お葬式の豆知識
葬儀で喪主があいさつする場面別の文例をご紹介!
葬儀を執り行う時、喪主はあいさつをする場面がたくさんあります。参列者へのあいさつ、僧侶へのあいさつ、世話役や葬儀スタッフなど、多くの人たちにあいさつする場面が多いので、どんな言葉であいさつをすればよいのか悩む方も多いかと思います。今回は喪主があいさつする場面に応じた文例をご紹介していきます。本記事を参考にして参列者や僧侶に適切な言葉であいさつができるように努めましょう。
葬儀で喪主があいさつする6つのタイミング
葬儀で喪主があいさつをするのは、告別式が終了するタイミングが主ですが、それ以外にもあいさつをしなければいけないタイミングがあります。僧侶のお出迎え時、読経供養のお礼としてお布施をお渡しする際の言葉、サポートいただいた皆様へのお礼の言葉も必要です。
<沖縄で喪主あいさつ6つのタイミング>
①僧侶のお迎え
②葬儀終了のあいさつ
③僧侶へお布施をお渡しする
<会食がある場合>
④会食(お斎)が始まるあいさつ
⑤会食(お斎)が終わるあいさつ
⑥世話役、スタッフへお礼のあいさつ
沖縄の一般葬では、葬儀や告別式の後に会食(お斎/おとき)をすることは少なかったのですが、近年では小さな葬儀を行って葬儀や告別式後に食事を振る舞う会食を行うご遺族も増えてきたので、会食の始まりと終わりに喪主のあいさつを行うことが増えました。
喪主のあいさつ6種類の文例
①僧侶のお迎え時のあいさつ
近年の沖縄の葬儀では通夜から僧侶を呼び読経供養する流れが一般的になっているので、僧侶が葬儀会場に到着したら、葬儀社スタッフとともに喪主がお迎えとお見送りをしながらごあいさつをするのが理想です。
<僧侶をお迎えする時のあいさつ文例>
「おはようございます。
昨日は大変心のこもったお勤めと御法話をいただきまして、誠にありがとうございました。
本日もどうぞ、よろしくお願いいたします。
開会まで暫く間がありますので、どうぞ控室でお待ちください。
開会近くなりましたら、お迎えにあがります。」
②葬儀終了のあいさつ
沖縄では葬儀終了後、告別式開式前に喪主のあいさつを行います。続く告別式では喪主のあいさつは行わず、司会者による閉会の言葉のみで締める葬儀が一般的でしょう。葬儀終了のあいさつ文例は以下です。
<葬儀終了のあいさつ文例>
「本日はお忙しいところ、母○○○○の葬儀・告別式にご参列いただき、誠にありがとうございました。
(晩年の様子を参列者にご報告する場合)
母は長い闘病生活を送り、入退院の月日を過ごしておりましたが、回復の兆しも見えた矢先のことで、誠に残念です。享年○○歳でした。
入院中は皆さまからたくさんのお見舞いをいただきまして、誠にありがとうございました。皆さまのご厚情のお蔭で、母も穏やかな入院生活を送り、充実した人生だったと思います。
今後とも変わらぬご指導、ご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。本日は誠に、ありがとうございました。」
③僧侶へお布施をお渡しする時のあいさつ
葬儀・告別式の終了後、控室で僧侶へお礼とともにお布施をお渡ししますが、中には別日にお布施を受け取る僧侶もいます。これはお布施があくまでも布施行(財施)であり、読経供養の料金ではないという仏教の考え方なので、その場合には別日に改めて、寺院までお礼のごあいさつに伺いましょう。
<お布施をお渡しする時のあいさつ文例>
「昨日・本日と真心のこもったお勤めと御法話を誠にありがとうございました。
お蔭さまで、無事に葬儀まで執り行うことができました。
こちらは、私どもの気持ちでございますので、どうぞお受け取りください。」
④会食(お斎)が始まる時のあいさつ
沖縄では、会食(お斎)の場を設ける場合、会食開始の喪主のあいさつに続いて献杯が行われることも多いです。この場合は、事前に献杯をお願いできる人を決めて依頼しておくと良いでしょう。献杯をしていただいた人には、お帰り時に心ばかりのお礼(約1千円~3千円ほど)を包んでお渡しします。
<会食開始のあいさつ文例>
「昨日・本日、皆さまにはお通夜と葬儀・告別式と、お忙しいにも関わらずひとかたならぬお世話になり、誠にありがとうございました。
お蔭さまで、皆さまに最後までお立合いいただきながら、無事に葬儀を終えることができました。故人もさぞ、感謝していることかと思います。
ささやかではございますが、皆さまへの感謝の一席を設けました。
故人の思い出話をいただきながら、どうぞゆっくりと、お召し上がりください。
続きまして○○様、献杯のご発声をお願いいただけますでしょうか。」
⑤会食(お斎)が終わるあいさつ
会食(お斎)終了時のあいさつ後にはスーコー(焼香/法要)のご案内も添えるようにしましょう。昔の沖縄では、葬儀後のスーコー(焼香/法要)はハチナンカ(初七日)の他にも、奇数週のナンカスーコー(七日焼香)も弔問客を受け入れてきました。ただ近年では、会場を借りたスーコー(焼香/法要)が増えたことなどから葬儀で「繰り上げ」る家が多く、葬儀後は四十九日法要のご案内が多いです。
<会食終了のあいさつ文例>
「本日は、皆さまにはお忙しいところを、最後までお立合いいただき、心よりありがとうございました。
席上では、家族の私たちも知ることのない、さまざまな母の顔を伺うことができました。もっともっと思い出話を伺いたいところではありますが、夜も更けて参りました。
本日はこの辺りで終了とさせていただきます。
尚、次回四十九日法要は〇月〇日と考えておりますので、どうぞ、今後ともよろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
足元が暗くなっておりますので、どうぞお気を付けてお帰りください。」
⑥世話役、スタッフへお礼のあいさつ
友人知人などへ世話役などを依頼した場合、感謝を伝えて心ばかりのお礼を包みます。世話役の人々へのお礼は一般的に約1千円~3千円ほどですが、世話役を取りまとめる世話役代表・葬儀委員長がいらっしゃる場合には、約5千円ほどを包むこともあります。後日お礼に伺う際には、ハチナンカ(初七日)までにはお礼のごあいさつを済ませられると良いでしょう。
<世話役、スタッフへのあいさつ文例>
「昨日・本日と、お忙しいなかでのお手伝い、多大なご尽力をいただきありがとうございました。
お蔭さまで無事に、滞りなく葬儀を執り行うことができました。
ほんの心ばかりですが、お礼をご用意しましたので、どうぞお受け取りください。」
まとめ
以上、葬儀での喪主あいさつの文例はいかがでしたか?会食の有無で喪主があいさつする場面は変わってきますが、近年は小さな規模のお葬式を行い、約30人程度の少人数で葬儀後の会食(お斎/おとき)を準備するご家族も増えてきました。ちなみに本土では葬儀後に会食を行うのは古くからの慣習で、四十九日法要を迎えるまでは、故人が浄土に行けるように肉や魚などを使用しない精進料理を食べるのが一般的です。四十九日法要を迎えると通常の食卓に戻しますが、これを「精進落とし」と呼びます。