お葬式の豆知識
葬儀の席順で喪主が配慮する5つのこと
あなたがもし喪主になったら葬儀の座席はどのように決めますか?喪主となったら様々なことをしなければなりませんが、葬儀会場での席順はみなさん頭を悩ませる問題です。故人が勤めていた会社の偉い人は?故人の親友?元妻?いったい誰を優先させて何に配慮すればいいのでしょう?
今回は葬儀の席順で喪主が配慮すべき5つのことについてお伝えしていきます。知っておくといざという時に役に立ちますよ!
葬儀会場の基本配列と席順の決め方
葬儀会場は祭壇を中心に左右に座席が配置されることが大半です。どのように座るのがよいのか基本の配列と席順の決め方についてをまずは知っていきましょう。
●葬儀会場の基本
・祭壇に向かって右側が血縁関係者
・祭壇に向かって左側が一般参列者
・祭壇のある中央側が上座
・廊下側が下座
●葬儀の席順の決め方
<血縁関係者側>
・血縁関係の濃い人
<一般参列者側>
・世話役
・知人友人
・会社関係者
上記のように、祭壇に向かって右側が血縁者、左側は一般参列者ということは基本的に決まっています。さらに祭壇に向けて中央側の席が上座、廊下側が下座になるので、左右とも優先度の高い参列者が中央寄りに座り、関係の薄い順番に外側に座っていくようになります。
さらに沖縄の一般葬(骨葬)では、親族席と一般席とに分かれて座ります。焼香台もそれぞれ設けられ、親族席は一般参列者の焼香テーブルより祭壇側のほうへ準備されます。また、祭壇に向かって右手に男性、左手に女性、その中で関係の近い人が祭壇寄りに座りますので、葬儀のスタイルに合わせて席順は配慮するようにしましょう。
このように参列者との関係性で座席を決めていきますが、その中に高齢者がいる場合には体調や不自由さに配慮しながら席順を決めていきましょう。
喪主が葬儀の席順で配慮する5つのこと
①弔問客の席順
沖縄の葬儀では新聞などでお悔やみを出すことが多いため、誰が当日来るか全体的な把握は難しいでしょう。そのため、喪主が席順を決めるのは上座だけの場合が多いので、一般参列者は下座から座る傾向があります。ですので上座がガラガラにならないように弔問客には席を詰めてもらう配慮をしなくてはなりません。下座に参列者が集中してしまった場合には、中央席まで移動してもらうように葬儀スタッフに声がけをしてもらうとよいでしょう。
②「上座」に座る人を決める
現代の葬儀では葬儀社スタッフが全てを取り仕切る場合が大半ですが、その昔はご近所様(隣組)や故人と親しくしていた知人友人などが取り仕切る葬儀も多くありました。そのため、今でも沖縄の地方では世話役をお願いした場合には、その方を一般参列者の上座にご案内します。他にも上座に座る人には、世話役代表(葬儀委員長)、弔事を読む人、親しい知人友人、職場関係者、のように世話役の次は弔事を読む人が優先されるなど、葬儀の進行に当たって喪主が何かを依頼した人が座ります。
また故人がお世話になっていた恩師や、会社関係の場合、同僚は下座・職場関係は上座にすると相手に失礼がありません。
③故人の意思が大切
②の次に上座に座ってもらう一般参列者には故人の意思を尊重した席順にしましょう。具体的には故人との関係が深い人物を、例えば故人がお世話になった会社関係者(役員)がいるのならそちらの方々を上座にご案内してください。
④欠席の参列者は席を空けておかない
欠席している参列者の席は空けなくても構いません。例えば仕事や病気で当日来れなくなった場合でも、席を空けておく必要はありません。ご案内を送った方だとしても開始30分前に連絡がなければ、欠席とみなし席を詰めてもらいましょう。何にしても上座の空席は避けることを優先するようにして、もし不在の場合にはあらかじめ詰めてもらうことを参列者に説明しておきましょう。
⑤参列者の体調への配慮
葬儀へ安心して参列してもらえうため、参列者の体調や体の具合についても配慮しながら席順を決めていきましょう。上座に配列したい方でも、足や目が不自由だったり妊娠していたりといった場合には無理に上座に座らせる必要はありません。あくまでもご本人の希望によって席を交換してあげることも喪主として配慮すべきことのひとつです。例えば足が不自由な方であれば、出口に近い、お手洗いに近いといったことも気にかけて、動きやすい席を提供してあげましょう。
・お手洗いが近い席
・万が一の場合、出口が近い席
<席順で喪主が配慮する事柄>
①弔問客の席順ルールに従う
②「上座」に座る人を決める
③故人の意思が大切
④欠席の参列者は席を空けておく必要がない
⑤参列者の体(体調)への配慮
など、それぞれに合った配慮を考える必要があります。またお子様連れの人がいた場合も、お子様のトイレや世話のためにすぐに廊下に出ることができるよう、廊下側の席をご案内しても良いでしょう。
また乳児などお世話が必要な場合、お世話用の控室をひと部屋、用意するのも良いです。この場合、赤ちゃんのお世話がしやすいよう、畳間が良いかもしれません。
まとめ
今回は、喪主が迷いやすい沖縄の葬儀での席順についてお伝えしました。基本的に、沖縄の葬儀においての席順は社会的地位ではなく、故人との関係性から見て上座・下座を決めます。また沖縄の葬儀では、血縁の濃い人から右側に座るようにする判断が一般的です。
そのため喪主としては、一般参列者の人でも故人とどのような関係性だったのかを判断しなくてはならない点は、迷いやすいかもしれません。ただ喪主にも分からない場合は、相手も理解してくれることが多いので、でき得る限りの配慮でも、問題はありません。
最近ではホテルで行う会費制の自由葬など形式ばらない葬儀も増えています。このような葬儀の場合、いくつか用意された丸テーブルに、参列者が自由に席を選ぶようなスタイルなので席順に悩むようならこういった新しいスタイルの葬儀を選んでもよいかもしれませんね。