お葬式の豆知識
沖縄で行う自宅葬の5つのメリットと3つのデメリット
地域によりますが沖縄の北部や南部などでは、昔から自宅葬が執り行われてきました。近年でも感染症リスクの低減や高齢者の負担軽減、葬儀費用を抑えるなどの目的で自宅葬が再び注目されています。
今回は沖縄で行う自宅葬の5つのメリットと3つのデメリットをお伝えします。
沖縄で増えた自宅葬とは
昨今注目されている「自宅葬」とは、文字通り自宅を会場にして執り行う葬儀のことです。もちろん葬儀社が一般的になる以前は、葬儀を自宅で執り行うことは一般的でしたが、昨今では住宅事情や会場の広さを確保するために自宅葬はそれほど主流ではありませんでした。
ただ、近年は喪主やご遺族に高齢者がいることで体力的な負担や感染症への配慮から自宅を葬儀会場とすることが再び増えてきました。
沖縄の自宅葬、メリットとデメリット
沖縄では今でも自宅葬が多い地域があるため、これらの地域の人たちは葬儀といえば自宅葬だと考える方が多いでしょう。集落によっては今も昔ながらの沖縄の平屋が残っているため、棺の出し入れもスムーズに行えますし、近隣住民が世話役として手伝ってくれることも当たり前に行ってくれます。
長らくその地域に住んでいれば自宅葬が行われている看板を見掛けたこともあるのではないでしょうか。沖縄に限らず、その集落で自宅葬の看板を多く見掛けたのであれば、近隣住民の人々にも理解してもらいやすい地域であるということがわかります。
自宅葬を行うには、「自宅葬が根付いた地域かどうか」、「集合住宅が多いなど、密集地かどうか」、「寺院や自治会など、葬儀を行うに当たり相談者がいるか」などといったポイントで、自宅での葬儀が行いやすい地域なのかを判断しましょう。
もちろん、そうでは無いからといって自宅葬が出来ないわけではありませんが、一方で、都心部では全国各地からさまざまな文化を持って移住してきた人々が多いので、近隣住民への配慮が必要になる場合もあるため、注意が必要です。
①自宅葬のメリット
自宅葬は故人が住み慣れた家でお見送りができることが最大のメリットでしょう。また、葬儀では参列客がお焼香のみを済ませてすぐに帰ることが一般的ですが、沖縄では参列者が多く訪れる傾向もあって庭に列をなす様子もよく見かけます。そのため、時間的な制約の無い自宅葬であれば、列の長短を気にすることなく葬儀を行える点もメリットのひとつです。
<自宅葬のメリット>
①故人が住み慣れた家で見送る
②時間の制約がない
③葬儀の形式に制約がない
④会場費用が節約できる
⑤自宅なのでナンカスーコー(七日焼香)も可能
また、自宅で行うので宗派や形式に制約はなく、故人やご遺族が納得する形での葬儀を自由に行うことができるので、特に家族で見送りたい人にはピッタリの形でしょう。さらに会場費が掛からない点もメリットです。今では繰り上げナンカスーコー(七日焼香)が増えていますが、自宅を開放できる家なら、繰り上げずにナンカスーコーを行うことが出来るのも自宅葬ならではのメリットでしょう。
②自宅葬のデメリット
一方で自宅葬のデメリットを挙げると現代ならではの事情が関係してきます。特に近隣住民からの理解は必要で、理解を得られたとしても葬儀の前後にはご挨拶に伺うなどの細かいフォローは必要不可欠でしょう。
<自宅葬のデメリット>
①近隣住民の理解と喪家の配慮が不可欠
②葬儀の全てを葬儀社スタッフに任せることは難しい
③自宅葬スペースの準備や掃除が必要
さらに沖縄ではヒヌカン(火の神様)やトゥクヌカミ(床の神様)などの神様を祀る習慣がありますが、神様は死を不浄とするので、葬儀やご遺体を神様の目から隠さなければなりません。そのため自宅に神様を祀っている家では、神棚などは閉じ、葬儀中は半紙で封印する必要があります。
まとめ
沖縄で自宅葬を行う際のメリットやデメリットはいかがだったでしょうか?メリットはやはり故人が住み慣れた家で家族揃って見送ることができることでしょう。もちろんプランにもよるので会場費は必ずしも抑えられるわけではありませんが、慣れた環境で執り行うことができるのでご遺族も心にゆとりが生まれやすいですし、静かに故人をお送りすることができるのは、何物にも代えがたいメリットかもしれません。
その反面、現代では住宅事情などが関係するので自宅葬が難しい場合があるというのがデメリットでしょう。また、自宅はプライベートスペースなので、葬儀社のスタッフに完全に任せきるというのは難しく、最後の片付けなどはご遺族で行わなければならない点はデメリットですね。
そのため沖縄の自宅葬は昔から、隣近所や故人と近しい友人知人などに「世話役」をお願いして、葬儀を手伝ってもらっていました。自宅葬の中心は葬儀社に任せつつ、葬儀後の振る舞い(飲み物や食事の提供)や掃除など、世話役の人々に任せるということは古くから行われてきたため、必要に応じて故人の友人や知人にお願いしてもよいでしょう。