お葬式の豆知識
沖縄で家族葬が選ばれる3つの理由
参列者が100人以上集まるというのが旧来の沖縄の一般的な葬儀でしたが、最近では家族葬が選ばれることが多くなってきました。どちらかといえば沖縄よりも全国的な広がりのほうが先だったようですが、家族葬が選ばれるようになってきた理由はいったいどんなことなのでしょう?
今回は、沖縄や全国の葬儀で家族葬が選ばれる3つの理由を解説していきます。
沖縄で家族葬が選ばれる3つの理由
沖縄で家族葬が選ばれるようになってきたのには3つの理由があります。ひとつめは小規模の葬儀をご遺族が望んでいるから、ふたつめは身内のみで葬儀がしたい、3つめは費用を効率的に使いたい、といった理由が一般的です。具体的にどういうことかを見ていきましょう。
<家族葬を選ぶ3つの理由>
①規模の小さい葬儀がしたい
②気の置けない、身内のみの葬儀がしたい
③費用を効率的に使いたい
①規模の小さい葬儀がしたい
沖縄に限らず全国的に家族葬にハッキリとした決まり事はありませんが、大勢の参列者が訪れる葬儀が一般的な沖縄で、あえて家族葬を選ぶご遺族は、生前に特に故人と仲が良かった人、近しい親族のみを対象とした葬儀を執り行いたいと望んでいる場合が多いです。
そのため「新聞のお悔やみ欄に掲載しない」「参列して欲しい人のみに案内状を出す」「葬儀会場を小さくする」といった配慮をしたり、気の置けない人だけが参列するカジュアルな葬儀にするため、参列者やご遺族で棺を囲んで、みんなで思い思いに故人の思い出話をしながら故人を偲ぶような葬送スタイルを取ることもあります。
ほかにも自宅葬やコンパクトな葬儀場などのスペースでゆったりと故人との最期の時を過ごすことも多いです。
②身内のみで気のおけない葬儀がしたい
一般的な沖縄の葬儀では、参列者が多いために故人との最期の時間をゆったりと過ごすことはほとんどできません。100人以上の参列者が列をなし、順番が来たらお焼香をして帰るのみながら、ご遺族にとっては故人との思い出に浸るタイミングもないまま、気が休まらない時間が続きます。
それらを避けるために家族葬を選んで、参列者への応対を緩和させ、身内や知人の少人数だけでしめやかに執り行うことを望むご遺族や喪主もいます。
その代わりに、四十九日前の法要であるナンカスーコー(週忌法要)を丁寧に行うと頻繁に訪れる参列者も見受けられます。それも避けたいということであればナンカスーコーを繰り上げる(四十九日まで行わない)という選択肢もありますので、ともかく身内のみで気のおけない葬儀を望むのであれば家族葬がよいでしょう。
ただし、初七日やナンカスーコー(週忌法要)を繰り上げる場合、「他の法要がないからこそ」多くの人々が参列できる大規模な一般葬を選ぶというご遺族もいます。これは故人の交友関係がどれほど広いかによって判断するとよいでしょう。
③費用を効率的に使いたい
家族葬を選択した場合、参列者も少なく小規模で執り行うことが出来るので葬儀費用が安くなる傾向はあります。人数も少なく規模の小さい家族葬は、喪主やご遺族にとって費用の用途が明確になりやすい点はメリットのひとつでもあります。こうした理由から家族葬を費用面で選ぶというご遺族も少なくありません。
◇葬儀費用の負担に注意
ただし、家族葬を選べば必ずしも全ての一般葬と比べて格安になるわけではありません。家族葬は規模が小さいことから葬儀費用は一般葬よりも安くなる傾向はありますが、御香典もその分少なくなりますし、葬儀の内容によっては割高になるので実質的な負担が高くならないように注意が必要です。
単純に費用面だけで葬儀スタイルを選ぶのであれば、お通夜をせず一日で済ませる一日葬や、火葬場で供養を行う直葬などもあるので葬儀会社と相談のうえ、どのような形式で行うかを決めていきましょう。
費用面では予算を抑えたいといった理由以外にも「心を込めて葬送するために効果的に費用を使いたい」という理由から家族葬を選ぶご遺族もいらっしゃいます。
<予算が効率的>
・見積もりの内訳が見えやすい
・見積もり金額と請求金額の差異が生じにくい
・参加者が決まっている予算立てをしやすい
予算面でのメリットは上記の通りです。家族葬の事例では、参列者の御香典を指定する「会員制」とする事例もありました。(特に読経供養を行わず、ホテルなどでカジュアルに行う無宗教葬などで多い事例です。)近年では
御香典を辞退する代わりに返礼品や御香典返しを用意しない「ご香典辞退」を選択するご遺族も増えているので、人数を限定した家族葬は安心ですね。
家族葬を選ぶ際に注意すること
●挨拶状(ご案内)
こじんまりと家族葬を執り行った後に、親族から「呼ばれていない!」とクレームが入った話もあります。挨拶状は忘れずに出すようにしましょう。その際、「葬儀は家族で済ませたこと」「弔問や香典はご遠慮すること」を挨拶状で伝えておくと先方からの理解も得られやすく、後々トラブルになりにくいでしょう。
●実質的負担に注意
家族葬を選んだ場合、参列者からの香典による収入が少なかったり、さまざまなスタイルやオプションがあるため、一般葬と比べると実質的な負担額が大きくなってしまう場合もあります。葬儀費用の負担を軽減するためにも以下のような対策を取るようにしましょう。
<対策案>
・葬儀社に葬儀予算を最初に伝える
・参列者の人数を少なくする
・供花や供物を少なくする
最初の葬儀社との打ち合わせで、素直に葬儀の予算額を伝えて相談をする方法が最も得策でしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄で家族葬が選ばれる3つの理由をお伝えしましたが、家族葬が選ばれる傾向にあるのは全国的にも同様で、その理由も今回ご紹介した3つの理由と同じです。できるだけ規模の小さな葬儀で費用を抑えて身内だけで執り行いたいという要望が増えていますが、一方で高齢化によって人間関係が希薄になってしまったため、大規模に執り行う必要がないというのも理由のひとつでしょう。
それに加えて沖縄では寺院との関係性も薄く、菩提寺を持たない家も多いため、宗教的に自由な面も選ばれる背景にあるようです。核家族化や少子高齢化によって今後ますます家族葬の需要は増えていくと思うので、今から予算感や規模感などリサーチしておくとよいでしょう。