お葬儀の豆知識
【沖縄の葬儀マナー】数珠の意味とは?数珠の持ち方や選び方、5つの基本マナーを解説!
●数珠とは、仏教において仏様やご本尊へ念仏を唱えるにあたり、身を清める法具です
独自の宗教観(御願文化)を持つ沖縄では、特定の寺院や仏教宗派を信仰する檀家制度が根付いていないため、かつての沖縄の葬儀で数珠を持参する人はあまりいなかったものの、現代では沖縄の葬儀でも数珠を持参する参列者が増えました。
・数珠とは?
・どんな数珠を準備すればいい?
・数珠の持ち方やマナーはある?
今回は、沖縄の葬儀で数珠を持参するにあたり、数珠とは何か?その意味や、購入する際の基礎知識、持ち方やマナーまで解説します。
数珠とは?
●「数珠(じゅず)」とは、仏様へ念仏を唱える時に左手に掛けて使用する法具です
数珠を左手に掛けて念仏を唱えることにより、心身の穢れを落として身を清め、仏様へ誠心誠意すがり、信仰をいただく「帰依(きえ)」の想いを、仏様へ表します。
このような仏教の法具であるため、もともと独自の御願文化を持つ沖縄では、長らく使用されてなかったものの、本州の配偶者や移住者が増えるなどの背景により、沖縄の葬儀でも数珠を持参する人が増えました。
・念仏を唱える時に使用する法具
・心身の穢れを落とし、身を清める
・煩悩が消える
・仏様への帰依(きえ)を表す
・念仏を唱える回数を数える
・仏様と繋がる
数珠はもともと「念珠(ねんじゅ)」とも呼ばれ、同じものです。
数珠が念珠と呼ばれるのは、僧侶が念仏を唱えるにあたり、「何回唱えたか」を数珠の珠で数えていたためだと、言われています。
初めての数珠を選ぶ
●初めて数珠を準備するなら、宗派を問わない略式数珠が一般的です
数珠には宗派により形や扱い方の違う正式な数珠(本式数珠)があるのですが、特定の寺院を信仰する「檀家制度(だんかせいど)」が根付いていない沖縄では、葬儀の宗派にこだわらない略式数珠が良いでしょう。
[1]略式数珠
[2]男性用と女性用
[3]パワーストーンはNG
もちろん特定の寺院や仏教宗派を家で信仰する「檀家(だんか)」で、その宗派に倣った本式数珠を使用したい場合には、本式数珠を購入して構いません。
沖縄の葬儀では「先方の宗派に倣った数珠でなければダメ?」などの質問も多いですが、本式数珠は百八個の数珠珠が連なり、価格も高いものが多いです。
そのため本式数珠を沖縄の葬儀に持参する場合、基本的に自分が信仰する宗派に倣った本式数珠で構いません。
[1]略式数珠
●「略式数珠(りゃくしきじゅず)」とは、直径十数センチの短い一重で扱う数珠です
数珠を構成する数珠玉の素材はさまざまで、ヒスイやメノウ、水晶などの天然石の他、白檀や黒檀、菩提樹などの木玉もあるでしょう。
本式数珠は百八個(108玉)の数珠玉からなっているため、数珠が長く二重にして持ち歩きますが、略式数珠は18玉~43玉(数珠玉の大きさによる)からなり、標準的には男性用で22玉しかありません。
もともと略式数珠が宗派を問わないものなので、基本的な房などが付いていれば、素材や形に決まり事はありません。
※数珠を持ち歩く時には袋にしまうマナーがあるため、数珠袋を共に購入してください。
[2]男性用と女性用
●昔ながらの数珠の選び方では、男性と女性で選ぶ数珠に違いがありました
現代では男性・女性関係なく、好みの略式数珠を選ぶことも重要な要素のひとつになりましたが、略式数珠には数珠玉が小さく繊細な女性用と、数珠玉が大きい男性用があります。
・男性用(数珠玉のサイズが大きい)…直径10mm~18mm
・女性用(数珠玉のサイズが小さい)…直径6mm/7mm/8mm
また女性用の略式数珠は水晶やローズクォーツなど、柔らかくカラフルな色目も目立ち、一方で男性用は黒オニキスやタイガーアイ、木製などの力強い色目が多いです。
数珠玉の大きさにより使用する玉数は必然的に異なりますが、一般的には22個/20個/18個の3つの個数が多くあります。
[3]パワーストーンはNG
●パワーストーンは数珠ではないため、数珠代わりに持参することはNGです
パワーストーンは何らかの祈願事を叶える、特別な力を宿しているとされる天然石を連ねたブレスレットのようなもので、法具ではなく嗜好品となり、数珠とは役割が違います。
●略式数珠は、下記の要素を備えているものです。
・ボサを持つ
・房がある
・3つの要素(主珠/二天珠/親珠)で構成
一方、一般的なパワーストーンは輪でできていて、房やボサなどはなく、見た目にもそのものがパワーストーンなのか、略式数珠かは分かるでしょう。
数珠の持ち方
●数珠は①片手に掛ける、②両手に掛ける、③手首に掛ける、3種の持ち方があります
本式数珠とは違い、略式数珠はあくまでも全ての宗派に対応する略式のものなので、「必ずそうでなくてはならない」と言った決まり事ではありません。
けれども主に下記3つの持ち方があり、沖縄の葬儀では気にする人は少ないものの、本州では宗派によって推奨する(好ましい)持ち方が分かれます。
①片手に掛ける…曹洞宗/臨済宗
②両手に掛ける…浄土真宗
③手首に掛ける…真言宗
これはそれぞれの宗派の、本式数珠における扱い方に似ているためでしょう。
沖縄の葬儀で「どの数珠の持ち方が良いのか…」と迷った場合、宗派が分かればそれに倣い、分からない場合なら、沖縄では臨済宗が多い傾向です。
①片手に掛ける
数珠は基本的に左手に掛けて扱います。
左手の親指と人差し指の間に輪を掛けた状態で、右手を添えるように、そのまま合掌してください。
この時に数珠の輪は4本の指から、左手の甲に掛かっています。
②両手に掛ける
合掌した両手に数珠を掛け、親指で押さえた状態です。
この時に数珠の輪は4本の指から、合掌した両手の甲に掛かっています。
③手首に掛ける
左手の手首に掛けたまま合掌します。
この時に数珠の輪は、左手の手首に掛かったままです。
・【沖縄の葬儀マナー】宗派で違うお焼香の仕方とは。押さえる3つのポイント
数珠を扱うマナーは?
●数珠には①貸し借りをしない②直置きしない③袋に入れて持ち歩く、3つのマナーがあります
数珠により持ち主は、仏様への帰依を表し仏様と繋がりますので、「私と仏様を繋ぐもの」として大切に扱うことを念頭に置けば、それほど間違えた扱いはないでしょう。
基本的に下記3つのマナーがあります。
①貸し借りをしない
②直置きしない
③裸で扱う(袋に入れて持ち歩くと良い)
数珠は持ち主と仏様の絆でもあり、個人の念も込められています。
そのため例え、家族であっても数珠の貸し借りはNGです。
また床や椅子、畳などに数珠を直置きせずに、仏様として大切に扱ってください。
持ち歩く時にも、お焼香の際は左手首に掛け、その他では数珠袋などに入れて持ち歩くと良いでしょう。
最後に
以上が沖縄の葬儀で数珠を持参する時に知っておきたい、基本的な数珠の持ち方や選び方、基本的な扱い方のマナーです。
しばしば「数珠が切れて不吉!」とおびえる声もありますが、数珠は基本的に穢れを祓う役割もあるため、邪気や不幸を吸収して切れた、壊れたと捉えてください。
お焼香以外の場所では、数珠を数珠袋などに持ち歩くと良い話をしましたが、葬儀会場では肌身離さず持ち歩く人も多いです。
手で持っていても良いですし、バックやポケットに入れても構いません。
・【沖縄の葬儀マナー】お線香のあげ方も宗派で違う?自宅への弔問でお線香をあげるマナー
まとめ
数珠の選び方や持つ方扱い方とは
・数珠とは、仏様へ念仏を唱える法具
・初めての数珠は略式数珠でも良い
・パワーストーンはNG
・貸し借りをしない
・床や椅子などに直置きしない
・袋に入れて持ち歩く