お葬儀の豆知識
【葬儀の進め方】葬儀当日の流れ。喪主が気遣う5つの事柄|出棺前
葬儀社との打ち合わせさえ済ませれば、葬儀社スタッフが会場設営などを進めてくれますが、喪主は葬儀当日の流れを理解しておくと、参列者やサポートをしてくれる人々に失礼がありません。
特に当日には喪主挨拶も行います。
そのため最低限の葬儀の流れを理解して、どのタイミングで、どこで喪主挨拶を行うかを確認しておくと、その時に言葉が飛ぶこともないでしょう。
今回は、喪主が理解しておきたい葬儀当日、5つの流れお伝えしていきます。
葬儀当日、出棺前までの5つの流れ
葬儀当日は、大勢の参列者が焼香を行う葬儀・告別式の後、親族や身内のみで火葬場へ行き火葬を行うため、午前中早くから始めるものが多いです。
さらに沖縄で門中墓など、すでに入るお墓がある場合には、葬儀当日、火葬を終えてすぐの納骨式も考えられます。
(1)葬儀前、喪主の準備
(2)開式の辞
(3)弔辞拝受
(4)焼香
(5)閉会の辞
一般的に通夜と葬儀は同じ斎場で執り行うことが多いです。
そのため通夜の準備ほど、バタバタとすることはないでしょう。
(1)葬儀前、喪主の準備
葬儀当日の流れでは、始まる前に喪主は参列者に失礼のないよう、いくかのチェックが必要になります。
また葬儀・告別式後にはそのまま火葬場へ移るため、火葬に関する手続きや書類も、葬儀前にはチェックを済ませ、持参してください。
(火葬に必要な準備は「【沖縄の葬儀マナー】火葬とは?火葬場で行う別れの式と骨あげ、火葬場での手続きを解説」)での解説しています。
●葬儀前、斎場でチェックする事柄は下記になります。
①会場チェック
・座席数(席順/焼香の順番)
・通夜後に斎場に届いた供花や供物の配置
・参列者へ配る会葬礼状、返礼品の数
②弔辞や弔電
・弔辞を依頼する人(弔辞の順番)
・弔電を拝読する数、順番
③喪主挨拶
・喪主挨拶の下書き
・喪主挨拶のタイミング
「喪主挨拶のタイミング」としては、葬儀当日の流れとして2つのパターンがあります。
・出棺時、斎場の玄関で
斎場によっては斎場の玄関での喪主挨拶(などの儀礼)を禁止している施設もあるので、確認をしながら進めてください。
・【葬儀の進め方】喪主が決める花輪や供花を配置する順番、5つの決まり事
(2)開式の辞
葬儀当日の流れとして、午前10時に始まるケースでは、約1時間前の9時から受け付け開始が多いです。
喪主はこの時間、余裕があれば参列者への対応をしても良いですが、9時半頃を目安に僧侶が到着しますので、僧侶を迎えて控室へご案内をします。
・9:00頃…受付開始
・9:30頃…僧侶到着
・9:45頃…喪主や遺族、近親者が葬儀会場に入場/着席
僧侶が到着したら、通夜のお礼とともに葬儀へのご挨拶を行い、下記事項も改めて確認しておくと良いでしょう。
・精進落としの参加の有無
一般的には火葬場でも火葬時に読経供養を行いますが、最近では僧侶は同行せず、火葬場での読経供養を省略することも増えました。
また精進落としに僧侶が参加しない場合には、約3千円~5千円ほどの「御膳料」を包み、お布施とともにお渡しします。
・【沖縄の葬儀】葬儀での喪主挨拶。把握したい6つのタイミングと挨拶例文
(3)弔辞拝受
葬儀当日の流れとして、世話役や葬儀社スタッフによる「開式の辞」としてご挨拶をしましたら、続いて僧侶が入場し「引導(いんどう)」が行われます。
●葬儀において「引導」は、故人が無事に成仏できるよう、「あなたは亡くなりましたよ」と伝えながら、法語により進むべき道を照らすものです。
この後に弔辞が行われる葬儀の流れが一般的でしょう。
・開式の辞
・僧侶が入場し、引導を渡す
・弔辞が読まれる
・弔電が読まれる
ただ近年の葬儀の流れでは、特に家族葬など小規模な葬儀の場合に、弔辞や弔電が省略されることも増えました。
約30人以下ほどの参列者が決まっている小規模葬では、弔辞や弔電はよりフレキシブルで、参列者が全てお焼香を終えた後に行うものもあります。
(4)焼香
以上、弔辞や弔電までの一連の葬儀の流れを終えた後、僧侶が再び読経を始めます。
僧侶の読経が始まり、丁度良いタイミングで、喪主から順番に焼香を始めてください。
・僧侶が読経を始める
・喪主から焼香
・近親者が焼香
・一般参列者が焼香
・僧侶の退場
焼香は以上の流れですが、沖縄の葬儀では祭壇の前方が喪主・親族・近親者が座り、中央にもうひとつの焼香台を設置した後、後方に一般参列者が着席する会場も多いです。
このような形の葬儀会場では、喪主や親族などの身内と、一般参列者と、それぞれに焼香を進めます。
また、葬儀のなかには「指名焼香」もあります。
「指名焼香」では司会者が名前を読み上げた順番で焼香を行いますが、この場合には名前漏れがないよう、充分に注意をしなければなりません。
・【沖縄の葬儀マナー】宗派で違うお焼香の仕方とは。押さえる3つのポイント
(5)閉会の辞
葬儀当日の流れとして、参列者全員がお焼香を済ませたら葬儀・告別式は閉会です。
葬儀スタッフや世話役の人々が「閉会の辞」を行いますので、この時点で一般参列者は退席になるでしょう。
そこで喪主や遺族、近親者は葬儀会場に残り、故人との最期の対面を行います。
・閉会の辞
(葬儀会場で喪主挨拶を行う場合、喪主挨拶)
・一般参列者の退席
・喪主や遺族、近親者が葬儀会場に残る
・棺に「別れ花」を手向ける
別れ花により最期の対面を行いますが、こちらも故人に近しい人から順番で別れ花を手向けてください。(喪主→遺族→近親者です。)
葬儀・告別式が終わるタイミングで、祭壇を前に喪主挨拶を行う葬儀もありますが、出棺時に喪主挨拶を行う葬儀の場合、参列者は葬儀会場から退席後、斎場の玄関前で待機してもらいます。
骨葬では…
今、沖縄では家族で先に火葬を済ませて、焼骨した骨壺を前に葬儀・告別式を行う「骨葬」が選ばれています。
骨葬の場合も葬儀・告別式の基本的な流れは同じですが、棺を前に行う葬儀「遺体葬」のように棺がないので、最後に遺族が花を手向けたり、出棺時、葬儀会館前で行う喪主挨拶はありません。
(1)葬儀・告別式開式
(2)親族焼香(葬儀式)
(3)導師退堂(僧侶の退場)
(4)喪主挨拶
(5)一般焼香(告別式)
(6)葬儀・告別式終了
(7)納骨する家は納骨へ
沖縄で骨葬を行う場合は、上記の流れが一般的です。
特に沖縄では規模の大きな(参列者の多い)告別式もあるため、親族が全員お焼香を終えると(葬儀式)、僧侶は退場し、この時点で喪主挨拶を行った後に、一般参列者のお焼香(葬儀式)が続きます。
門中墓など、すぐに納骨ができる状態であれば、葬儀・告別式終了後に遺族や近しい関係者のみが残り、そのままお墓へ行って納骨式を行うこともあるでしょう。
ただし、新しいお墓を建てるなどの事情も多いため、必ずしも当日の納骨でなければならない訳ではありません。
全国的には四十九日法要の後や、一周忌(沖縄ではイヌイ)などの法要(スーコー)で、僧侶や親族が集まった際、同日に合わせて納骨式まで執り行う判断が多い傾向です。
最後に
以上が喪主が事前に把握しておきたい、葬儀当日5つの流れです。
ただ喪主や遺族、近親者は葬儀・告別式を終えた後、火葬場へ行き火葬、精進落としまであるでしょう。(一部では納骨式まで)
沖縄では葬儀会場から火葬場に向かう道、納骨のためにお墓へ向かう往路と復路など、「同じ道を通ってはいけない」などの昔ながらの慣わしもあるため、どこまで倣うかも、家族や親族と相談しておくと、思わぬトラブルもより少なくなります。
高齢の親族がいる場合、喪主は葬儀の流れを把握すると共に、上手に高齢の親族にも相談をしながら進めるとスムーズです。
まとめ
葬儀当日、出棺までの5つの流れ
(1)葬儀前、喪主の準備
・会場チェック
・弔辞や弔電
・喪主挨拶
(2)開式の辞
・受付開始
・僧侶到着
・喪主や遺族、近親者が入場
(3)弔辞拝受
・開式の辞
・僧侶が入場し、引導を渡す
・弔辞が読まれる
・弔電が読まれる
(4)焼香
・僧侶が読経を始める
・喪主から焼香
・近親者が焼香
・一般参列者が焼香
・僧侶の退場
(5)閉会の辞
・閉会の辞
・一般参列者の退席
・喪主や遺族、近親者が葬儀会場に残る
・棺に「別れ花」を手向ける