お葬儀の豆知識
家族葬を進める流れとは?家族が亡くなってからの準備、家族葬当日の流れをくわしく解説
・家族葬までの流れとは?
・家族葬当日の流れとは?
・家族や親族で事前に決めることは?
人数を限定した家族葬では、準備の流れや、打ち合わせで決める事柄も少し違います。
特に広く参列者を受け入れる風習がある沖縄では、後々のトラブルを防ぐためにも、家族や親族で話し合う必要があるでしょう。
本記事を読むことで、家族葬を行う際の準備や流れ、家族や親族で事前に決める事柄や、家族葬を行う際にトラブルを予防するマナーが分かります。
家族葬の準備や流れとは?
◇家族葬に実績のある葬儀社を選びます
家族が亡くなったら葬儀社を選びますが、家族葬を執り行うことが決まっている場合には、家族葬を良く知る、実績のある葬儀社がおすすめです。
病院では葬儀社が紹介されますが、複数の葬儀社から比較検討できません。
納得のできる家族葬を執り行うならば、自分で複数の葬儀社から信頼できる一社を選ぶのも良いでしょう。
葬儀社にはさまざまな種類があり、特徴もあるため、ホームページなどで実績を見ます。
例えば、故人を見送るにあたり希望があれば、融通が利きやすい地域に根差した葬儀社がおすすめです。
・【家族が亡くなったら】死亡後に家族が行う10の手続きチェックリスト
①喪主の決定
◇「喪主」とは、葬儀の責任者です
喪主は葬儀の責任者となる人で、一般的に配偶者やなど、故人と最も近しい人が担います。
喪主が高齢である場合、喪主とは別に施主を設けて、葬儀の支払いなど実質的な部分を分担することも可能です。
同時に家族が亡くなったら、医師から死亡診断書を受け取った後、死亡届手続きを行います。
死亡届を提出して火葬許可証を受け取ってから火葬をする流れです。
②家族葬の日時・場所を決定
◇火葬場の空き状況まで確認して、葬儀日程を決めます
葬儀社との打ち合わせでまず決める事柄は、葬儀の日時や場所です。
ただし火葬場はひっ迫していることもあるので、火葬場の空き状況も確認しましょう。
昔はご臨終の当日に通夜を行いましたが、現代では葬儀社の安置室の環境が整っているため、ご臨終の数日後に執り行う葬儀も増えました。
遠方に住む家族・親族がいるならば、往来の準備などの配慮も含めて数日後に決定する喪主が増えています。
③家族、親族との話し合い
◇家族葬は約10人~30人ほどの、規模の小さな葬儀です
従来の沖縄で執り行う一般葬と比べ、家族葬は約10人~30人ほどの規模の小さな葬儀です。
また訃報を新聞のお悔やみ欄で広く伝えるのではなく、家族葬への参列を希望する限られた方々へ、個々にご案内をします。
広く参列者を受け入れない家族葬に違和感を覚える家族・親族もいるかもしれません。
価値観の分かれるところではあるので、後々のトラブルにならぬよう、事前に家族・親族でよく話し合い決定しましょう。
家族葬の流れを決める
◇家族葬は自由度の高い葬儀です
家族葬は従来の一般葬とは違い、ごく近しい身内のみで執り行う葬儀になるため、参加する家族や親族が同意するならば、より希望に寄り添う葬儀ができます。
一方で従来の葬儀とは違うため、周囲への配慮も必要です。
また参加する家族や親族同士でも、意見や価値観が異なることもあるでしょう。
自由度が高いと言うことは、それだけ決める事柄も増えます。
家族葬における葬儀社との打ち合わせで、喪主やご遺族が予め決めておきたい事柄は、主に下記の5項目です。
①一日葬か二日葬か
◇家族葬ではお通夜を行うか、行わないかを決定します
沖縄で従来の一般葬は広く参列者を受け入れるため、葬儀・告別式のみ執り行う一日葬が一般的です。
ただ参列者を限定した家族葬では、通夜を加えた二日葬を行うこともあります。
家族葬における通夜は簡略化されるため、約40分~1時間ほどで終えるものも多いです。
特に僧侶をお呼びしない沖縄の通夜では、喪主やご遺族が故人と最期のお別れを惜しむ場に参列者を受け入れ、お焼香のみ済ませて帰る流れもしばしばです。
・家族葬で通夜はどうする?通夜振る舞いは?家族葬での通夜の時間と、マナーを詳しく解説
②家族葬へ呼ぶ人
◇家族葬でどこまで呼ぶかに規定はありません
「家族葬」との響きから、呼ぶ範囲は家族・親族のみと捉える人もいますが、家族葬で呼ぶ範囲は喪主やご遺族で決めることができます。
家族葬の定義は「約10人~50人ほどの規模の小さな葬儀」だからです。
とは言え「○○が呼ばれたのに私は呼ばれなかった!」など、後々のトラブルを防ぐためにも、家族葬へ呼ぶ人と呼ばない人について、誰もが納得できる明瞭な判断基準は必要になるでしょう。
そのため一般的には、ご遺族や第三親等までの親族、故人と生前にごく親しかった友人などに限られますが、故人の交友関係を鑑みながら、家族・親族で話し合い決めます。
・家族葬はどこまで呼ぶ?家族葬の「身内」とはどこまで?呼ばない方へご挨拶やマナーは?
③お斎の有無
◇「お斎(おとき)」とは、葬儀や法要後の会食です
「お斎(おとき)」とは、通夜や葬儀・法要の後に設けた会食の場で、主に喪主や施主が参列者にお礼を振る舞うために行われます。
通夜では「通夜振る舞い」、葬儀では「精進落とし」とも呼ばれるでしょう。
沖縄の葬儀では参列者の人数が分からない、規模が大きいことから、お斎を振る舞う葬儀はあまりありません。
けれども約10人~20人など、人数が限定された家族葬の場合、通夜振る舞いや精進落としを検討する方もいます。
またお子様の多い家族葬などでは、会食の場を設けないまでも、ちょっとした軽食や飲み物などを用意しておくと親切です。
④香典、弔電、供花の対応
◇家族葬では香典や弔電、供花を辞退するものも多くあります
一般的な葬儀では、参列すると香典を持参しますよね。
また参列できない時には弔電や、供花・供物を持参する葬儀もあるでしょう。
家族葬も規模が小さくなっただけなので、基本的には香典や弔電、供花や供物を受け付けますが、後々、香典返しを行う手間暇を省略するため、これらを辞退する家族葬も増えました。
目安として3千円以上の香典や弔電、供花・供物をいただいた時、喪主は四十九日の忌中が明けた頃に、香典返しを送らなければなりません。
特に、ごく近しい身内のみで執り行う家族葬の場合、香典返し諸々の手間暇を省くかどうかを決めておきましょう。
⑤家族葬へ呼ばない方への対応
◇家族葬へ呼ばない方へ、どのタイミングで訃報を送るか決めます
沖縄の一般葬では葬儀当日に新聞の訃報欄に掲載する流れが多いため、不特定多数の人々に広く訃報が知れ渡りますが、家族葬での訃報は個々への報告です。
そのため故人と生前にお付き合いのあった方々へ、どのタイミングで訃報を送るか、家族や親族で検討すると良いでしょう。
家族葬を済ませてからご報告することで、先方も「葬儀に参列すべきか否か」と悩む必要がないためです。
けれども故人の仕事関係者など、すぐに訃報を知らせなければならない事情もあるでしょう。
故人の交友関係を鑑みながら家族で話し合い、対応を決めましょう。
家族葬当日の流れ
◇家族葬は葬儀開始から、約1時間半~2時間ほどが目安です
沖縄の葬儀は一般的に遺骨を前にして行う「骨葬」なので、午前中にご遺族のみで火葬を済ませ、午後から家族葬を行う流れになるでしょう。
家族葬は少人数で執り行う葬儀なので、受付を省略することも多いですが、受付がある場合は開始時刻30分前から始めるのが一般的です。
供花や供物が葬儀当日に到着するため、喪主やご遺族は1時間前には会場に来て、上座・下座に注意をしながら飾る位置を決めます。
また僧侶のお迎えやお布施のお渡しなど、僧侶への礼も丁寧に進めましょう。
少人数の家族葬で出棺式の参加者と同じ顔ぶれになる場合には(骨葬)を行わずに出棺時に葬儀式(家族葬)を行うケースも増えています。
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①通夜当日の流れ
◇沖縄の通夜は、僧侶をお呼びしないものが多いです
沖縄の通夜は一般的に、ごく近しい身内が故人のご遺体に寄り添い、最期の別れを惜しむ時間で、僧侶をお呼びして読経供養を行う流れは、あまり多くはありません。
けれども全国的な風習に倣い、通夜と葬儀(告別式)の2日間に渡る二日葬を執り行う場合には、読経供養を行う通夜もあるでしょう。
特にスケジュールが合わずに通夜のみ訪れる参列者が多い場合や、本州からの参列者が多い場合には、葬儀と同じく僧侶をお呼びした通夜を見受けることもあります。
<家族葬の通夜当日の流れ> ※時間はあくまでも一例です。 |
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[時間] | [内容] |
①17時 | ・喪主、ご遺族が会場に着く |
②17時半 | ・参列者が会場に着く (僧侶の迎え入れ) |
③18時~18時50分 | ・お通夜の開式 ・お焼香 |
④19時~20時半 | ・通夜振る舞い (お斎の場を設けた場合) |
⑤21時 | ・帰宅 |
自宅葬が多かったかつての通夜とは違い、現代は通夜の日も自宅へ一時帰宅して、翌日の葬儀に備える家族葬の流れが一般的です。
ご遺体を安置室に預けている場合、施設でも面会時間を設けているでしょう。
沖縄ではもともと特定の寺院に所属する檀家制度が根付いていないため、通夜で読経供養を行うかどうかは、喪主やご遺族の判断によります。
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②家族葬当日の流れ
◇家族葬の開始から、約1時間半~2時間ほどが目安です
家族葬は一般的に、喪主挨拶からご帰宅まで約1時間半~2時間ほどで行います。
ただし喪主やご遺族は早めに到着して、参列者を迎え入れなければなりません。
目安としては、葬儀開始から30分~1時間前には到着していると良いでしょう。
<家族葬当日の流れ> ※時間はあくまでも一例です。 |
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[時間] | [内容] |
①14時 | ・喪主、ご遺族が会場に着く |
②15時 | ・参列者が会場に着く (僧侶の迎え入れ) |
③15時半~ | ・開式(喪主挨拶) ・僧侶の入場 ・読経、お焼香 ・弔辞、弔電の奉読(ほうどく) ・法話、僧侶の退場 ・閉式(喪主挨拶) |
④17時~18時半 | ・精進落とし (お斎の場を設けた場合) ※もしくは納骨 |
⑤19時 | ・帰宅 |
沖縄では葬儀当日に納骨を済ませる風習もありますから、従来の沖縄の風習通り精進落としは行わずに、そのまま納骨を済ませる家族葬も多くあります。
とは言え約10人以下など、ごく少数の家族葬では、当日の流れも緩く進むものも多いです。
参列者の全員が故人とごく近しい身内になることも多いため、沖縄では午前中から参列者の全員で火葬場へ行き、そのまま家族葬の会場へ場所を移す流れも見受けます。
少人数の家族葬で出棺式の参加者と同じ顔ぶれになる場合には(骨葬)を行わずに出棺時に葬儀式(家族葬)を行い、収骨後に直接納骨へ向かう場合も多くあります。
③家族葬後の対応
◇家族葬のご案内をしなかった方々へ、挨拶状を送ります
故人の仕事関係者や親族など、事前に訃報を伝えるべき方々以外には、家族葬を済ませた後に事後報告として、挨拶状のハガキを送る流れが一般的です。
家族葬後の挨拶状には、事後報告になったことへのお詫びとともに、葬儀は近親者のみで済ませたことを記載しましょう。
「葬儀は故人の遺志を尊重し近親者のみで家族葬にて相済ませました
本来であれば早くお伝えするべき処でしたがご通知が遅れましたことお許しください」
この他、香典や供花、家族葬後の弔問を辞退する場合にも、その旨を記載します。
また10月~12月の年末に事後報告が掛かる場合には、年賀状を欠礼することを併せてご報告しましょう。
まとめ:家族葬は一般的な流れとは違うこともあります
身内のみで執り行うことも多い家族葬では、基本的な流れを参考にするものの、故人の生前の意向やご遺族の希望を取り入れるケースでは、一般的な葬儀の流れとは異なるものも多いです。
特に沖縄では特定の菩提寺を持たない家が多いため、必ずしも読経供養を行う必要はなく、故人とごく近しい身内のみが集まって、ゆっくり最期の別れの時間を惜しむ家族葬もあります。
家族葬では香典辞退も多いですが、参列者から香典を渡された場合には、頑なにお断りをせず、ご厚意をありがたく受け取りましょう。
そして四十九日法要の後、個別に香典返しを送ります。