儀社に限定されないため、どの葬儀社を利用しても自由に費用として使えます。
葬儀保険は終活の一環で加入する、高齢者の加入希望が多い傾向ですが、なかには89歳の人でも加入できる、医師の診査が不要な保険商品もあるので、ご自身や家族の要望にあった保険を選びましょう。
葬儀保険のデメリット
一方、葬儀保険には注意すべきデメリットも存在します。特に「掛け捨てであること」に起因するリスクには要注意です。
<葬儀保険のデメリット> | |
①途中解約で保険料は戻らない | 掛け捨て型なら解約しても払い損の可能性も |
②長期加入は向いていない | 元本割れのリスク |
③保障期間が限定的 | 一生涯の保障ではない |
④加入後の条件変更が難しい | 契約条件を見直しが難しい |
① 解約返戻金がない(掛け捨て型)
途中で解約してもお金は戻らず、「払い損」になる可能性があります。長期契約になればなるほど損失が大きくなる場合も。
② 長期加入には向いていない
10年、20年と長期間にわたって保険料を払い続けると、総額が保険金を上回ってしまう「元本割れ」のリスクがあります。
③ 保障期間が限定的
多くは1~2年更新型で、解約や更新忘れ、契約期間満了などのタイミングで補償を受けられないこともあります。
④ 加入後の条件変更が難しい
年齢による保険料の上昇、更新不可年齢など、後から契約条件を見直すのが難しい商品もあります。
このようなことから葬儀保険は年配の方で、自身の葬儀費用に備えることが目的とする人々に向いています。
加入時の注意点
デメリットを踏まえても、正しい選び方と注意点を押さえれば、葬儀保険は有効な備えとなります。以下のようなポイントを確認しましょう。
◇加入前に「必要性」を見極める
すでに生命保険で死亡保障が備わっている場合、葬儀保険が重複する可能性もあります。既存の保障と照らし合わせて、本当に必要かを判断しましょう。
◇経済的な余裕を考慮する
年齢が上がるにつれ保険料も上がることがあるため、将来の年金額や生活費とのバランスを確認して、無理のない金額を選びましょう。
◇「現金がすぐ支給される保険」を選ぶ
多くの葬儀費用は現金一括払いが基本です。保険金の支給タイミングが遅れると、遺族が一時的に立て替える必要が出てきます。
◇保険会社の信頼性をチェックする
葬儀保険の多くは「少額短期保険業者」によって提供されています。これらの業者は、生命保険会社とは異なりセーフティーネット制度の対象外であることに注意しましょう。
少額短期保険業者のリスクと対処法
●葬儀保険にはセーフティーネットが存在しない?
葬儀保険の多くは、少額短期保険業者によって提供されているため、契約者を保護する仕組みであるセーフティーネットが存在しません。もし生命保険会社が破綻した場合、セーフティネットがありますが、少額短期保険業者はその対象外です。そのため、少額短期保険業者が経営破綻した場合は生命保険のような補償がなく、契約者自身がリスクを負う必要があります。
<葬儀保険の注意点>
・経営的に安定している少額短期保険業者を選ぶ
・財務諸表が公開されていれば内容を確認する
しかし前事業年度の年間受取保険料に応じた供託金が義務付けられているため、過度に不安になる必要はありません。また、少額短期保険業者には一定の資本要件や監督指導が課せられているため、「すぐ倒れる」といった極端な不安は必要ありませんが、業者選びには慎重さが求められます。
<リスクを抑えるためのチェック項目>
・財務諸表を公開しているか
・受取保険料額に応じた供託金の有無
・口コミや評判が良いか
・長年の運営実績があるか
このほか、インターネットで調べて信頼性のある口コミや評判を参考にするのも一案です。
まとめ
葬儀保険は、「備えたいが、保険料を抑えたい」「今からでも間に合う保険を探している」方にとって、非常に現実的な選択肢です。一方で、掛け捨て・元本割れ・保障期間の限界といった注意すべき点もあります。
だからこそ、加入前には「必要性」「予算」「保障内容」「業者の信頼性」をしっかりと見極めましょう。家族に迷惑をかけたくない、万が一の時の安心を確保したい。そんな思いに応える保険として、葬儀保険は今後ますます注目されていくでしょう。