お葬式の豆知識
葬儀で見かける数珠とはどんなもの?初めての数珠の選び方を解説!
独自の宗教観を持つ沖縄では、葬儀で数珠(じゅず)を持参する人はほとんどいませんでしたが、近年では葬儀や法事に数珠を持参する参列者が増えています。
今回は、数珠とはどんなものか?その意味や初めての数珠の選び方を解説します。
そもそも数珠とは?
「数珠」とは、仏様へ念仏を唱える時に左手に掛けて使用する法具のことです。数珠を左手に掛けて念仏を唱える理由は「心身の穢れを落として身を清め」、「仏様へ誠心誠意すがり」、「信仰を表し「帰依(きえ)」の想い」を仏様へ表す意味があります。
もともと独自の御願文化を持つ沖縄では、仏教の法具である数珠は葬儀や法事の場面では使われてきませんでしたが、移住者や県外の配偶者が増えたことで、近年では沖縄でも数珠を持参する人が増えてきました。
<数珠とは>
・念仏を唱える時に使用する法具
・心身の穢れを落とし、身を清める
・煩悩が消える
・仏様への帰依(きえ)を表す
・念仏を唱える回数を数える
・仏様と繋がる
数珠の起源は、国中に疫病が蔓延していた古代インドの王様に「木槵子(むくろじの実)108個をつないで、三宝(仏・法・僧)の名を唱えれば、煩悩が消え、災いもなくなり、心身も楽になる」とお釈迦様が説いたことが由来とされ、それ以来仏具の法具として欠かせないものになっていったとのことです。その後、日本の仏教の伝来とともに数珠も伝わりましたが、一般の人々が手にするようになったのは鎌倉時代以降のことだそうです。また、数珠は「念珠(ねんじゅ)」とも呼ばれますが、これはお経や念仏を唱える際にその回数を数えるために使われていたことがその由来です。
初めての数珠を選ぶ
初めての数珠であれば宗派を問わない略式数珠(りゃくしきじゅず)を選ぶのがよいでしょう。実は数珠には宗派により形や扱い方の違う正式な数珠(本式数珠)があるのですが、特定の寺院を信仰する「檀家制度(だんかせいど)」が根付いていない沖縄では、宗派にこだわらない略式数珠で問題ありません。
<沖縄の葬儀:初めての数珠選び>
①略式数珠
②男性用と女性用
③パワーストーンはNG
もちろん「檀家(だんか)」があって、特定の寺院や仏教宗派を信仰しているのであれば、その宗派に倣った本式数珠を購入するとよいでしょう。
「先方の宗派に倣った数珠でなければダメ?」といった質問も多いのですが、本式数珠は高価なものが多いため、もし自前の本式数珠があるのであれば、自分が信仰する宗派にならったもので問題ありません。
①略式数珠とは?
「略式数珠(りゃくしきじゅず)」とは、直径十数センチの短い一重で扱う数珠のことです。数珠を構成する数珠玉にはヒスイやメノウ、水晶などの天然石の他、白檀や黒檀、菩提樹などの木玉など素材はさまざまです。
<本式数珠と略式数珠の違い>
本式数珠は百八個(108玉)の数珠玉からなっているので数珠が長く二重にして持ちます。略式数珠は18~43玉(数珠玉の大きさによる)からなっていて、男性用は22玉で構成されることが一般的です。略式数珠はもともと宗派を問わないものなので房などが付いていれば基本的に素材や形に決まり事はありません。
※数珠を持ち歩く時には袋にしまうのがマナーなので数珠袋を一緒に購入しましょう。
②男性用と女性用
かつては男性用と女性用で、数珠の選び方に明確な違いがありました。しかし現代では基本的に男性用・女性用の関係なく、好みの略式数珠を選んで問題ありません。ただし数珠玉が小さく繊細なものを女性用に、数珠玉が大きいものを男性用に選ぶ傾向があります。
<男性用と女性用の目安>
・男性用(数珠玉のサイズが大きい)…直径10mm~18mm
・女性用(数珠玉のサイズが小さい)…直径6mm/7mm/8mm
女性用の略式数珠は水晶やローズクォーツなど、柔らかくカラフルな色目を、男性用は黒オニキスやタイガーアイ、木製などの力強い色目が多いのが特徴です。数珠玉の大きさにより使用する玉数は必然的に異なりますが、22個/20個/18個の3パターンが一般的でしょう。
③パワーストーンはNG
パワーストーンは数珠ではないので数珠代わりに持参することはNGです。パワーストーンは何らかの祈願の象徴とされる、特別な力を宿しているとされる天然石を連ねたブレスレットのようなもの、いわゆる嗜好品となるので法具である数珠とは役割や意味合いがまったく違います。
略式数珠は①ボサを持つ、②房がある、③3つの要素(主珠/二天珠/親珠)で構成されているという要素を備えているのに対し、パワーストーンは輪でできていて、房やボサなどはないので、パワーストーンなのか、略式数珠かは一目瞭然です。
まとめ
数珠とはどんなものか?その意味や初めての数珠の選び方は理解できましたか?数珠の起源やどんなものを選べばよいかを知っていれば葬儀や法事などがあっても安心して参列することができますね。大人の嗜みとして自分に合った数珠を手元に準備しておきましょう。